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公開日: |更新日: うつ病女性のうつ病

食べることがおっくうです

食べることがおっくうです

食べることが面倒で楽しくない質問者様には、一日3回やってくる食事の時間がさぞかし面倒に感じられることでしょう。食べるという行動には私たちが生きていくために必要な栄養を摂るということ以外にも、食べ物の味や香りを楽しんだり、人と一緒に食事をすることで食事の時間や会話を楽しんだりする人もいるので、質問者様は食べる事や食べる事の周りで起こる事に楽しみを感じていらっしゃらないということでしょうか。「食べることが唯一の楽しみ」という人もいたりするので、楽しくない自分はダメだなぁと思うのかもしれませんね。
ところで質問者様は、楽しい事、すごく好きなことはありますか?食べることは食欲と直結する行動なので、多くの人が、空腹になれば食べたいと感じるでしょうが、他の欲求が強くて、食べる時間も惜しいし煩わしいし、楽しくないと感じることもあるかもしれません。また、そもそもエネルギーが低く、食欲に限らず全体的な欲求が低くて食べることもおっくうということもあるかもしれません。全体的なエネルギーが低い場合は食べることに限らず、ちょっとでも好きな物、楽しいこと探しをしたり、しっかり遊んだりする必要も出てきます。
おまじないになるかわかりませんし、どんな方法が合っているのか質問内容から検討するのは難しいのですが、漫画原作でテレビドラマでもシリーズを重ねている「孤独のグルメ」の井之頭五郎になりきって頭の中で感想を言いながら食べるなんていう方法もありかもしれません。面倒な食事をしたら、その後で一つ好きなことをするという方法もありかもしれません。
病気から考えると、食に関する悩みとしては、摂食障害があります。体重をコントロールしようと食事を減らしたり食べなかったりすることで、体重や外見の変化に喜びや達成感を感じるようであれば、摂食障害の可能性が考えられます。また、うつ病などでは意欲が低下しますが、食欲が無くなるのもよくある症状です。頭の中でぐるぐる考えてしまい気分が落ち込み、食欲が出ないことも考えられます。摂食障害やうつ病の可能性があれば、医療機関を受診することをおすすめします。
質問内容から思いつくことを少し書いてみましたが、その人の事情や状況によりますので様々な可能性が考えられます。食べることは生きる事に繋がる行動ですので、もしお困りの様であれば、一度、医療機関に相談してみるとよいでしょう。

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。