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2020.07.01 その他

薬に頼り切らない治療④ “お守り薬”はいつまで必要? パニック障害を例に

薬に頼り切らない治療④ “お守り薬”はいつまで必要? パニック障害を例に

【目次】
“お守り薬”とは?
“お守り薬”のメリット・デメリット
“お守り薬”を手放すことはできるのか!?
今回のまとめ

はじめに

“薬に頼り切らない治療”についてお話をするときに、患者様からさまざまな質問を受けることがあります。

その中でも多いものが、“お守り代わりにお薬を常に持っているように言われたのですが、いけないのですか?”
“頓服(とんぷく)は、良くならないと聞いたのですが本当ですか?”といった質問です。

そこで、今回は “お守り薬”について、解説していきます。

“お守り薬”とは?

この記事では、“お守り薬”とは“頓服(とんぷく)”のことを指します。

通常、お薬は朝食後や就寝前などの決まった時間に飲みますが、
頓服は症状が悪いとき、または症状が悪くなりそうなときに飲むお薬です。

例えば、電車に乗るときにパニック発作が出る方は、電車に乗る前に頓服を使います。
苦手な状況にどうしても行かなければいけないときなど、一時しのぎとして処方されるのです。

そのような場面が何時やってきても大丈夫なように、“お守り”として、頓服薬を持ち歩いている方もおられます。
「実際に、飲まないけれど、服のポケットに持っているだけで安心です」とおっしゃる患者さんも見えます。どこかで不安を感じ、外出や人と会う時に、薬をちゃんと持っているか?と、確認しながら日々を暮らしています。そうすると、“薬に頼らなくても良い”という自信(自己効力感)が、もてないことが多いです。

“お守り薬”のメリット・デメリット

“お守り薬”のメリット

頓服には、メリット・デメリットがあると考えられます。まずメリットとしては、
①苦手な場所や状況へ立ち向わなくてはならない不安・つらい気持ちを和らげることができる
②症状を和らげることができる
③“いざとなれば薬がある”という安心感がある
などが考えられます。

 “お守り薬”の具体的な使用例

パニック障害の患者さんでは、毎日強い発作に襲われていて、出勤すらできない状態で治療に来られる方がいます。そんな時は、頓服薬を処方して発作をやわらげる必要があるでしょう。面接初期には、お薬を使って強い症状を和らげることは必要です。

ほかには、飛行機に乗ると発作が出てしまうが、出張でどうしても乗らなければならないといった状況。頓服薬を服用しなんとかその出張を乗り切る方もおられます。

また“お薬を持っている”という安心感で、苦手な電車や飛行機になんとか乗っている方もおられるでしょう。

つまり、治療初期や一時的な措置として、利用することは有効でしょう。

“お守り薬”のデメリット

一方で、“お守り薬”は、根本的な治療の妨げになります。

“お守り薬”の安心感があるから、苦手な状況にいくことができるかもしれませんが、

“お守り薬”の安心感=お薬が無くなる不安

とも言い換えることができます。

また、安心感を得て苦手な状況へ行くことができた方も、“お薬があれば行けるのだけれども…”とどこか治療が進んでいない印象を持たれる方もいらっしゃいます。

“お守り薬”を手放すことはできるのか!?

あらたまこころのクリニックを受診される患者様の中には、“頓服薬を止めたい”“お薬なしでも生活できるようになりたい”と希望される方がいらっしゃいます。

そのような場合には、是非、医師に相談ください。
取り組むことができると判断されれば、治療教育、カウンセリング、認知行動療法などでお薬に頼り切らずに自分で対処する方法を身に付けるサポートをさせていただきます。
(※病気の種類や生活状況などによっては難しい場合がございます)

当院で一生懸命サポートさせていただきますが、もう一つ重要なのは、患者様の“お守り薬を止めたい”という気持ちです。
“お守り薬”から得られる一瞬の短期的な安心感(後には、逆に不安は強くなる)は非常に強いものがあり、お酒のそれに例えられるほどです。
ご本人の意思と専門家のサポートの両方が必要になってくるでしょう。
“お守り薬”についてお困りの方は、医療機関でご相談いただくことを強くおすすめします。

今回のまとめ

みなさんいかがでしょうか?今回はパニック障害の例を使いつつ、“お守り薬(頓服)”について解説しました。頓服薬の使用にはメリット・デメリットがあるため、医師と相談し、短期的な一時しのぎではなく長期的に見据えた治療をしていただくことを願っています。“お守り薬(頓服)”についてお悩みの方は、医療機関へご相談ください。