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仕事に行きたくないのは甘えではない!拒否反応は限界のサイン。見逃してはいけない症状と関連する病気とは

仕事に行きたくないのは甘えではない!拒否反応は限界のサイン。見逃してはいけない症状と関連する病気とは

「朝起きるのが辛い」

「体がだるい」

「会社に行くのが憂うつ・・・」

社会人になると、「仕事に行きたくない」と思うことが一度や二度の経験ではないという人が多いのではないでしょうか。仕事を休みたくても「周りに迷惑がかかる」「結局自分にしわ寄せがくる」「甘えだと思われる」などの理由から、辛い気持ちを引きずったまま会社に行くという人も少なくありません。無理をしたまま仕事に行き続けると、体や心にさまざまな不調があらわれることがあります。こうした拒否反応は甘えなどではなく、体や心のSOSのサインかもしれないのです。今回は「仕事に行きたくない」と感じた時に、注意すべき症状や関連する病気について解説します。

「仕事に行きたくない」と感じる人は多い

「仕事に行きたくない」と感じることはめずらしいことではありません。株式会社ビズヒッツが2020年に働く男女500人にアンケートを実施した結果では、「仕事に行きたくないと思うことがある」と回答した人は91.2%と、全体の約9割であることが分かりました。理由は人によってさまざまですが、多くの人が「仕事に行きたくない」と感じる経験をしているのです。しかし、実際には周囲の評価や経済的な理由などにより「仕事に行きたくないから行かない」では済まず、辛い思いを抱えていても無理に会社に行くことが多いのではないでしょうか。体や心が限界に達する前に、SOSのサインを知っておくことはとても大切です。

関連:【仕事に行きたくないときの理由と対処法ランキング】男女500人アンケート調査

「仕事に行きたくない」と感じる主な理由3つ

そもそも「仕事に行きたくない」と感じる理由にはどのようなものがあるのでしょうか。人によって抱える問題や悩みはさまざまですが、大きく分けて以下の3つがあります。

  • 人間関係の悩み
  • 仕事の質や量の問題
  • 朝起きれないなど体調面の問題

人間関係の悩み

「上司に毎日怒られる」「先輩に理不尽な態度を取られる」「職場で疎外感を感じる」など、職場での人間関係がうまくいかず悩みを抱えていると、仕事に行きたくないと感じやすくなります。職場の人間関係は友人関係とは違うため、一緒に仕事をする相手を選べません。言いたいことを言えず我慢が続いたり、相手と衝突することが多くイライラが募るなど、職場でストレスが溜まる一方です。そのため会社に行こうとすると、苦手な相手の顔が浮かび「またあの人に嫌な思いをさせられるかもしれない」と会社に行くことが苦痛に感じてしまいます。

仕事の質や量の問題

「仕事が自分の能力に合っていない」「業務量が多く休めない」など、仕事の質や量が自分の能力に合っていないと、会社に行くことが憂うつになることがあります。仕事は自分の適性や能力に合っていないと、ミスやプレッシャー、やりがいの低下などに影響し自信喪失につながります。また、業務量が多いと、精神的にも肉体的にも疲労が溜まりやすくなります。繁忙期など一時的な忙しさであればなんとか乗り切れるかもしれませんが、「つい仕事を引き受けてしまう」「人に仕事を任せられない」など自分で仕事を抱え込んでしまう人は、気づかないうちに限界を超えていることがあるため注意が必要です。

寝不足や低血圧

「朝起きるのが辛い・・・」という理由で会社に行きたくないと思った経験がある人は多いのではないでしょうか。「もっと寝てたい」と思うことは珍しいことではありませんが、「体がだるい」「疲れが取れない」といった体調面にも影響がある場合は寝不足や低血圧、肉体疲労などが考えられます。スッキリと朝目覚めるためには、生活習慣の改善や十分な休息が大切です。

仕事に行きたくない時にでる拒否反応とは

「仕事に行きたくない」と感じる人の中には、以下のような拒否反応に悩まされることがあります。内科を受診しても異常がなかったり、症状が長引く場合は限界のサインかもしれません。早めに心療内科や精神科を受診することをおすすめします。

  • 吐き気やめまいがする
  • 朝起き起きれない
  • 頭痛や動機が起こる

吐き気やめまいがする

吐き気やめまいはストレス原因となっている可能性が高いといえます。強いストレスによって自律神経のバランスが崩れるため、消化器系の機能や内耳機能が正常に働かなくなり吐き気やめまいを引き起こします。

朝起き起きれない

睡眠不足や疲労が残っていると脳や体が十分に回復できていないため、起きようと思っても体がだるく動かすことができないないことがあります。また、低血圧によって脳に酸素が十分に行き渡っていないケースも、脳が酸欠状態のため目覚めてもすぐに体を動かすことができません。

頭痛や動悸が起こる

頭痛や動悸も強いストレスによる自律神経のバランスの崩れが考えられます。起床の際に副交感神経から交感神経への切り替えがうまくいかないと、寝起きに不安感や動悸が起こりやすくなります。また、ストレスによって筋肉の緊張から起こる緊張型頭痛や、自律神経の不調による脳の血管の拡張によって偏頭痛が起きやすくなります。

「仕事に行きたくない」と悩んだ時の対処法

「仕事に行きたくない」と悩んだ時に、自分でできる対処法で状況が改善するケースもあります。仕事に行きたくないけど病院に行くほどでもないと感じる人は、まずは以下の対処法を試してみてください。

  • 仕事に行きたくない理由を具体的にする
  • 仕事後の楽しみをつくる
  • 人と比べない
  • 生活習慣を見直す
  • 相談する
  • 一度人間関係や職場から離れて距離を置いてみる

