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こころの健康維持の11個のコツ-コロナ不安・コロナうつ予防のために⑫

目次
・コロナストレス、コロナうつ、コロナ疲れ、コロナ不眠。体内時計の乱れに注意!(その①)
・心の病気は体内時計や生活リズムと関係が深い(その②)
・まず行動を少しだけ変えてみよう(その③)
・やる気が出ないときは、少し工夫してみよう
やる気が出る仕組みを利用しよう(その④)
“まず5分”行動するために、小ネタを見つけよう(その⑤)
小ネタで大切なことは、数・しょぼさ・盛り込み(その⑥)
小ネタを探すコツ(その⑦)
やり始めの大変さを乗り切るコツ(その⑧)
・家族のストレスとコミュニケーション
伝え方を工夫しよう~OKワードとNGワード~(その⑨)
コミュニケーションの3つのパターン(その⑩)
相手も自分も大切にする伝え方(その⑪)
・新型コロナウイルス(COVID-19)の流行下の、こころの健康維持の11個のコツ(日本うつ病学会より引用)(その⑫)

先が見えない生活に疲れても、日常の生活リズムがポイント!

新型コロナウイルスのこころの健康への影響について、国内外の専門家らが注意を促し、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行下における、こころの健康維持のコツ」を提言しました。日本うつ病学会でも、2020年4月7日、その提言を翻訳し、公式サイトに掲載しました。この提言では、心の健康を保つ自己管理術として「11個のコツ」を掲げています。
今回のブログでは、この提言をご紹介します(日本うつ病学会ホームページより引用)。

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行下の、こころの健康維持の11個のコツ

①日課を作る

自宅待機や在宅勤務であっても、自分自身で毎日決まって行う日課を設定しましょう。そうすることで、あなたの体内時計は安定して働くようになります。

②同じ時間に起きる

毎日、同じ時刻に起きましょう。決まった時刻に起床することは、体内時計が安定して働くために最も大切です。

③外で日の光を浴びる

毎日、一定時間を屋外で過ごすようにしましょう(訳注: 密閉・密集・密接など3密の状況を避け、一人でいられる場所で)。体内時計の時刻合わせには、朝の光が欠かせません。朝といっても、お昼近くよりは、午前中の早い時間帯が望ましいでしょう。

④窓際で日光を浴びる

もし、あなたが外に出られないとしても、少なくとも 2 時間は窓際で過ごし、日の光を浴びながら、心の落ち着ける時間を持ちましょう。

⑤活動は同じ時間に

在宅での仕事や学習、友人との電話、料理など、毎日行ういくつかの活動はやる時間を決めましょう。そして、毎日、同じ時間に行いましょう。

⑥毎日運動をする

毎日、運動をしましょう。できれば、毎日、同じ時間帯で。

⑦食事は同じ時間に

毎日、同じ時間に食事をしましょう。食事の時間になっても、食べたくない時もあるかもしれませんが、それでも時間が来たら少量でも良いので何かを口にしましょう。

⑧リアルタイムなやり取りは大切

人との交流は、たとえ社会的距離確保の期間中であっても大切です。リアルタイムに考えや気持ちを分かち合えるような人はいるでしょうか? テレビ電話か音声通話かはどちらでも結構ですので、可能そうな方とコミュニケーションの機会を持つようにしましょう。すぐに相手が思いつかなくとも、誰かいなかったかを思い出してみましょう。LINE のような文章だけの会話であっても、リアルタイムにメッセージが行き交うものであれば大丈夫です。そして、毎日、同じ時刻にそういった相手とコミュニケーションするスケジュールを持ちましょう。

⑨昼寝は禁物

日中の昼寝(特に、午後遅くの昼寝は)は避けましょう。もし、どうしても昼寝が必要な方は最大でも 30 分以内に抑えましょう。昼寝は、夜の深い睡眠を妨げます。

⑩夜間のスマホやテレビはNG

夜間に明るい光(特にブルーライト)を浴びるのは避けましょう。コンピューターやスマートフォンのディスプレイも含まれます。ブルーライトは、睡眠に不可欠なホルモンを減らしてしまうことがわかっているからです。

⑪起きる時間/寝る時間を決める

自分自身に合った、起床と就寝の時間を決め、一貫してその睡眠リズムを保つようにしましょう。もし、あなたが夜型ならば、たとえ家族の人より少し遅く寝て、少し早く起きることになったとしても大丈夫です。毎日、同じ時間に床につき、同じ時間に起きることがポイントです。

日本語訳:宗未来(東京歯科大学)

出典 日本うつ病学会
国際双極性障害学会:時間生物学・時間療法タスクフォース、光療法・生物リズム学会が共同で発表した提言の日本語訳です。

まとめ

こころの健康維持の11個のコツ
①日課を作る
②同じ時間に起きる
③外で日の光を浴びる
④窓際で日光を浴びる
⑤活動は同じ時間に
⑥毎日運動をする
⑦食事は同じ時間に
⑧リアルタイムのやり取りは大切
⑨昼寝は禁物
⑩夜間のスマホやテレビはNG
⑪起きる時間/寝る時間を決める

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。