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あがり症(社交不安障害)とマスク

カテゴリー: おしらせ, 社交不安, 社会不安障害 | 投稿日: 2020-02-04

最近、診察で「マスクをしているとなんだか安心するんですが、なぜでしょうか?」とお話される患者さんがおられますが、実はあがり症(社交不安障害)の治療では、とても重要な意味があります。

マスクの役割

この冬は、新型コロナウイルスが流行し、インフルエンザの流行も心配ですし、毎日マスクをつけて生活している人もたくさんおられると思います。薬局やコンビニではマスクの品薄状態になっているようです。

さて、マスクには、いくつかの役割があるように思いますが、みなさんはどのような理由でマスクをつけていますか?

病気の感染や予防のためのマスク

「自分自身の病気の予防」の役割
新型コロナウイルスやインフルエンザ、風邪の予防として、マスクを着用されていることは多いです。しかし、実はマスクの単独着用は、インフルエンザなどウイルス性の病気の予防には有効ではないと耳にします。一方、手洗いは、予防に有効だと実証されており、マスクを病気の予防のために着用する場合は、手洗いを併用することが効果的と考えられています。
マスクの単独着用はウイルスには効果がありませんが、実は花粉やホコリには効果があるようです。というのは、ウイルスはとてもとても小さいので、マスクの目をくぐってしまうのですが、花粉やホコリは大きく、マスクの着用によって体内に入ることを防ぐということです。

⦁ 病気の人が「ほかの人への感染の予防」をする役割

実はマスクの一番効果的な使い方は、風邪やインフルエンザなどの症状で咳やくしゃみのある人が着用し、周りに菌をまき散らさないことと言えます。
咳やくしゃみによって飛び散る体液にウイルスや菌が含まれていて、それによって、周りの人に感染してしまいますので、それを防ぐということです。

つまり、マスクは、病気の人がすることには効果があるが、健康な人がウイルス性の予防のためにすることは効果がないということです。
このことを皆さんが知っていれば、今のマスクの品薄状態が緩和されるかもしれませんね。

では、他に何か役割はないでしょうか?実は、マスクには、他にも重要な役割があります。

マスクをしているとなんだか安心!?」顔を隠すためのマスク

マスクには、輪郭や表情を隠したり、あるいは、メイクや髭を隠す効果があります。特に近年のマスクは鼻からあごまで覆う大きなものが主流ですので、顔の下半分はほとんど隠れる状態になります。
「マスクをつけるとなんだか安心する」というのは、患者さんからもよく聞くフレーズです。心当たりのある方も多いのではないでしょうか。

⦁ 「安全保障行動」としての役割
実は、社交不安障害の方にとって、この「顔を隠す役割」が、不安を下げるための行動(「安全保障行動」といいます)になっている場合があります。
社交不安障害になると、相手からどう思われているかがとても気になり、人前であがります。そして、緊張したり顔がこわばっていることを相手に知られることが極端に不安になります。ですので、マスクをして自分の顔の表情が隠れることで安心し、人前に出たり人と接したりしやすくなるのです。そして、知らず知らずにマスクが手放せなくなってしまうこともしばしばです。
「マスクをつけるとなんだか安心する」というのは、実は不安に対する「安全保障行動」かもしれません。そのことに気づかない人は多いですが、ここが、社交不安障害が治るかどうかのポイントです。皆さんはどうでしょうか?

まとめ
新型コロナウイルスやインフルエンザの影響もあり、いつもの冬に比べてマスクをされている方が多いですが、社交不安障害(あがり症)の方にとって、マスクの役割には、病気の感染予防だけでなく、「不安を下げるための役割」があります。知らず知らずのうちに「マスクをすると安心」して、マスクが手放せなくなってしまうかもしれません。
マスクはとても身近なものですが、「マスクをつけるとなんだか安心する」という方は、一度、そのマスクの意味について考えてみるのもよいかもしれません。