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2020.05.30 パニック障害

パニック・パニック発作・パニック障害はどう違う?

パニック・パニック発作・パニック障害はどう違う?

【目次】
心の状態を表す言葉であるパニック
急に生じる身体症状であるパニック発作
病名であるパニック障害
今回のまとめ

はじめに

パニック(Panic)の語源は、ギリシア神話の神、Pan(パン)に由来すると言われています。Panは山羊に似た角と足をもつ牧神で、昼寝を妨げられたPan(パン)が人や家畜に突然の恐怖を与えたと言われています。

パニック・パニック発作・パニック障害。どれも似かよった名前ですが、実はすべて別物です。では、どう違うのでしょうか?
今回は、それぞれの違いについて解説していきます。

心の状態を表す言葉であるパニック

仕事が立て込んでくると、「パニックになりそう」、試験で知らない問題ばかりが出題されると、「パニックになった」など、私たちは日常の中で、パニックという言葉をよく口にします。パニックという言葉は、一般的に、不安や恐怖で、頭が混乱したときに使われる心の状態を表す言葉です。
皆さんもパニックになった時には、「とりあえず落ち着こう」と言い聞かせると思います。時間と問題の整理をすることで、パニックは自然と落ち着きます。

急に生じる身体症状であるパニック発作

パニック発作とは、あるとき突然、激しい不安・恐怖感とともに、心臓がドキドキ、過呼吸、発汗、震え、呼吸困難、胸の圧迫感、吐き気、めまい、ふらつき、手足のしびれなどの身体症状が起こる症状のことをいいます。パニック発作は突然に起こり、10分以内にピーク達して、通常、20~30分くらいで治まります。
パニック発作は、一生のうち、10%から30%の人が経験します。そのまま何もしなくてもすむ人もいれば、少しの期間だけ薬を飲んで治る人もいます。
そしてその中で、病名であるパニック障害へと進んでいく人もいます。

病名としてのパニック障害

パニック発作を繰り返し起こすと、多くの場合、「またパニック発作が起きるのではないか」「パニック発作のせいでコントロールを失ってしまうのではないか」などと不安になります。これを、予期不安といいます。
この予期不安が出てきた場合、パニック障害と診断されます。つまり、パニック障害は、病名ということになります。パニック発作だけなら、パニック障害と診断されません。
また、広場恐怖という症状を伴う方もいます。広場恐怖とは、広い場所が怖いということではなく、「パニック発作と関連がある」「もしここでパニック発作が起こると、すぐに逃げ出せない」と思える場所や状況が怖くなり、避けるようになることです。パニック障害の全ての方に広場恐怖があるわけではなく、広場恐怖を伴わない方もいらっしゃいます。
さらに、パニック障害の方の中には、抑うつ状態やうつ病が合併されている方もいらっしゃいます。これは、広場恐怖により、生活や行動に制限が生じ、「自分のせいで家族と旅行ができない」「出張を断らなければならなくなり、会社に迷惑をかけた」など、自責し落ち込むことから起こるもので、本来のうつ病とは違います。パニックの症状が改善するにつれて、抑うつ状態も改善していきます。

図:パニック発作からパニック障害、抑うつ状態へ進む場合
(※パニック障害の人が、全員この経過になるわけではありません)

パニック障害と診断された場合には、定期的な薬物療法や、認知行動療法などの専門的な治療に取り組むと有効であるケースが多いです。

今回のまとめ

日常の中で自然と使われる、心の状態を表す言葉であるパニック。
あるとき突然、激しい不安・恐怖感とともに、心臓がドキドキ、過呼吸、吐き気、めまい、ふらつき、手足のしびれなどの身体症状を指す言葉であるパニック発作。
パニック発作に加え、「またパニック発作が起きるのではないか」という予期不安が伴った場合に診断される、病名としての言葉であるパニック障害。
それぞれの違いを知った上で、状態を見極め、慎重に治療を選択していくことが、とても重要です。