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2022.04.01 うつ病社交不安障害(あがり症)

社交不安障害(あがり症)とうつ病は併発しやすい。理由は1人反省会にあり?

社交不安障害(あがり症)とうつ病は併発しやすい。理由は1人反省会にあり?

社交不安障害の方が併発しやすい病気のひとつに、うつ病があります。

社交不安障害とうつ病は、明確に区別しにくく、ある医療機関で「うつ病」と診断されても、別の医療機関では「社交不安障害」と診断されるケースはよくみられます。

今回は、社交不安障害とうつ病について、どのような違いがあるのか解説していきます。

社交不安障害(あがり症)とうつ病の違い

社交不安障害とうつ病の違いは、症状が似ていても、神経症性障害と気分障害と、分類が異なります。

神経症性障害は人間関係などのストレスによる心理的負荷により、さまざまな症状があらわれる病気です。

対して気分障害は、気分の過剰な高揚や落ち込みが一定期間継続する病気です。

それぞれの病気について、以下でより具体的にみていきましょう。

社交不安障害(あがり症)とは

社交不安障害とは、人からどう思われるかということが過剰に気になってしまう病気です。

他者から「変な人」「おかしな人」と見られることを怖れるあまり、手の震え・汗・赤面・声が出ない・緊張による挙動不審など、体や行動の症状があらわれます。

そして、こういった「変な」所を人に知られないように、人から見られる場所を避けるようになり、また人前で同じような恥ずかしい思いをするのではないかと不安や苦痛が増大し、悪循環が生じます。社交不安障害は、こうした悪循環のパターンがあります。

関連記事:社交不安障害(あがり症)とは?症状や陥りやすい悪循環について解説

うつ病とは

うつ病とは、気分の落ち込み・憂うつなどの強い抑うつ状態が長く続き日常生活に支障をきたしてしまう病気です。

うつ病での「抑うつ状態」とは、物事に対する興味関心が低下し、”何もする気が起こらない状態が一日中ずっと、ほとんど毎日続いた状態”をさします。

ちょっとした気分の落ち込みや、やる気が出ないといった心の不調は、誰もが経験していますが、うつ病の場合は何をしても気が晴れることがなく、抑うつ状態が2週間以上にわたって続きます。

関連記事:うつ病はどんな病気?症状や回復過程の特徴についてわかりやすく解説。

社交不安障害(あがり症)とうつ病には似た症状がある

社交不安障害とうつ病の特徴的な症状はそれぞれ解説していきます。

社交不安障害には特徴的なパターンがあり、うつ病の症状と異なりますが中には似た症状もあり、区別が難しい場合があります。

社交不安障害 うつ病
症状の特徴
  • まだ起きていない物事に対して不安を感じる予期不安
  • 不安を感じるものからの回避行動
  • 人と関わることが億劫
  • やる気が出ない
  • 自己嫌悪
  • 継続的な気分の落ち込みや脱力感
  • やる気が出ない
  • 不眠
  • 食欲不振
  • 体がだるい

併発の原因、1人反省会とは?

社交不安障害の症状には、苦手な場面をなんとか乗り越えても、終わったあとにグルグルと考え込んでしまう、“事後の反すう”や1人反省会が強くみられます。

事後の反すうでは、うまくいったところにはあまり目がいかず、ダメなところ探しをして、自責や自己嫌悪に陥ってしまいます。

さらに、こうした自責や自己嫌悪によって、抑うつ気分が強くなると、症状が悪化してうつ病を併発してしまうことも少なくありません

しかし、この事後の反すうも、社交不安障害の症状のひとつであり元からの性格ではありません。そのため、適切な治療をしていくことで良い方向に進んでいきます。

まとめ

社交不安障害とうつ病について、その違いを解説してきました。

  • 社交不安障害は、神経症性障害で主にストレスが原因で症状が出る病気
  • うつ病は、気分障害で主に気分の変動により日常生活に支障をきたす病気

それぞれの病気は明確に違いますが、社交不安障害による悪循環に入ってしまうことで、自責や自己嫌悪から抑うつ気分が強くなり、うつ病を併発しやすくなります

社交不安障害は、「失敗をひきずってしまう性格」「クヨクヨ考えてしまう性格」と、性格の問題ととらえ、長い間苦しんでいる方が多いです。

しかし、社交不安障害の症状であり、性格ではありません。性格を変えていくのはなかなか難しいところがありますが、症状は治療をしていくことができます。

こうした症状でお悩みの方は、一度、診察でご相談下さい。

 

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。