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公開日: |更新日: パニック障害

過呼吸の原因と対処法について。息苦しい!と感じる原因はパニック障害かも?

過呼吸の原因と対処法について。息苦しい!と感じる原因はパニック障害かも?

はじめに

 「呼吸が思うようにできない、息が吸えない、息苦しい、おちつかない」と感じたら、多くの人が不安になるでしょう。何か悪い病気なんじゃないかと思い、とりあえず検索してみたという方も多くいらっしゃると思います。

しかし、体には異常がない…

そういった場合、過呼吸(過換気症候群)やパニック発作の可能性があります。ここでは、過呼吸(過換気症候群)やパニック発作について、対処法についても触れながらご紹介します。

どうして息苦しくなるの?

日常生活の中で息苦しさを引き起こしやすいものとして、過呼吸(過換気症候群)があります。不安や緊張などで呼吸のリズムが乱れると、血液中の酸素と二酸化炭素のバランスが崩れ、息を吸っても酸素が十分に身体の中に行きわたらず、呼吸がしづらい、息苦しいと感じます。激しい過呼吸でなくても、私たちは、ストレスや不安や緊張状態が続くと、知らない間に、軽い過呼吸状態になっています。

手足のしびれや、動悸等の症状も現れ、さらに息苦しくなると、ますます不安が高まり、症状が強まるという悪循環が生まれます。これが、過呼吸(過換気症候群)の息苦しさの原因です。

パニック障害と過呼吸~発作・過呼吸の対処~

一方、パニック障害と言われる疾患では、突然、心臓がドキドキして、息苦しい、呼吸困難、発汗、めまい、吐き気、震え、手足のしびれなどの身体症状が出現し、「自分はどうなってしまうのか?」「死んでしまうのではないか」と恐怖と不安に襲われるパニック発作といわれる身体症状が起きます。

パニック発作自体は10%~30%の人が人生の中で体験するといわれており、決して珍しいものではありません。

息苦しい

 そして、このパニック発作の身体症状は、過呼吸を起こした時の身体症状とよく似ています。つまり、パニック発作の発作は、急に過呼吸を起こしていて発作が現れているのです。過呼吸になると体内の二酸化炭素が減ってしまい、体のしびれや息苦しさ、めまいが起き、ひどい場合には気を失ったりしますもともとは、ただ、体内の二酸化炭素が少ないだけのことですが、このときのしびれ、気が遠くなる、めまい、胸の痛いなどの体の症状が恐怖になってしまい、パニック障害を引き起こします。この体内の二酸化炭素の少なさが、悪循環になっているとは、中々、気がつかないので落とし穴です。大きな病気にかかってしまったのではないかと思うのも仕方のないことです。そして、この時に、息苦しいからといって、空気を吸おうとすると、酸素を取り入れることになるため、余計に二酸化炭素が足りなくなってしまい、症状は治まらなくなっていきます。

そのため、あらたまこころのクリニックでは、過呼吸の不思議なメカニズムの正体をご説明し、体内の酸素と二酸化炭素のバランスを整える呼吸法をお伝えしながら、パニック障害の治療に取り組みます。過呼吸もパニック発作も時間が経つと治まります。たったこれだけのことですが、オバケが怖い時は、オバケの正体を知れば、怖くなくなるという訳です。

 受診するまでに、呼吸が苦しくなった時どう対処したらいいかわからないという方は、呼吸が苦しくなったら、静かにできるところへ移動して、身体を楽にしてゆっくり呼吸をしてください。時間とともに、過呼吸・発作はおさまります。

過呼吸・パニック発作では死にません

 過呼吸(過換気症候群)により呼吸が思うようにできないと「死んでしまうかも!」という強い不安に襲われる方もいらっしゃいますが、過呼吸(過換気症候群)で死ぬことはありません。

 パニック障害の治療で、十分なサポートの元で、わざと過呼吸を起こして取り組む治療もあるぐらいです。曝露療法です。とても治療効果があります。あらたまこころのクリニックでも実施します。1人でやるとなると怖くてとてもできません。患者さんも皆さん最初は抵抗感があるようですが、グループなどで、うまくやっている人の姿を見て、励まし合ってチャレンジされています。グループでやれば、案外簡単かもしれません。「なんーだ、そんなことか」と「案ずるよりも産むが易し」です。

 過呼吸は簡単に自分で起こすことができてしまうので、ほんの数十秒で心臓がドキドキして、息苦しさ、手足の痺れといった過呼吸の身体症状が現れますが、少し待てば自然と症状は治まっていきます。

自然と治まる

過呼吸というと、「ハー、ハー」と見るからに呼吸が乱れて胸を押さえ、荒い息をしているイメージがあり、自分は過呼吸ではないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、見るからに苦しそうな呼吸にまではなっていなくても気づかないうちに呼吸のリズムが乱れていて、苦しい、落ち着かない、動悸がするといった身体症状が現れることがあります。緊張した生活を続けてるかもしれないので、日頃の暮らしの中で、マインドフルネスなどを取り入れると良いかもしれません。

まとめ

 呼吸が思うようにできない、息苦しい、落ち着かない感じがするけど身体に異常がなければ、過呼吸(過換気症候群)、パニック発作の可能性があります。

身体疾患が原因で、呼吸が苦しい、落ち着かないといった症状が現れる場合もありますので、まずは、各診療科を受診し身体疾患がないかどうかの確認をしてください。異常がなければ、過呼吸(過換気症候群)やパニック発作の可能性があります。

あらたまこころのクリニックではパニック障害のグループ療法も実施しております。気になる方は一度ご連絡ください。

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。