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2020.05.30 社交不安障害

社交不安・社会不安・あがり症⑥ 事後の反すうについて

社交不安・社会不安・あがり症⑥ 事後の反すうについて

目次
社交不安障害は、苦手な場面が終わった後が、つらいのはなぜ?
社交不安障害は、事後の反すうが、治療のポイントになる
苦手場面をこなしても、自信が付かず、不安が高まる悪循環

社交不安障害(社会不安障害・あがり症)の、つらさ

社交不安障害(社会不安障害・あがり症)では、「事後の反すう」と呼ばれる症状が起きているからです。反省会と予習で、ますます頭の中がいっぱいになり、疲れてしまいます。

例えば、職場の会議でプレゼンをしたり、友人たちと雑談をした後、終わってホッとしたかと思ったら、帰り道や家に帰ってから、「もっとこう言えばよかった」「もしかしたら悪く思われたかもしれない」などといった考えが浮かんでくることはありませんか?

社交不安障害(社会不安障害・あがり症)になると、このように、苦手な場面が終わってから、その場面のことを思い出してあれこれ考えてしまうことが多くなります。これを「事後の反すう」といいます。いわゆる「一人反省会」です。特に夜に、布団の中であれこれ考えてしまうので、「布団の中の反省会」と言ったりします。

この反省会では、自分のダメだったところばかりが目につき、「また失敗してしまった」「なんでこんな当たり前のことができないんだ」と自分を責め、落ち込みます。「ビデオを見るように自分が恥をかいている姿が浮かんで、ビデオのスイッチが切れず、浮かんでくるのを止められない。ますます、自分が、みじめに思える」と話す人もいます。

社交不安障害の方は、自分のことを「落ち込みやすい性格」や「クヨクヨ考えてしまう性格」とおっしゃることがありますが、これは性格ではなく、社交不安障害(社会不安障害・あがり症)の症状です。

治療可能です。

思い出したくて思い出しているわけでも、考えたくて考えているわけでもないのに、頭の中をグルグルと否定的な考えがめぐってしまいます。

また「失敗」しないように先のことを、あれやこれやと考えることも多い。「明日に会議があるから、あがって、緊張しすぎて挙動不審にならないようにと」予行演習を頭の中で繰り返します。これも布団の中で、予習をしています。

つまり、苦手の場面のことが、終わっているのに、夜や休日など休息の時に頭が予習と復習で、いっぱいになります。こうなると頭が24時間365日間、動きっぱなしになるので疲れてしまい、不眠やうつ病になってきます。

社交不安障害(社会不安障害・あがり症)にうつ病が合併しやすいのは、このことが大きく関係しています。

せっかく乗り越えられたのに、自信にならず、不安が高まる悪循環

事後の反すうは、社交不安障害(社会不安障害・あがり症)の方に必ずといっていいほど見られる症状です。考えれば考えるほど、ダメなところばかりが目につき、自分の振る舞いについて自信がなくなります。このような思考がぐるぐると頭を巡り、次の社交場面への不安が、グーンと高まって、苦痛になります。

例えば、友人たちとの雑談の後、「あんなことを言わなきゃ良かった」「きっと変な人に思われた」という後悔、考えが浮かんできたとします。そして、また数日後にその友人たちと会う機会があるとします。また会うのが楽しみに感じられるでしょうか?いや、きっと、前回より一層不安に感じるでしょう。次に会うのを避けてしまう、回避かもしれません。

このように、せっかく苦手な場面を乗り越えられたとしても、全く自信にならず、むしろ不安や苦痛が強くなって、場合によっては回避が生じてしまいます。回避をすると、どんどん不安が高まるため、先ほどの例でいうと、どんどん友人に会うのが不安になり、また避けて、また苦痛や不安になる、という悪循環を作り出してしまうのです。

まとめ

社交不安障害(社会不安障害・あがり症)になると、苦手な場面が終わってから、その場面のことを思い出してあれこれ考えてしまうことが多くなります。これを「事後の反すう」といい、自分のダメだったところばかりが目につき、「また失敗してしまった」「なんでこんな当たり前のことができないんだ」と自分を責め、落ち込みます。これは性格ではなく、社交不安障害の症状です。

事後の反すうが強いと、せっかく苦手な場面を乗り越えられたとしても、全く自信にならず、むしろ不安が強くなって、場合によっては回避が生じてしまいます。

回避をすると、自然と不安が下がる体験ができないため、どんどん不安が高まる悪循環を作り出してしまいます。これが、社交不安障害(社会不安障害・あがり症)が人生に長きにわたり続く理由の1つです。

治療は可能ですので、「性格だから」と諦めず、事後の反すうに気づき、治療を受けることをお勧めします。