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公開日: |更新日: うつ病

自分も相手も大切にするために コロナ不安・コロナうつ予防のために⑪

目次
・コロナストレス、コロナうつ、コロナ疲れ、コロナ不眠。体内時計の乱れに注意!(その①)
・心の病気は体内時計や生活リズムと関係が深い(その②)
・まず行動を少しだけ変えてみよう(その③)
・やる気が出ないときは、少し工夫してみよう
やる気が出る仕組みを利用しよう(その④)
“まず5分”行動するために、小ネタを見つけよう(その⑤)
小ネタで大切なことは、数・しょぼさ・盛り込み(その⑥)
小ネタを探すコツ(その⑦)
やり始めの大変さを乗り切るコツ(その⑧)
・家族のストレスとコミュニケーション
伝え方を工夫しよう~OKワードとNGワード~(その⑨)
コミュニケーションの3つのパターン(その⑩)
相手も自分も大切にする伝え方(その⑪)
・新型コロナウイルス(COVID-19)の流行下の、こころの健康維持の11個のコツ(日本うつ病学会より引用)(その⑫)

先が見えない生活に疲れているときは、家族とのコミュニケーションを工夫しましょう!

 前回は、よくあるコミュニケーションのパターンとして、①おこりパターン、②ひるみパターン、③いやみパターンの3つのパターンを紹介しました。これらは、前々回のブログでもお伝えした「NGワード」になってしまいやすいコミュニケーションになります。
さて、今回は、この3つのパターンのどれにもあてはまらない、「自分も相手も大切にしつつ自己表現をする=アサーティブな伝え方(アサーション)」について紹介します。

アサーティブな伝え方(アサーション)とは?

「アサーティブな伝え方(アサーション)」は、どちらかが一方的に我慢したり不快になったりすることない、さわやかな伝え方です。

・自分のことも相手のことも大切にする。
・その場にあったふさわしい方法で自信をもって表現する。
・相手もすがすがしい印象を受ける。
・率直に素直に話されることで相手も納得しやすい。

 例えば、「いっつもドア開けっぱなしじゃない!ちゃんと閉めてよ!」と、つい言ってしまいそうな家族への一言。
これだとおこりパターンで、NGワードになってしまいます。相手を責めて、イライラもぶつけているコミュニケーションです。言われた方も「いつもじゃないし!」とか、「うるさいな、ドアぐらいで!」とイライラして、険悪な雰囲気になりがちです。アサーティブな伝え方なら、「ドア閉めてもらえると助かるよ」と伝えたいことを率直に言葉で伝えます。

 ここで大切なのは、行動にも注意することです。例えば、言葉では「ドア閉めてくれると助かるよ」と言っていても、荷物をドサッと乱暴に置くという行動をとるのは、いやみパターンといえます。このような伝え方では、相手は嫌な雰囲気を感じ取り、ギスギスしたコミュニケーションが生じます。

 ご自身の普段の家族とのコミュニケーションではどのパターンがよく登場しているでしょうか?最近、おこりパターンやいやみパターンが出てきやすいという方は、身近な家族に対しても、アサーティブなコミュニケーションを取り入れてみてはいかがでしょうか。
新型コロナウイルスによる自粛生活が続き、家族みんながそれぞれストレスを感じやすい状況の中、身近で長い時間を共にする家族だからこそ、自分も相手も大切にしたことばを意識するだけで、家の中の雰囲気が変わってきます。
アサーティブなコミュニケーション、ちょっと意識して生活してみてください。

(まとめ)

• おこりパターン、ひるみパターン、いやみパターンの3つのパターンにあてはまらない、「自分も相手も大切にしつつ自己表現をする=アサーティブな伝え方(アサーション)」があります。
• 「アサーティブな伝え方(アサーション)」は、どちらかが一方的に我慢したり不快になったりすることない、さわやかな伝え方です。
• アサーティブなコミュニケーションは、行動にも注意が必要です。
• 身近で長い時間を共にする家族だからこそ、自分も相手も大切にした言葉を意識するだけで、家の中の雰囲気が変わってきます。

次回は、医学的根拠に基づいた規則的な日常生活を送るために役立つ、誰でもすぐはじめられる簡単なポイントを11個ご紹介します。

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<アサーションについての記事はこちら>

アサーショングループのご紹介~自分も相手も大切にするコミュニケーションの方法を学ぶ~

アサーション~自分も相手も大切にするコミュニケーション法~

自分も相手も、大切にするためには?~アサーションの実際~

アサーショングループ療法のご案内

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<行動活性化についての記事はこちら>

コロナうつで、やる気を取り戻すには行動活性化

コロナうつに負けない行動活性化のコツ

コロナうつには、小ネタが勝負

コロナうつに効く小ネタの見つけ方

コロナうつに効く小ネタが思いつかないときは

やる気スイッチを入れるコツ

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関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。