パニック障害の治療で知っておきたい3つのこと
【目次】
パニック障害を知る
パニック障害の治療法を知る
パニック障害の治療を実行する
まとめ
はじめに
ある日、まえぶれもなく、突然、息苦しくなり、心臓がどきどきして、手がしびれる、のどが詰まる、気を失って倒れてしまうのでないか?死んでしまうのではないか?と恐怖に襲われた経験はありませんか?
それはもしかしたら、パニック障害かもしれません。とても怖いと感じる病気で、発作が起きていない普通の時でも、また起きるのではないかビクビクして日々を送っている人もいらっしゃいます。電車や高速道路など苦手な場所ができて、日常生活が不自由になってしまうこともあります。
たとえば、「地下鉄に乗れない」「美容院に行けない」「MRI検査を受けるのが怖い」などがあります。また、いつも体の具合がどこか悪い、あるいは、毎日、どこか悪くならないか気になって仕方がないと慢性化する体の不調である自律神経失調症、慢性めまい、吐き気などの不安と体の不調がセットになってしまうこともあります。これは、小さなパニック発作が常時起きている状態です。
でも、正体を知っていれば、決して怖い病気ではありません。私たちを危険から守るように備わっているシステムが誤作動してしまっていて、「本来は危険ではないことを、過剰に危険と脳が勘違いしている」のです。脳内の扁桃体という場所と交感神経系(自律神経の1つ)の体の反応が、過敏になっている状態にあります。
パニック障害を知る
パニック障害は、あるとき、突然、前触れなく突然、息苦しくなり、心臓がどきどきして、吐き気、めまい、手がしびれる、体の震え、のどが詰まる、胸が痛いなどの体の症状をきっかけに、「死んでしまうのではないか?」「自分が、どうなってしまうのか?」と恐怖に襲われます。その場にいるのが怖くなります。甲状腺や心臓、脳梗塞などの体の病気ではありません。
動悸、ドキドキ、汗、震え、息ができない、のどがつまる、息苦しい、呼吸困難、胸の圧迫感、はきけ、めまい、ふらつき、手足のしびれなど体の自律神経症状を伴うパニック発作が出現することから始まります。発作が起こった後、また起きるのではないか?と不安になり、発作が起きそうな場面を避けたり、外出できなくなったりというように、日常の生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
パニック障害とはどういう病気なのかという正しい知識を身につけることも大切です。自分の症状を正しく理解することで、ご自身の行動や、治療として取り組まれていることが、どのような意味をもつのかを理解することが治療の第一歩となります。
パニック障害の治療法を知る
まずは、医師と相談し、必要であれば適切な薬物療法で症状の安定化を図ることが重要です。また、認知行動療法などの心理療法を用いて自分で克服する力を身に着けていくことも重要になります。例えば、発作が生じた際の対処方法としての呼吸法、「また発作が起きるのではないか」という不安との付き合い方、苦手な場所や状況に対して克服する方法などがあります。これらの方法を身に着けつつ、患者様ご本人がご自身の力で苦手な感覚や苦手な場所などを避けずに繰り返し練習していくことが重要です。
パニック障害の治療を実行する
パニック障害の治療では、怖いな、不安だな、というものに挑戦していきます。いつもは避けている状況、苦手な場所に挑戦します。そして、「お守り」にしているお薬が不要になり、一緒にいると安心する家族とは離れて一人で自分が思うように行動できることを目指していきます。
まとめ
パニック障害とは、体の病気がないのに突然、動悸、発汗、震え、呼吸困難、胸の圧迫感、はきけ、めまい、手足のしびれなど、体の自律神経症状を伴うパニック発作が出現することから始まります。発作が起こった後、「また起きるのではないか」と不安になり、活動範囲が狭まり、日常生活にも影響が生じます。
パニック障害治療では薬物療法で症状を安定させ、認知行動療法などの心理療法を用いて自分で克服する力を身に着けていくことが大切になります。パニック障害のメカニズムに対応した対処法を身につけながら、苦手な状況や感覚を避けないで繰り返し練習していくことが大切です。
あらたまこころのクリニックでもパニック障害の治療を行っており、パニック障害のグループ療法も実施しております。気になる症状があるという方は、まずは一度ご相談ください。
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<パニック障害についての記事はこちら>
パニック障害を正しく知って治療を計画的に進める 治療ガイダンス(入門記事の目次あり)
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関連する情報
監修
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【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。
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