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症状別のよくある質問 DISEASE FAQ

パニック障害

PANIC DISORDER

パニック障害で処方された薬をのんでいるのですが、薬の副作用がつらいです。 ロラゼパムのみにするなど減薬したいのですが、大丈夫でしょうか。

パニック発作だけなら、パニック障害の知識と呼吸法で乗り切っていけることが多々あります。
それは、パニック障害の正体が、本来、命を守るために私が誰でも身に備わっている「反応」で、「危険なものではない、大丈夫な」病気だからです。
ただし、なかなか治らないなど悪循環になっている場合には、まずは皆さんの症状各々のパニック障害の見立てが大事です。大まかには、「パニック発作だけなのか」、「広場恐怖が合併して電車に乗れないなど苦手な場所があるのか?」、「他の病気の合併があるのか?」、「慢性的に体の不調が困るのか?」などを見分ける必要があります。

薬物療法として、理想的には、パキシルやデプロメールなどのSSRIと呼ばれる薬で脳の不安を抑えると良いのですが、副作用で飲めない方も多くいらっしゃいます。また妊娠、不妊治療中で、薬なしで治療していきたい方もいらっしゃいます。またSSRIの限界もあります。ロラゼパムはベンゾジアゼピン系の抗不安薬ですが、割と使いやすいお薬なので、当院は0.5mg錠なら使用することもあります。

気をつけないといけないのは、その飲み方です。苦手な状況への「お守り」になっていると注意が必要です。どういうことかというと、頓服で一時的には不安が軽くなっても、「頓服を飲んでいるからパニック発作が起きない」と脳がなってしまい、長い目でみると、パニック障害が長引いたり、苦手な場所が増えてしまうことがあります。当院を初診される方で、そういったお困りの方が多いのでブログにしています。もし良かったら役に立てれば幸いです。パニック障害が治るというのはどういうことかイメージできれば、薬を減らしたり、なくても、「大丈夫だ」と自信が持てるかもしれません。ロラゼパムなど薬を無理に止めないといけないわけではありませんが、パニック障害のメカニズム、呼吸法など治療の仕方(心理療法)を知ることで、準備が整ってくれば、自然と薬は必要なくなり、減薬していくことができます。

以下、ご参考ください。

頓服薬がお守り https://www.mentalclinic.com/treatment/p6548/

パニック障害治療のガイダンス https://www.mentalclinic.com/treatment/p6152/

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。