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2020.07.07 うつ病認知症

高齢者のうつ病に要注意

高齢者のうつ病に要注意

【目次】
高齢者はうつ病のリスクが高い
うつ病とは
高齢者のうつ病の特徴
うつ病を放っておくと
認知症と間違われやすい
まとめ

はじめに

仕事を辞めてから、年を取ってから、子供たちが独立してから、病気をしてから、親と死別してから…etc

「なんだか疲れやすくなった」

「今まで普通にできていたことができなくなった」

「物忘れが増えた」

「今まで好きだったことが楽しめない」

などと感じることはありませんか?

「年を取ったから」、「認知症が始まったのかも」、「体の不調から気が滅入ってるのかも?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、ひょっとしたら、高齢者のうつ病かもしれません。

高齢者はうつ病のリスクが高い

WHO(世界保健機構)では、65歳以上の人のことを高齢者としています。

65-74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼びます。

人生においてこの時期は、喪失体験、社会とのつながりの喪失、体の不調など、慢性的なストレスや悲しい出来事に多くさらされます。うつ病のきっかけに最も多い時期と言えます。

例えば、

  • 能力の衰え
  • 退職
  • 親しい人との別れ
  • 子供の独立
  • 各種身体疾患
  • 脳血管疾患

など、が挙げられるでしょう。

うつ病とは

うつ病では、様々な理由(各種ストレス、人生上の重大な出来事、身体疾患など)から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、あらゆることを悲観的・否定的にとらえ、自分がダメな人間だと感じてしまいます。

主な症状として

  • 憂うつ、気分が重い
  • 何をしても楽しくない、何にも興味がわかない
  • 疲れているのに眠れない、一日中ねむい、いつもよりかなり早く目覚める
  • イライラや焦りを感じて落ち着かない
  • 悪いことをしたように感じて自分を責める、自分には価値がないと感じる
  • 頭がうまく働かない
  • 死にたくなる

体の症状に出ることもあります

  • 食欲がない
  • 体がだるい
  • 疲れやすい
  • 痛みがある
  • 性欲がない
  • 頭痛や肩こり
  • 動悸
  • 胃の不快感
  • 便秘がち
  • めまい
  • 口が渇く

高齢者のうつ病の特徴

様々なリスク要因

先ほど述べたように、高齢者はうつ病の原因になる出来事(能力の衰え・退職・親しい人との別れ・子供の独立・各種身体疾患など)を多く経験されます。

体に症状が出やすい

気分の落ち込みや悲観的なものの見方が現れることが少なく、

「疲れやすい」「体のあちこちが痛い」など、体の症状が多くみられやすいのが特徴です。そのため、うつ病が見逃されやすくなります。

今まで好きだったことに全く興味を持てなくなる

長年好きだった趣味をパタッとやめてしまう事例がよく見受けられます。周囲の家族からもはっきりと見て取れる所見です。

血管性うつ病

高齢者になって初めてうつ病を発症した方の中には、脳卒中や無症候性脳梗塞(症状が現れない小さな脳梗塞)などによる、血管性うつ病がみられます。

認知症と間違われやすい

「物覚えが悪くなった」「頭がうまく働かない」「集中力が下がった」などの、認知面の症状が現れやすいため、認知症と間違われやすいことにも注意が必要です。認知症外来を受診する5人に1人はうつ病といわれるほどです。

うつ病を放っておくと

以上のことからわかるように、高齢者のうつ病はほかの病気などと間違われ見逃されやすいのが特徴です。

しかし、うつ病を放っておくと…

上記のようなプロセスで、寝たきりや認知症のリスクを高めます。

うつ病はしかるべき治療でよくなる病気です。気になる点がありましたら、医療機関を受診されることを強くお勧めします。

まとめ

この記事では、WHOの定義に従い65歳以上の方々を高齢者としています。

この時期は、身体・心・社会、あらゆる点でうつ病のリスクとなるような人生上のイベントを経験します。

高齢者のうつの特徴は、身体疾患、加齢、認知症とも間違われ、見逃されやすいのが特徴です。

うつ病を放っておくことは、寝たきりや認知症のリスクを高めます。

気になる点がありましたら、医療機関を受診されることを強くお勧めします。

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監修

加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長/名古屋市立大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医
所属学会 / 日本精神神経学会、日本うつ病学会、日本嗜癖行動学会理事、厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
クリニック/名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。