あらたまこころのクリニック「症状別のよくある質問」ページ

症状別のよくある質問 DISEASE FAQ

新型うつ病

NEW TYPE DEPRESSION

新型うつ病ってなんですか?

従来の典型的なうつ病ではないという意味です。現在、広く使われている診断の方法では、うつ病となるけれども、外見的な症状やパーソナリティなどが、従来の急性の典型的なメランコリー型とは違い、慢性に経過して、うつ病の薬の効果が効きにくいタイプのうつ病と考えています。最近では、新型うつ病、現代型うつ病が、若い人を中心に増えています。

新型うつ病や現代型うつ病という呼び名は、マスメディアなどで広まりましたが、学術的な正式の病名では、ありません。日本うつ病学会でも、学術的な専門用語としては認められていませんが、心療内科、精神科、こころのクリニックなどの治療現場では、役に立つ視点です。

従来の典型的なうつ病は薬がとてもよく効く(再発もしますが)ので、「うつ病は薬を飲んでいれば治る」「心の風邪だ」と考えられたこともありましたが、実際にはそうではないタイプのうつ病の存在を念頭に置いておかないといけないからです。アメリカの大規模な調査(STAR*Dスターディ)では、DSM-Ⅳ(診断法)でうつ病と診断された中で、従来型の典型的なうつ病(メランコリー型うつ病)は4割程度でした。残りの6割が新型うつ病と言うことになるかもしれません。このタイプのうつ病に、従来のうつ病の治療をうつ病の薬だけで、ワンパターンで続けても、副作用ばかり出て治りにくいかもしれません。あえて新型うつ病という視点で治療を切り替えた方が役に立つと思います。

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。