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疾患について DISEASE

2020.05.29 社交不安障害

社交不安障害・社会不安障害・あがり症⑤ 自己注目について

目次
自分に注意が向いてしまう「自己注目」とは?
自己注目はどのように改善するのか?
まとめ

自分に注意が向いてしまう「自己注目」とは?

社交不安障害(社会不安障害・あがり症)の患者さんが、自分の身体症状や、自分の安全保障行動にばかり意識をとられてしまうことを「自己注目」といいます。

社交不安障害の身体症状には、例えば、顔が赤くなることや発汗、手足や声の震え、顔のこわばりなどがありますし、安全保障行動には、例えば、下を向いたり、愛想笑いをしたり、小声で話したりすることなどがあります(詳しくは以前のコラムをご覧ください)。こうした身体症状や安全保障行動を意識すればするほど、どんどん気になって不安が大きくなっていき、さらに身体症状や安全保障行動が強くなっていくという悪循環になっていきます。

社交不安障害の方は、自分自身のことを「自意識過剰」と感じたり、あるいは周りの人からそう言われたりするかもしれません。この「自意識過剰」という言葉は、治療の中では基本的に使われませんが、自分のことを意識しすぎてどんどん悪循環になってしまうという点では、「自己注目」にかなり近い考え方と言えると思います。

自己注目はどのように改善するのか

社交不安障害の自己注目に関しては、認知行動療法では、「注意転換訓練」というトレーニングがよく用いられます。注意転換訓練の具体的な内容に関しては、別の機会で詳しくお話しようと思いますが、簡単にいうと、自分自身に向きがちな注意を、別の事柄に向ける練習をしていくということになります。

しかし、不安になっている時には、そう簡単に注意を別の事柄に向けていくことは難しいことです。ですので、日頃から、注意を別の事柄に向けてみるという練習をしていきます。例えば、音を使った注意転換訓練でしたら、まずは時計の音に注意を向けて、それからエアコンの音に注意を向けて・・・というふうです。

 当院の治療では、注意転換訓練を、社交不安障害の集団認知行動療法(グループ療法)や個別のカウンセリングで行っています。実際に、日常生活の中で注意転換訓練をしてみた方からは、「普段全然気づかなかったことに気づけた」などの感想をいただくことがあります。

まとめ

社交不安障害(社会不安障害・あがり症)の患者さんは、身体症状や安全保障行動を意識すればするほど、どんどん気になって不安が大きくなっていき、さらに身体症状や安全保障行動が強くなっていく悪循環にはまっています。これを「自己注目」といいます。
社交不安障害の自己注目に関して、「注意転換訓練」というトレーニングがよく用いられます。当院の治療でも、社交不安障害の集団認知行動療法(グループ療法)や個別のカウンセリングで行っております。