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2022.04.01 働く人の発達障害

【ADHDの診断テスト】DSM-5を元にした診断基準を解説

【ADHDの診断テスト】DSM-5を元にした診断基準を解説

ADHDは、「不注意」や「多動・衝動性」を特徴とした発達障害のひとつです。症状は人によってさまざまですが、年齢に不釣り合いな行動やふるまいがみられるため、日常生活や学校生活で困難を抱える場合があります。

もしも、お子さまの様子で気になることがあったり、ご自身の特徴としても気になることがあれば、まずはこの記事の診断テストをチェックしてみてください。

ADHD(注意欠如・多動症)とは

ADHDは簡単に言うと、「不注意」や「多動・衝動性」を特徴にもつ、発達障害のひとつです。子供の時は、「不注意」に比べ「多動・衝動性」が多くみられますが、大人になると「不注意」の割合が多くなる傾向にあります。

また、大人になって急にADHDだと気付く方も多いですが、基本的には先天的にADHDの症状を持っていた場合が多く、急に発現するということは現代の医学では想定されていません。

ADHDについては以下の記事で紹介しています。ぜひ合わせて読んでみてください。

関連記事:ADHD(注意欠如・多動症)とは?具体的な症状や特徴、診断の流れなど網羅的にご紹介

ADHD診断テスト

ADHDの診断テスト

ADHDの診断は、アメリカのDSM-5(「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版」)の診断基準がよく使われ、9つの【不注意】症状と、9つの【多動性・衝動性】症状をチェックします。まずは、下記のそれぞれの項目に、いくつ当てはまるかチェックしてみましょう。

  1. 【不注意】症状チェック
  2. 【多動性/衝動性】症状チェック

1)【不注意】症状チェック

  • ケアレスミスをしやすい。
  • 注意を持続することが難しい。
  • うわの空や注意散漫で、話をきちんと聞けないように見える。
  • 宿題などの課題が果たせない。
  • 課題や活動を計画立てて行うことができない。
  • めんどくさい課題を嫌う(学業、宿題、報告書の作成など)。
  • 忘れ物をする。
  • 気が散りやすい。
  • 必要な用事を忘れがちである。

2)【多動性/衝動性】症状チェック

  • 着席中に、もじもじしたり、そわそわしたりする。
  • よく離席する。
  • 状況に関係なく走り回ったりよじ登ったりする。
  • 静かに余暇を過ごすことができない。
  • なにかに突き動かされるように動き回り、じっとしていることができない。
  • しゃべりすぎる。
  • 質問が終わる前に答え始める。自分の順番を待たずしゃべりだす。
  • 順番待ちが苦手。
  • 他の人の邪魔をしたり、割り込んだりする。

1)と2)の両方、もしくはどちらかが【5つ以上】当てはまった方

1)と2)の両方、もしくはどちらかが【5つ以上】当てはまった方は、さらにその症状が下記の条件に当てはまるかチェックします。ここでは17歳以上の方の場合は、5つ以上ですが、17歳以下の場合は6つ以上になるため注意が必要です。

ここでは以下の項目すべてに当てはまった場合は、ADHDの可能性があります

  • しばしば6カ月以上認められる。
  • 12歳になる前から存在している。
  • 2つ以上の状況において存在する。(例:家庭、学校、友人や親戚といるときや、その他の活動中)
  • 社会的、学業的な機能を損なわせている。
  • その症状が、統合失調症や他の精神病性障害の経過中に起こるものではなく、他の精神疾患ではうまく説明されない。

ここで紹介した診断テストは、実際に病院などでADHDの診断基準に使われるものです。

しかし、他の神経疾患だけでなく、不安定な環境などでもADHDにそっくりの症状を引き起こすケースがあるため、正しい診断をするためには必ず専門機関での検査が必要です。お子様ではもちろん、大人の方でも親子での面談や行動観察、検査結果などから総合的に判断します。

ADHDは最近増えているの?

ADHDのもともとの定義では、7才以前から症状が見られるとされてきました。その後、診断基準が12才までに症状が見られるかに変わり、12才以降も続くかもチェックするようになりました。すると、以前よりもADHDと診断される人の数が増えました。

今では大人になってからADHDと診断される方もいるためADHDは珍しいものではありません。

また実際に受診される方には、ADHDと自閉スペクトラム障害(アスペルガー症候群)の合併が、30〜70%と実はとても多いのです。これも以前の診断ルールでは、両方を診断することができなかったため、両方の症状が混じっている場合、傾向が目立つ方の診断名がついていました。

しかし、今は「自閉スペクトラム障害(アスペルガー症候群)とADHDの併存」ということで、両方の診断名がつくようになっています。

まとめ:ひとりで悩まず、まずは相談してみましょう

ADHDによる症状で、子どもが日常生活や学校生活に困難がある場合や、子どもの行動について悩んでいる場合は、ひとりで悩まず相談してみましょう。まずは学校への相談や、児童家庭支援センターなどの相談機関を利用することも選択肢のひとつです。

また、大人になってから環境が変わり、幼少期に隠れていたADHDの症状が出てくるということも十分にあります。

医療機関で正しく診断することで、適切な治療につなげ、症状のコントロールや困りごとに対処する力を身につけることができます。あらたまこころのクリニックでは、働く大人の方でADHDの症状で悩んでいる方を受け付けておりますので、ぜひ一度ご相談ください。

関連記事:ADHDの特徴とは?不注意、多動、衝動性それぞれに見られる具体例とADHDの3つのタイプを紹介

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。