あらたまこころのクリニック「症状別のよくある質問」ページ

2022.04.01 パニック障害

パニック障害を治したいと思ったら最初に読んで下さい

パニック障害を治したいと思ったら最初に読んで下さい

 

このブログは、パニック障害にお困りの方に最初に読んで頂きたくて、パニック障害の病気と治療法についてまとめてみました。あらたまこころのクリニックでも実際に行われているパニック障害専門治療プログラムです。パニック障害についての正しい知識と役に立つ治療法を知ることは、パニック障害を治すことにとても役立ちます。

パニック障害とは

 パニック発作そのものは非常にありふれたものです。一般人口の10~30%が、一生に一度はパニック発作を経験すると言われています。次のパニック発作が起こるのではないかと恐れながら過ごす予期不安や苦手な場所ができてくるとパニック障害と呼ばれます。過呼吸、ドキドキ、めまい、のどのつまり、吐き気などが怖くなり、苦手な場所を避け生活が楽しめなくなっていることもあります。また自律神経失調症、身体表現性障害のような体の慢性的な不調の陰に潜んでいることもあります。

一般人口の 2~3%程度と言われていますが、実は非常に多い病気です。また一言でパニック障害といっても、実に様々な段階や症状があります。

 パニック発作のある人でも、ふだんの生活を続けることのできる人がいる一方で、パニック発作を繰り返し苦手な場所が増えてくる人もあります。パニック発作を怖れてパニック発作に関係しそうな状況を避けるようになり、生活が不自由になることもあります。体の不調、めまい、胸のドキドキなどが続く人もいます。

 “急に起きる怖いパニック発作”と「起きたらどうしよう」という“不安と慢性の生活の不自由(広場恐怖、安全保障行動など)”の2つに分けて考える方が良いでしょう。

パニック障害には2つの顔があるのです

①パニック発作

最初に来るのがパニック発作の恐怖です。

 突然、めまい、頭がふらふらする、手や足がピリピリする、足の力が抜ける、心臓がドキドキする、胸がつまったり痛くなったりします。本来これらの症状は危険な病気の兆候ではなく、もともと私たちの命を危険から身を守るための脳の働きが誤作動しているだけなのです。しかし、パニック発作は本当に恐ろしいもので、恐怖が脳に刻まれてしまいパニック発作だけに意識が集中してしまいます。こうなるとこじれていきます。よく、アルプラゾラムなどのベンゾジアゼピンの安定剤を飲むと一時的にパニック発作は抑えられるので治ったかのように思う人がいらっしゃるのですが、実は治っておらず、一時しのぎにすぎません。頓服薬に頼らなくても自分でできる良い対処法を覚えましょう。

②慢性で進行する病気

 広場恐怖、回避、安全保障行動、慢性の自律神経失調症などがあります。

広場恐怖

「この場所でパニック発作が起きたら怖い」と思う状況を避けるようになります。

 例えば、パニック発作がしばしばショッピングセンターで起こると、そういう場所を回避するようになるかもしれません。もしパニックが起こると安全に運転することができないと恐れる人は、高速道路や渋滞しそうな道路で車の運転を避けるようになるかもしれません。大勢に人がいて、「気を失う」ことを恐れる人は、そんな「正気を失った状態」を人に見られ恥ずかしい思いをする場所を避けるようになるかもしれません。

コントロール不能

 不安がどんどん広がって、「さらに怖いことが起き、どうにもできない」と不安になります。自分ではパニック発作をコントロールできないと感じてしまいます。これがパニック障害を悪化させます。ここをパニック障害グループで治していくのです。

回避

 回避の問題点は、さらなる回避をおこし苦手な場所が広がり、ついには外出が1人ではできなくなることもあります。

安全保障行動

 恐怖を少しでも軽くしようとする何気ない行動です。一見、パニック発作を乗り切るのに役に立っているように思えますが、実はパニック障害が治ることを邪魔しています。日常生活で漠然とした不安が続き、パニック発作が起きやすくもなります。これを丁寧に見つけて治療していくことがポイントです。

慢性的な自律神経失調症

 体がフワフワする、めまい、はきけ、胸のドキドキなど体の不調が慢性的に続きます。弱いパニック発作が常に起きている状態です。また何かあるとパニック発作を起こします。

パニック障害専門の治療プログラム

 あらたまこころのクリニックではパニック障害専門の治療プログラムで進めていきます。パニック障害の正体を知り、不安に対処する技法を身につけることができれば、パニック障害の症状は、プログラム終了後も不安に対処できるようになります。自動車教習所に例える人もいます。始めは車の運転を教習所の中で練習して仮免をとって外の道路で練習する。そのうち自分の力で、どこでも好きな所に行けるといったイメージです。

1:不安とパニック発作をコントロールするテクニックを身につけます。

 治療教育や呼吸コントロール法を、もしパニック発作が起きても大丈夫なように、自分でいつでも使えるようになるようにグループで、練習します。

2:パニック発作と状況恐怖の悪循環を切る

 パニック障害では、本来ならさほど危険ではない状況や場所が広場恐怖の対象や体の不調を引き起こすものとなっています。脳に刻まれてしまっているのです。

 脳に刻まれた「ここでパニック発作が起きたら怖いから避ける」という状況回避との結びつきの悪循環を崩すことが治療の目標になります。実はパニック障害治療で難しいのは、この段階です。

 曝露療法といってあえて苦手な場所に行く、状況を作るなどをして不安に慣れる練習をするのですが、最初は「そんな怖いことはできない」と不安になられるのが当然です。しかし実際にやってみると「スモールステップでクリアすることから取り組んでいくうちに楽しくなってきた」と話されます。今まで「できなかったこと」が、できようになるのは嬉しいことです。

 このようにパニック障害のプログラムは、順番に積み上げていくので、グループ治療プログラムを受けるためにスケジュールを合わせる必要があり、そこはディメリットになります。しかしグループ治療のメリットとして大きいのが「パニック障害で悩んでいるのは自分だけではない」「うまくやっている人の真似っこをしよう」と治療効果が格段に上がることです。集中的にやれば効率も良いのです。
それぞれメリット・ディメリットはありますが、パニック障害治療をしようと思い立ったら、とりあえずできることから始めることをお勧めします。「治りたい」「自分の反応を変えたい」という気持ちが最も大事ですから。

まとめ

 私加藤の私見で恐縮ですが、パニック障害などの不安障害が「治るかどうか」は、必ずしも重症度や年齢などで決めるのではなく、どれだけ状況曝露や身体感覚曝露に取り組めるか、日常生活での練習量です。

 2006年から、パニック障害認知行動療法グループを始めて回復していく患者様をみているとその思いは強くなります。一緒に頑張ってきましょう!!

 

パニック症を治したいと思ったら?パニック症が治るための大切なポイント3つを解説!

パニック障害が治るのを抗不安薬(ベンゾジアゼピンの頓服)が邪魔をする

あらたまこころのクリニック「はじめての方へ」

 

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。