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疾患について DISEASE

2020.05.30 パニック障害

苦手な場所が増えていく! 広場恐怖症とは?

目次
広場恐怖症とは
苦手になりやすい場所や状況
広場恐怖症を克服するには
今回のまとめ

はじめに

パニック障害の治療をしていく際に、「最初は電車が怖かったのに、最近はバスに乗ることも怖い」という困りごとを持たれる人が多くいます。パニック障害と併発しやすい疾患の1つである広場恐怖症を知っていただくことはとても重要です。

そこで今回は、広場恐怖症について詳しく解説していきます。

広場恐怖症とは

そもそも広場恐怖とは何でしょうか?漢字で「広場」と書くために、広い場所を怖れる病気と思われることがよくあるようです。広場恐怖は、英語でagoraphobia(アゴラフォビア)といいます。「アゴラ(agora)」のもともとの語源はギリシア語で、古代ギリシャでは、城壁で囲まれて、人が集まる「市場」という意味です。それが広場と訳されてしまったため、広場恐怖は広い場所を怖れる病気と勘違いを受けてしまうようです。

広場恐怖は、広い場所を怖れる病気ではなく、逃げられない、発作が起きたときに助けを求められない場所・状況を怖れ、避けることをいいます。

苦手になりやすい場所や状況

例えば、よくある広場恐怖に、地下鉄、バス、飛行機などの乗り物、高速道路、トンネル、橋の上、渋滞、映画館、ショッピングモール、美容院、歯医者、人混み、行列に並ぶこと、家に一人でいること、などがあります。
また、電車のなかでも「“各停”は大丈夫だけれども、“急行や特急”はダメ」、バスのなかでも「“市バス”は大丈夫だけれども、“トイレがついていない高速バス”はダメ」というように、人それぞれの恐怖に感じる状況が異なることがあります。このように 広場恐怖は生活を制限し、行動範囲も狭めていきます。なかには、混んでいる電車が怖いため、出勤のために家を出る通常の時間よりも1~2時間早く家を出て、混んでいる電車を避ける人もいます。歯医者が怖いため虫歯の治療を受けられなかったり、高速道路が怖くて家族で遠出の旅行ができなかったり、地下鉄が怖くて通勤できず休職を余儀なくされた方もいらっしゃいます。こんな風に、生活に支障が出てくると非常に辛いですよね。

広場恐怖症を克服するには

広場恐怖は、専門的な治療として段階的曝露療法というものを行うことがあります。

これは、不安で避けていた状況にあえてチャレンジし、不安な状況でも大丈夫だという体験を少しずつ積んでいく治療方法のことです。患者さんの中には、以前は広場恐怖で、外出がほとんどできなかったけれど、治療を行って克服し、今は元気に働いている方もいらっしゃいます。

今は、広場恐怖で悩んでいらっしゃる方も、広場恐怖を克服し、また以前のような生活に戻れるといいですね。

今回のまとめ

広場恐怖とは、「逃げられない、発作が起きたときに助けを求められない場所・状況を怖れ、避けること」をいいます。克服するためには、専門的な治療のもと不安で避けていた状況にあえてチャレンジし、少しずつ不安に慣らしていくことが大切です。