あらたまこころのクリニック「強迫性障害」ページ

強迫性障害

OBSESSIVE-COMPULSIVE DISORDER

OBSESSIVE-COMPULSIVE DISORDER

強迫観念が繰り返し浮かび
強迫行為を繰り返してしまう病気です

強迫性障害は、嫌な考え(強迫観念)が繰り返し浮かび、それを打ち消すための行為(強迫行為)を繰り返してしまうことで、動作に時間がかかり、生活が立ち行かなくなってしまう病気です。考えや行動が不合理だと分かっているにもかかわらず、「わかってはいるけどやめられない」病気です。

間違ったことをすると大変なことが起きるという恐怖が過剰になり、強迫行為と不安の悪循環に陥ります。ほとんどの場合、そこまで心配しなくても良いと分かっていても不安になり、「万が一、起こるかもしれない」ことに対する強迫観念が浮かび、その不安を打ち消すために、過剰な確認動作などの強迫行為を行ったり、頭の中で「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせます。また、家族や周囲の方を巻き込む病気でもあり、周りに対して自分と同じように強迫行為を強要したり、「大丈夫だよ」と言ってもらいたいがために執拗に保証・確認を求めることがあります。

また、強迫性障害が起こる原因としては、物事にこだわりやすい性格や、細かい確認を要する仕事への従事など、環境的な要因が大きく影響すると言われています。

強迫性障害は、双極性障害やパニック障害、社交不安障害(あがり症)、アルコール依存症などの合併することもあり、発達障害の部分的な症状の可能性もあります。

強迫性障害の種類 TYPE

強迫性障害は、大きく分けて8つのタイプに分けられます。複数のタイプに該当するケースもあるため、患者様がどのような症状で悩んでいるのかをしっかりと見極めて治療していくことが重要です。

  • 01

    不潔恐怖・洗浄強迫

    いくら手や体を洗っても、本当に洗えているかどうかが気になって洗浄行為を続けてしまうタイプです。

  • 02

    加害恐怖・確認強迫

    鍵のかけ忘れやガスコンロの消し忘れなど、何度確認しても納得できず、「過失によって取り返しのつかない事態になるのでは」などの恐れに振り回されるタイプです。

  • 03

    疾病恐怖・洗浄強迫

    「病気に感染するのでは」という強迫観念から、血液や排せつ物などを極端に避け、少しでも触れた気がすると洗浄行為が止まらなくなり、強迫行為がエスカレートしていくタイプです。

  • 04

    強迫性緩慢

    あらゆる行動を儀式的にやらなければ気が済まず、動作が極端にゆっくりになるタイプです。

  • 05

    収集癖

    ものを収集することに快感を覚え、捨てるときの後悔からものが捨てられないタイプです。

  • 06

    不完全恐怖

    ルール通りになっているかの確認に膨大な時間をかけ、少しでも違っているときの不快感を避けるために強迫行為を行うタイプです。

  • 07

    不道徳恐怖・懺悔強迫

    悪い考えや行動を人に告白し、懺悔を繰り返すことで悪い考えや行動がエスカレートし、衝動が止まらなくなるタイプです。

  • 08

    縁起強迫

    不安や心配事につながるイメージや考えが繰り返し浮かび、過剰に考え、それを打ち消すための強迫行為を行うタイプです。

こんなお悩み
   ありませんか?
次のような症状は、
強迫性障害の可能性があります
  • 着ている服や持ち物をきれいにしなければ家に入れない

    外出時にガスコンロや鍵などを何度も確認せずにいられない

    縁起の悪い考えを打ち消すために無意味なことをやってしまう

  • 頭の中で何度も確認することに多くの時間がかかってしまう

    ものをため込んでしまい、なかなか捨てられない

    自分のルール通りにならないと、やり直したくなる

    何かの病気にならないかと過剰に気にしてしまう

当院での治療法 -TREATMENT-

当院では、薬物療法を主に治療します。治療動機が高い場合、心理士による行動療法(曝露反応妨害法など)を検討することもあります。強迫性障害は、うつ病や双極性障害、パニック障害、社交不安障害(あがり症)との合併も多いため、それらの症状に合わせて、患者様に最適な治療をカスタマイズしていきます。

