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症状別のよくある質問 DISEASE FAQ

新型うつ病

NEW TYPE DEPRESSION

新型うつ病には、どんな病気が含まれていますか?

以前は、メランコリー型うつ病だけがうつ病と考えられ、うつ病の薬の効果が高く治りやすい。しかし、うつ病の中で、近年、うつ病の薬を服用するだけでは、中々、治らないうつ病に注目され、治療が進みました。どうも新型うつ病は、同じうつ状態になっても、メランコリー型うつ病とは違う他のいろんな病気の集まりです。4つくらいのパターンがあるようです。

1つめは、気分変調性障害、非定型うつ病などの従来のうつ病とは違うタイプのうつ病です。同じ気分障害のうつ状態には含まれているけれども、慢性に経過して、うつ病の薬が効きにくいタイプです。

2つめは、不安障害などが強いタイプです。全般性不安障害、社交不安障害、社会不安障害など不安障害から起きてくるうつ病もあります。

3つめは、躁うつ病(双極性障害)のうつ状態です。躁うつ病は、2/3はうつ病で発症します。躁状態は短くて、うつ状態が長く、1/3から1/2の期間をうつ状態で過ごします。うつ病で始まり12年間経過を見たとすれば、たまに短い期間躁状態があり、4~6年間はうつ状態です。つまり、本当はうつ病(単極性大うつ病)でないけれど、うつ状態で悩み、うつ病に見える。後で躁症状が出現して、初めて躁うつ病、双極性障害と判明するタイプです。

4つめは、ADHDなどの発達障害などが併存しているタイプです。大人のADHDは、うつ病や不安障害の併存が少なくないので、うつ病の奥に隠れていることがあります。これらは、うつ病の薬の効果が、典型的なうつ病(メランコリー型うつ病)より低く、慢性的なうつ病が続くので、うつ病の薬だけでなく、それぞれに特化した対応策と診断、治療計画が必要です。

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。