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公開日: |更新日: うつ病

はじめの一歩でやる気をだすコツ-コロナ不安・コロナうつ予防のために⑧

目次
・コロナストレス、コロナうつ、コロナ疲れ、コロナ不眠。体内時計の乱れに注意!(その①)
・心の病気は体内時計や生活リズムと関係が深い(その②)
・まず行動を少しだけ変えてみよう(その③)
・やる気が出ないときは、少し工夫してみよう
やる気が出る仕組みを利用しよう(その④)
“まず5分”行動するために、小ネタを見つけよう(その⑤)
小ネタで大切なことは、数・しょぼさ・盛り込み(その⑥)
小ネタを探すコツ(その⑦)
やり始めの大変さを乗り切るコツ(その⑧)
・家族のストレスとコミュニケーション
伝え方を工夫しよう~OKワードとNGワード~(その⑨)
コミュニケーションの3つのパターン(その⑩)
相手も自分も大切にする伝え方(その⑪)
・新型コロナウイルス(COVID-19)の流行下の、こころの健康維持の11個のコツ(日本うつ病学会より引用)(その⑫)

先が見えない生活に疲れて、元気が出ないときは、「ほっこりする」「やる気」スイッチを入れる~行動活性化のコツ~

はじめの一歩でやる気を出すコツ

何事もやり始めが大変です。車でも、止まっていて走り出すときに大きくアクセルを踏んでガソリンを消耗します。スピードがついてくれば、アクセルを踏まなくても楽に走れますね。昔の車(マニュアルミッション)は、エンストしたので、自動車教習所で習い始めの時は、苦労しました。

例えば、いきなり「朝10km歩く」は大変ですが、「靴を履いて家から出る」だけでならできる。実際に歩かなくてもいいのです。やる気の出ない場合はそのまま帰宅しましょう。
まずは「靴を履いて家を出る」という行動を何度もやって、習慣化にすることが重要です。「靴を履いて家を出てみる」。とりあえず5分行動する。そうしているうちに、モチベーションが上がってきます。

つまり…、
「10km歩く」→「靴を履いて家を出る」+「歩く」

計画を「小ネタ」+「目標行動」を分けてしまうのです。
小ネタは一つでなくても構いません。一歩を踏み出すスイッチを20~30個くらい用意して、いろいろ試してみましょう。

そもそも、いきなり朝10キロ歩くのが大変なのは当然のことです。
① 動き出しには大きなパワーを必要とする
② そもそも、ウォーキング(目標)に慣れていない
③ いきなり10kmとか(目標が大きすぎる)
この3つをいきなり突破できるのはよほど根性のある人だけでしょう。我々凡人が突破するためには、ひと工夫必要です。
まずは「小ネタ」+「目標」に分けて「小ネタ」のみを習慣化してください。

「毎日10キロ歩く」は大変なので、まずは「靴を履いて家を出る」ことで、最初の5分を体に覚えこませるのです。

とにかく、靴を履いて家を出ること!そのうちその行動自体が習慣になってきます。そうすると、目標を達成によって、脳内の側坐核が活性化してドーパミン(やる気にかかわる神経伝達物質)が出てきます。

5分の小ネタで、自然と行動したくなってきて、気づいたら歩くことも習慣化しているでしょう。

(今回のまとめ)

• 計画を実行できないのは…小ネタ(5分で完結する行動)を作ることになれていない為です。
• そもそも、最初はスムーズにいかないことが多いので、実験の精神が大切です。
• 動き出しには大きなパワーを必要とします。また、目標とする行動に慣れていなかったり、目標が大きすぎることもあります。最初から出来ないのは当然と割り切って、ひと工夫してみましょう。
• まずは「小ネタ」+「目標行動」を分けて「小ネタ」のみを習慣化すると良いかもしれません。

 

ここまで、6回にわたって、「やる気が出ないときは、少し工夫してみよう」というテーマについてお話してきました。新型コロナウイルスの影響で、ストレスを感じ、やる気が出ないと悩んだときに、お役に立つとうれしいです。
さて、次回は「家族のストレスとコミュニケ―ションの工夫」についてお伝えしていきたいと思います。

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<行動活性化についての記事はこちら>

コロナうつで、やる気を取り戻すには行動活性化

コロナうつに負けない行動活性化のコツ

コロナうつには、小ネタが勝負

コロナうつに効く小ネタの見つけ方

コロナうつに効く小ネタが思いつかないときは

やる気スイッチを入れるコツ

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関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。