強迫性障害の回復は、大きく分けて3段階のステップがあります。一つ目が、少し良くなったが症状や強迫行為が残っている「軽快」段階。二つ目が、強迫観念が浮かんでも、強迫行為をしたいという衝動がほとんど感じられなくなる「寛解」の状態。最後に、恐怖を感じたり、避けたいと感じるものがほとんどないか、あっても日常生活を支障なく送れる「回復」の段階です。薬をやめると再燃することが多いため、症状が落ち着いても、継続的な精神療法などでサポートしていきます。

  • 薬物療法

    薬物療法

    「間違えたら大変なことが起こる」という不安が核になっている強迫性障害には、不安の悪循環を改善するために、SSRIを処方します。増強療法や他の薬で改善することもあり、薬物療法は効果のある治療法です。不眠症の合併症がある場合は、予後に大きな影響を及ぼすと言われているため、不眠の治療を最優先して行います。

    薬物療法を行う場合は、薬の量を調整しながら、必要最小限の投薬量で治療を行います。

    薬物療法
  • 精神療法

    精神療法

    まずは、強迫性障害の悪循環について図などで整理し、患者様が抱える病気や症状の仕組みを理解することから始めます。そして、自分が嫌だと感じることを一つひとつリストアップし、これまでの「不安を打ち消すために強迫行為を続ける」というパターンを変え、強迫行為をしなくても不安をそのままにしておくことができるよう、少しずつ練習していきます。これにより、これまで強迫行為に使われていた膨大な時間とエネルギーを、本来の自分のしたいことに使えるようになっていきます。治療には、患者様自身の積極的な取り組みが大切であり、まずは当院のスタッフと一緒に取り組み、最終的には患者様自身でできるようになることを目指します。

    うつ病や社交不安障害(あがり症)、パニック障害が併存している場合は、集団認知行動療法やアサーション、マインドフルネスなどのグループ療法に参加して治療を進める場合もあります。

    精神療法

ご家族・周囲の方へ -FAMILY-

強迫性障害は、そのタイプによって異なりますが、手洗いやトイレ・入浴に長時間かかったり、扉の鍵やガスコンロを何度も確認したり、物事が思い通りにならないと過剰に不安になります。単なる綺麗好きやしっかり者、完璧主義ではなく、それが行き過ぎているために生活リズムが崩れてしまい、日常生活に支障をきたす病気です。

また、強迫性障害は、家族や周囲の方を巻き込みやすい病気です。重症患者の場合は、強迫行為を妨げる人に対して抵抗することもあるため、まずは家族自身が身を守り、専門家に相談して知識を深めることで受診につなげてください。

周囲の方が本人の代わりに掃除や確認行為をしてあげたり、「大丈夫だよ」となだめたりすると、それがパターンとなってやめられなくなることも多々あります。こうした「共依存」の関係となることで、ますます患者様の症状が強くなり、家族もつらくなるため、必ず専門家に相談してください。

強迫性障害を発症している方は、次のようなサインを発するため、「以前と様子が違う」「何だか変だ」と感じた場合は、当院へご相談ください。

強迫性障害の人が発するサイン
  • 不自然なほど、手を水で長時間洗うようになった
  • 身の回りに、人には絶対触らせない場所やモノがある
  • 誰が触ったか分からないものに触れなくなった
  • トイレットペーパーやティッシュを大量に使うようになった
  • ガスコンロや鍵などを何度も確認するようになった
  • 行動を始めるのに時間が過剰にかかるようになった
  • 過剰に手洗いをするように言われたり、何度も確認される
  • 血液や排泄物を過剰に怖がるようになった
  • 風呂やトイレに入っている時間がとても長い

強迫性障害の人が発するサイン

院長紹介

加藤 正
加藤 正 医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。