あらたまこころのクリニック「症状別のよくある質問」ページ

公開日: |更新日: パニック障害

治らないめまいに困っていませんか?めまいが治らない原因と、その場合の対応方法をわかりやすくご紹介

治らないめまいに困っていませんか?めまいが治らない原因と、その場合の対応方法をわかりやすくご紹介

目次
1.はじめに
2.めまいとは?
3.「めまい」の原因となる病気
4.「めまいが治らない」のは、仕事などのストレスが原因の可能性も?
5.まとめ

 

  頻発するめまい、辛いですよね。めまい止めの薬を服用しても、なかなか改善されなかったり、あるいは、検査を受けても異常がみられず、原因が見つからないままストレスを抱えている患者さんも多くいらっしゃると思います。

めまいが発生すると日常生活にも支障をきたすことも多いため、なんとか原因を解明し、改善していきたいです。

 めまいを起こす病気は、メニエール病、良性発作性頭位めまい症など様々ですが、可能性の一つとして「パニック障害」などの精神疾患の可能性も考えられます。

  当記事では、めまいに悩まれている方々に向けて、その可能性の一つとして「パニック障害」、つまり慢性的に小さなパニック発作が起きている可能性をお伝えしていきます。ぜひ参考になれば幸いです。

1.はじめに

 めまいが続き困っているので、耳鼻咽喉科、神経内科、目眩専門外来を受診したものの、検査もしたが異常が見られなかった。メニエル病と診断され薬も飲んでいるが、改善しないという方は多くいらっしゃいます。そういった場合、もしかすると、「パニック障害」、(慢性的に小さなパニック発作が起きている)を始めとする精神疾患の可能性があります。

めまいとパニック障害

 パニック障害とは、ストレス、予期不安(また、めまいが起こるのではないかという不安)、パニック発作を主とする病気です。この「パニック発作」の症状の一つとして「めまい」が挙げられます。

主なパニック発作の症状の例

(発生するパニック発作の症状は人によってさまざまです)

・心臓がドキドキする
・過呼吸
・過度な発汗
・震え
・呼吸困難
・胸の圧迫感
・吐き気
・ふらつき
・手足のしびれ
・めまい

2.「めまい」とは?

「めまい」と言われるものには、代表的な視界がぐるぐる回る状態のほかに、さまざまな症状があります。

例えば以下のような症状です。

・天井や自分の周囲がぐるぐる回る
・体がぐらぐら、ゆらゆらした感じがする
・気が遠くなりそうな感じがする
・目の前が真っ暗になる感じがする
・物が二重に見える
・不安感、動悸、吐き気などがある

・雲の上を歩いているようなふわふわした感じ

視界がぐるぐる回る以外にもこういった症状があります。

3.「めまい」の原因となる病気

 「めまい」が頻発する場合、「何科を受診すればいいのか?」わからなくなると思います。

「めまい」の原因となる病気は1つではありません。

内耳性めまい、メニエール病、良性発作性頭位めまい症、突発性難聴、中には脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血ほか)や心臓疾患などによる命にかかわる場合もあります。

 また薬剤性、高血圧症、脱水症、不整脈、起立性低血圧症、熱中症、各種神経難病、低血糖症、貧血、外傷後頸部症候群、頸性めまい、鼻性めまいなどもめまいの原因になります。

このように、めまいは身体的な病気が原因で引き起こることも多く、耳鼻咽喉科、神経内科、目眩専門外来などの医療機関を早めに受診されると良いと思います。

めまいはクリニックへ相談

 

 一方で、「耳鼻咽喉科、神経内科などの医療機関を受診してみた、検査も受け異常がみられない、薬も飲んだ。しかし、めまいが治らない。なんの病気なんだろう?治らない理由はなんだろう?」という方もいらっしゃいます。

 その場合は、パニック障害などの精神疾患である可能性があります。ぜひ心療内科、精神科を受診ください。

4.「めまいが治らない」のは、仕事などのストレスが原因の可能性も?

 「めまい」などの身体症状は、例えば、仕事、学校、家庭環境からのストレスが原因で生じることが多くあります。

例えば・・・・・

仕事で、部署が変わり仕事を覚えるのが大変で休む間がない。
職場での人間関係がうまくいかない。
学校で、友達関係がうまくいかず、悩んでいる。
受験勉強が大変。
家族関係がうまくいっておらず、日々悩んでいる。
家事、育児におわれており、休む間がない。
などです。

「めまい」は、こういったストレスが原因で、発生することがありますが、パニック障害の場合は、思い当たるストレスがなくても、発症することがあります。

 以前なら、ストレス、自律神経失調症、身体表現性障害という診断がつきました。実態は自律神経の交感神経が過剰に働いている状態から生じるめまいと不安、様々な体の症状ということから慢性的な小さなパニック障害と考えられます。パニック障害というと、突然、何の前触れもなく死んでしまうかもしれないと恐怖に陥る病気ですが、実は、激しい発作は起きなくて、慢性に体の不調を起こす病気でもあります。

 同時に、めまい以外に胸が痛い、息がつまる、吐き気、頭痛などの症状が慢性的に続くことがあります。自分ではストレスで不安になっていることに気づかないほど小さなパニック発作が、ストレスで不安になる度に、「戦うか逃げるか反応」と呼ばれる「体の不調」を起こしているのです。今、自分の置かれた状況と気持ちと脳、身体の関係を知っておくだけでも気持ちが楽になります。長引くようでしたら、パニック障害の専門治療あるいはマインドフルネスなどを受けることを勧めします。

5.まとめ

 「めまい」は身体的な病気の可能性も十分にあります。

しかし、「耳鼻咽喉科、神経内科などの医療機関を受診し、検査も受けたが、異常がみられなかった。しかし、めまいが治らない」といった場合など、パニック障害を始めとする精神疾患である可能性も十分にあります。

 パニック障害について、詳しく知りたい方はぜひ、下記のブログをご参考ください。

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。