仕事に行きたくない理由を具体的にする

状況を改善するためには、まずはどんなことに辛さを感じて仕事に行きたくないのかを具体的にしましょう。理由が明確になれば、直接原因に対処することができるかもしれません。ノートに書き出すなど視覚化することで、頭の中や状況を整理しやすくなるためおすすめです。

仕事後の楽しみをつくる

仕事の後に楽しみを作ることで、「仕事の後に楽しみが待っている」と前向きに仕事に行くことができます。友人との食事やお稽古、映画など、リフレッシュできる予定を入れましょう。あまり活動的になれない場合は、好きなスイーツを買って帰るなど、ちょっとしたご褒美を用意することも毎日のモチベーションにつながります。

人と比べない

他人と自分との比較は、自己否定や嫉妬心が生まれやすくなります。こうしたネガティブな感情は仕事にも悪影響をおよぼすため人と比べることはやめましょう。人と比べることが習慣化してしまいネガティブな感情に囚われてしまう場合は、他人との比較ではなく「過去の自分」と比較する時間に使いましょう。過去の自分と比べることで、気づいていなかった成長を感じることができたり、進歩が感じられなくても次の目標設定ができるなど、ポジティブな視点でプラスの効果を得ることができます。

関連記事:人間関係のストレスでつらい。職場でストレスを感じる原因や解消するための4つのポイント

生活習慣を見直す

睡眠や食事など、忙しいと生活が乱れてしまいがちです。生活習慣の乱れは自律神経のバランスを崩しさまざまな不調を引き起こすため、十分な睡眠時間や休息がとても大切です。生活リズムを規則正しく整えるだけでなく、栄養バランスのいい食事や、適度な運動も心がけましょう。

相談する

「仕事に行きたくない」と感じる悩みを一人で抱え込まず友人や同僚に相談してみましょう。客観的なアドバイスで新しい気づきや発見があるかもしれません。口に出して話をすることで、気持ちが楽になることが期待できます。仕事の内容や直接仕事をする相手との人間関係に問題がある場合は、上司への相談が解決の一歩になるかもしれません。

一度人間関係や職場から離れて距離を置いてみる

仕事に行くことへの拒否反応が強い場合は、心身ともに疲れている状態といえます。本当に限界が来てしまう前に、一度人間関係や職場から離れて距離を置いてみることも大切です。できるだけ長期休暇を取って、心身ともに休める環境を作りましょう。医師に相談して休職することも検討してみてください。

関連記事:職場の人間関係に疲れたら要注意!人間関係のストレスが引き起こす病気とは?

泣くほど辛い時はうつ病かも?仕事に行きたくない時にあらわれる注意すべき症状とは

仕事のことを考えたり、会社に行こうとすると気分が落ち込んで涙が出る人はうつ病に注意してください。仕事のストレスからうつ病を発症する人は決してめずらしくありません。うつ病は、強い気分の落ち込みや意欲の低下が症状として注目されますが、人によってあらわれる症状はさまざまです。以下の症状が2週間以上続く場合は、一度心療内科や精神科を受診しましょう。

うつ病の症状

精神的な症状

気分の落ち込み、不安感、憂うつ、焦り、イライラ、意欲の低下、集中力の低下など

うつ病に関する記事は「うつ病 カテゴリ記事」からご覧いただけます。

身体的な症状

動悸、めまい、吐き気、頭痛、腹痛、倦怠感、疲れやすい、不眠、食欲不振など

その他の関連する病気

仕事のストレスからくる病気は、うつ病以外にも「適応障害」や「自律神経失調症」が多くみられます。どちらも症状はうつ病の症状に似ていますが、「適応障害」はストレスの原因から離れると症状が改善するといった特徴があります。

仕事のストレスが原因の場合、適応障害の人は休日になると症状が改善し趣味を楽しむことができますが、うつ病の場合は今まで楽しめたことが楽しめず何もする気が起きません。適応障害は環境調整により、ストレスの原因と距離を置くことで徐々に回復します。また、自律神経失調症は、ストレスや生活習慣の乱れによって心身に不調があらわれる状態です。

うつ病や適応障害など可能性のある病気が検査によって除外された時に診断されますが、生活習慣を改善するだけでも自律神経が整い症状が改善することがあります。

まとめ

「仕事に行きたくない」と感じることはめずらしいことではありませんが、以下のような拒否反応は体や心の限界のサインかもしれません。

  • 吐き気やめまいがする
  • 朝起き起きれない
  • 頭痛や動悸が起こる

内科を受診しても異常がなかったり、症状が長引く場合は、本当の限界が来る前に早めに心療内科や精神科を受診しましょう。

仕事に行きたくないけど病院に行くほどでもないと感じる人は、まずは以下の対処法を試してみると良いでしょう。

  • 仕事に行きたくない理由を具体的にする
  • 仕事後の楽しみをつくる
  • 生活習慣を見直す
  • 相談する
  • 一度人間関係や職場から離れて距離を置いてみる

仕事のことを考えたり、会社に行こうとすると気分が落ち込んで涙が出る人はうつ病の可能性が考えられます。

以下のような症状が2週間以上続く場合は早めに受診してください。

  • 精神的な症状

気分の落ち込み、不安感、憂うつ、焦り、イライラ、意欲の低下、集中力の低下など

  • 身体的な症状

動悸、めまい、吐き気、頭痛、腹痛、倦怠感、疲れやすい、不眠、食欲不振など

拒否反応があらわれるほどの「仕事に行きたくない」は甘えではありません。誰にも相談できず一人で悩みを抱えてしまうことはとても辛いことです。「眠れない」「不安感が強い」などの辛い症状を、まずはお薬で和らげることができますので一度お気軽にご相談ください。

関連記事:仕事に行く前に吐き気が起こるのはストレスのせい?ストレスの原因と吐き気が辛い時の対処法を解説

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。