名古屋市瑞穂区の心療内科ならあらたまこころのクリニック「症状別のよくある質問」ページ

疾患について DISEASE

2020.04.27 パニック障害

パニック障害が治るとはどういうこと? 後編

パニック障害が治るとはどういうこと? 後編

【目次】
パニック障害がなおるとは?
まとめ

はじめに

今回は、パニック障害が治るとはどういうこと?の後編になります。

前編では、
①パニック発作は誰にでも起こりうる自然な自律神経の反応であること、
②頓服薬(ベンゾジアゼピン系抗不安薬)の使用は、時として離脱症状や自己効力感の低下を招き、発作に対する不安がいつまでも続くこと、
をお伝えしました。

以上のことから、
頓服薬によって発作をやり過ごせても、パニック障害が治ったとは言えない
そもそも、パニック発作はなくならない
ということがわかります。

では、パニック障害が治るとはどういうことでしょうか?
後編では、その点についてお伝えしていきます。

パニック障害が治るとは?

それは、「パニック発作が起こっても大丈夫」と思えることだと、我々は考えています。

繰り返しになりますが、パニック発作自体は決して珍しいものではなく、約30%はどんな人であっても経験する可能性があると言われています。また、パニック発作が起きる原因は様々です。心身の過労、過重労働、過度な飲酒や喫煙、過剰なカフェイン摂取、寝不足、やることに追われる余裕のない生活…時にはパニック発作が起きて初めて、自分の体や心が無理していたことを知ることもあります。

つまり、もともと発作というのはいつでも起こる可能性があり、「今後一生パニック発作を起こさない」、というのは、現実的には不可能な治療目標なのです。

ですが、「パニック発作が起こっても大丈夫」と思えたら、どうでしょうか。「発作がでるかもしれないから」、「体調を崩すと相手に迷惑をかけてしまうと思うから」。そんな不安におびえることなく、体調に振り回される生活から解放され、自分のやりたいことをやっていくことができるでしょう。

上の図は当院の治療理念である、「薬に頼り切らない治療」の流れを図式化したものです。最初は、症状を和らげるためにお薬が必要になりますが、対処スキルを学び、「発作が起こっても大丈夫」と不安が小さくなることで、少しずつお薬(頓服)に頼らなくなっていきます。

では、どうすれば「パニック発作が起こっても大丈夫」と思えるのでしょうか。

それは、「あえてパニック発作を体験し、それでもその発作が自然に収まっていく」という体験を、繰り返ししていくことだと、我々は考えています。

この治療を、専門用語で身体感覚曝露といいます。

「パニック発作で苦しんでいる人に、あえて発作を体験させるなんて、悪化するのではないか」と思うかもしれません。確かに、この治療は無理をすると返って悪化する可能性があるため、慎重に進める必要があります。まして、あえて発作を繰り返し体験する、という大変な治療を1人で続けることはまずできないと思います。

だからこそ当院では、当院のパニック障害のグループ(集団認知行動療法)を行っています。1人では決して取り組めない大変な治療も、他のパニック障害を抱える人と一緒に取り組んでいきたいと考えています。

まとめ

「パニック発作が減った」ことを治ったと認識しているうちは、今後も発作が起きるかどうかで不安が一喜一憂し、パニック障害から解放されたという実感には至らないかもしれません。
一方、「パニック発作が起きても大丈夫」と思うことができたら、不安におびえることなく、体調に振り回される生活から解放され、自分のやりたいことをやっていくことができるでしょう。
「パニック発作が起きても大丈夫」と実感できるようなお手伝いを、当院のパニック障害のグループ(集団認知行動療法)でさせていただければと思います。