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疾患について DISEASE

2020.05.27 うつ病

うつ病とはどんな病気ですか?

うつ病とはどんな病気ですか?

目次

うつ病とはどんな病気ですか?

うつの症状

うつ病の治療中に心がけることはありますか?

うつの症状はどのような経過で改善していくのですか?

症例

うつ病患者さんに接する方へ

 うつ病とはどんな病気ですか?

 強い抑うつ状態が長く続き、日常生活に支障をきたしてしまう病気です。

“一時的で、日常生活に支障をきたさない気分の落ち込み”はうつ病とは言いません。

うつ病での「うつ状態」というのは、“物事に対する関心や取り組む意欲が失せて何もする気が起こらない状態が一日中ずっと、ほとんど毎日、2時間以上にわたって続いた状態”をさします。

また、「眠れない」「食べられない」など、さまざまなつらい症状も伴うため、日常生活に大きな支障をきたすようになります。

うつ病は早期に発見して適切に治療すれば、十分に治りうる病気です。
このため、患者さん本人や周囲の人が早く気づいて、専門家による適切な治療を受けることが大切です。

うつの症状

気持ち・行動の変化(精神症状)

気が沈む。気が重い。
今まで好きだったことが楽しめない。
テレビを見ても、音楽を聴いても楽しくない。
特に朝方は無気力で、何もする気が起こらない。
仕事の効率が上がらず、何をするのもおっくう。
人との会話・議論に集中できない。
イライラしてじっとしていられない。
お酒の量が増える。
ボーっとして事故やケガをしやすい。
自分の人生がつまらなく感じる。このまま消えていなくなりたいと感じる。

からだの変化(身体症状)

夜ぐっすり眠れず、朝早く目が覚める。
食事が進まず、美味しいと感じられない。
疲れやすく、身体がだるい。
首すじや肩がこって仕方がない。
頭が重いと感じる。
頭が痛い。
息がつまって、胸が苦しい。
ノドの奥に物がつかえている感じがする。
性的な関心がうすれ、性欲が低下する。

うつ病の治療中に心がけることはありますか

症状の変動に一喜一憂しない、病気と気長につきあう

治療を始めても、完全に治るまでに最短でも3ヶ月程度はかかるといわれています。
治療中は症状がよくなったり、悪くなったりと、一進一退の状態を繰り返しながら、非常にゆっくりとしたペースで回復に向かっていきます。
うつ病は治るまでに時間がかかる病気です。あせらずじっくり治療に取り組みましょう。

絶対に自殺をしない

うつ病になると「死にたい」「消えてなくなってしまいたい」という気持ちが強くなることがあります。
しかし、こういった思いに駆られるというのも、実はうつ病の症状のひとつなのです。
このため、うつ病が回復すると、「死ななくてよかった」という気持ちに変わります。
絶対に自殺をしないでください。

回復するまでには人生の大決断をしない

うつ病になると、判断能力も含めてあらゆる機能・能力が低下します。
また不安が強まり、悲観的な考えから抜け出せなくなるため、いくら考えても自分が進むべき道が見だせなくなります。
このような時に人生における大きな決断(転職、結婚等)はしてはいけません。
うつ病の時は、悩み事を一度棚に上げ、回復してから考えるようにしましょう。

 

うつの症状はどのような経過で改善していくのですか?

病初期(病気の初期段階)→回復期→維持期と段階を追って徐々に回復していきます。

回復期

症状はひとつずつ段階的に改善していき、最終的には元の状態にまで回復していきます。

治療を始めると、多くの患者さんではまずイライラや不安といった症状がとれ、次に憂うつな気分が和らいでいきます。そしてさらに治療を続けると、次第に物事に対する興味や、楽しみ、生きがいも再び感じられるようになるというように回復していくパターンが多いようです。

うつ病では、一度にすべての症状がなくなるわけではなく、徐々に消えていくものです。あせらずに、治療を続けることが大切となってきます。
うつ病では考え方や行動、生活パターンが悪循環に陥り、自力で抜け出せないことがあります。
そのためには、適切な薬物療法や治療プログラムが必要になります。

維持期

うつ病は一度よくなっても再び症状が出現したり、しばらく経ってからまたぶりかえしたりすることのある病気です。
このため、自分で治ったと思ってもすぐに薬の服用をやめず、抗うつ薬の量を加減しながら薬物療法を続けます。

この段階を維持期といいます。

症例

主婦Aさんの場合

Aさんは①「朝起きて」、②「家事をしないといけない」と思い、家事をすることに対して、③「おっくう」になり、

おっくうな気持ちから、④「からだが重くなり」、⑤「横になりました」。だらだらしている自分に対し、⑥「私はダメな人間だ」という思いに駆られました。

結局、⑦「家事ができない」ため、また②「家事をしなければならず」、③「おっくう」になるという悪循環が生じます。
主婦Aさんの場合、薬物療法と当院の治療プログラムが有効です。

会社員Bさんの場合

会社員Bさんは、①「朝起きて」、②「仕事に行きたくない」と思い、③「憂うつ」になり、④「頭やお腹が痛くなり」、⑤「会社を休みました」。

会社を休んだことで、⑥「こんな自分は情けない」という気持ちが生じました。
⑦「上司から怒られ」、また②「仕事に行きたくない」と思い、③「憂うつになる」という悪循環が生じます。

会社員Bさんの場合、薬物療法と通常のプログラムに加え、 復職支援プログラム などが有効です。

 

うつ病患者さんに接する方へ

過剰な励ましや心配は避け、患者さん本人のペースを大切にしましょう。

病初期

やたらに励まさない
ゆっくり休めるように環境を整備する
共に在る存在でいる
患者さんの不安に巻き込まれない
周囲からの不適切な忠告に惑わされない

回復期

患者さんが焦っている時にはブレーキをかける
家族や接する方自身も焦らない
生活リズムを立て直す協力をする
患者さんの様子を客観的にみて伝える
発症時の状況などを話し合う

 

まとめ

うつ病は強い抑うつ状態が長く続き、日常生活に支障をきたしてしまう病気です。
症状は、“気持ち/行動の変化”と“からだの変化”となって現れます。
治療中は、①焦らない(回復はゆっくりペースで一進一退)、②自殺をしない、③人生の重大な決断をしない、この3つを約束してください。
うつ病では考え方や行動、生活パターンが悪循環に陥っており、適切な薬物療法や治療プログラムが必要になります。
回復期には、つらい症状がひとつずつ徐々になくなっていきます。
維持期には、再発予防のため、すぐに薬の服用をやめず、抗うつ薬の量を加減しながら薬物療法を続けます。
過剰な励ましや心配は避け、患者さん本人のペースを大切にしましょう(患者さんが焦っている時にはブレーキをかけることも必要)。