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日曜日に眠れない理由は仕事の影響?眠れない理由と試すべき5つの対策法をご紹介!

日曜日に眠れない理由は仕事の影響?眠れない理由と試すべき5つの対策法をご紹介!

「平日は眠れるのになぜか日曜だけ眠れない」

不眠症というほどでもないけど、日曜日にだけ眠れず月曜日が憂うつになってしまうことはありませんか?

実は日曜日に起こる不眠と、月曜日の憂うつにはとても深い関係にあります。今回の記事では「日曜日に眠れない理由」と、「日曜日にスムーズに眠るための5つの対策法」についてご紹介します。日曜日に眠れず悩んでいる方は、ぜひ参考にしていただけると幸いです。

日曜日に起こる不眠と月曜日の憂うつ

「日曜になると眠れなくなる」という悩みを抱えている人は少なくありません。同時に日曜日の夕方になると、翌日からの仕事や学校のことを考えてしまい憂うつになる、いわゆる「サザエさん症候群」や「ブルーマンデー症候群」という症状があります。

これらの日曜日の不眠と月曜日の憂うつは深い関係にあり、翌日の不安が大きいと、寝つきが悪くなるといった睡眠への影響が出やすくなります。

新しい1週間を気持ちよくスタートさせるには、日曜日の睡眠の質が大きなカギとなります。寝たい時に眠れない状態は、とてもストレスで辛いものです。日曜日にスムーズに眠れるようになるためにも、まずは原因を詳しくみていきましょう。

日曜日に眠れない原因とは

日曜日に眠れない大きな原因のひとつに「不安」があります。特に社会人が抱えるストレスは「仕事」に関するものが多く、2022年に江崎グリコが20代〜60代の働く男女500人を対象とした「ストレスとの向き合い方に関する調査結果」によると、54.1%の人が仕事にストレスを感じていると言っています。

参照元:ストレスとの向き合い方について実態調査を実施 

こうした仕事のストレスや不安が、日曜日の眠れない原因のひとつになっているのは言うまでもありません。しかし、日曜日に眠れない原因はこれだけではありません。主な原因となっているものには以下の3つがあります。

  • 週明けの仕事に対する不安や憂うつ
  • 週末の睡眠リズムの乱れ
  • 週末の多量飲酒

週明けの仕事に対する不安や憂うつ

多くの社会人は月曜日から新しい1週間がはじまります。仕事のストレスや悩みなど何らかの不安な感情が存在していると、日曜日の夕方から気分が憂うつになり、寝る頃には翌日の不安がさらに増して寝つきが悪くなります。

「溜まった仕事が待っている」「月曜の定例会議で発表しなくてはならない」など、仕事で抱える不安は人によって様々ですが、「またあの満員電車に乗らないといけない」など、通勤に対して不安を抱える人も少なくありません。

週末の睡眠リズムの乱れ

平日は仕事があるため決まった時間に就寝・起床します。しかし休日になると、決まった時間に起きる必要がないため、夜ふかしをしたり、遅くまで寝ているなど睡眠リズムが乱れがちです。さらに、平日仕事が忙しく睡眠時間があまり取れない人は、休日に寝溜めをして睡眠負債を取り戻そうとする人も少なくありません。

こうした週末の睡眠リズムの乱れは、眠りたい時間に眠れなくなったり、日中の眠気を引き起こす原因となります。眠気を誘う「メラトニン」の分泌が遅くなったり少なくなることで、日曜日の夜になかなか寝つけないのです。

週末の多量飲酒

週末はお酒を飲む機会が増えます。翌日仕事がないことから、普段よりも飲酒の量が多くなる人は多いのではないでしょうか。過剰飲酒は翌日にさまざまな影響をおよぼします。

寝覚めが悪くなったり、二度寝や寝不足、体に不調があらわれるなど、週末の過剰飲酒による不調の引きずりが、日曜日の就寝に悪影響を及ぼすことがあります。

日曜日にスムーズに眠るための5つの対策法

「日曜日にぐっすり眠って月曜日をスッキリ迎えたい!」

そんなあなたのために、すぐに試せる以下の5つの対策法をご紹介します。

  1. 週明けに仕事をなるべく持ち越さない
  2. 週末に寝溜めしたり夜更かしし過ぎない
  3. 入浴は熱めのお湯は控え、眠る1~2時間前までに入る
  4. 寝る2時間前からスマートフォンやパソコン、テレビを見ない
  5. 就寝前のカフェインや飲酒を避ける

3〜5は普段の睡眠にも取り入れられる、睡眠の質を良くするための方法です。自分の睡眠パターンを振り返り、自分にあったものを取り入れましょう。

また、週末は普段と違った行動が多くなりがちです。特に日曜日が眠れないと悩んでいる人は、日曜日の就寝に向けて、週末の過ごし方の工夫がとても重要です。

週明けに仕事をなるべく持ち越さない

仕事が溜まってしまい翌週に持ち越すことで、週明けの不安が大きくなります。多少残業をしてでもなるべく金曜日に仕事を終わらせてしまい、週明けに仕事を持ち越さないようにしましょう。

自分の手に負えないほどの業務量であれば、上司に相談して業務量を調整してもらうのもひとつの手です。仕事の不安が大きければ大きいほど睡眠の妨げにさります。なるべく週単位で業務を終えられるようスケジュールを調整しましょう。

週末に寝溜めしたり夜更かしし過ぎない

寝溜めイメージ画像

金曜日や土曜日に時間を気にせず夜更かししたり、気がついたら夕方まで寝ていたなどの寝溜めは、睡眠リズムが乱れるため注意が必要です。しかし、平日の寝不足が溜まっている人は、睡眠不足を補うためのまとまった睡眠時間が必要になるでしょう。

その時に気をつけたいのが、「早めに就寝し、起床時間はいつもと同じにする、または、睡眠時間を多くしても2時間だけ増やす」ことが大切です。太陽の光を浴びて、一度体内時計をリセットしましょう。それでも睡眠時間が足りない場合は、午後3時までに昼寝をします。この時、ダラダラと眠てしまうと夜に眠れなくなるため、昼寝は1時間くらいが目安です。

入浴は熱めのお湯は控え、眠る1~2時間前までに入る

人の体は、体内深部の温度が下がることで眠気が起こります。そこで、眠る1〜2時間前までに40℃程度の熱すぎない湯船でゆっくり温まることで、体温の低下とともに自然にお休みモードへ切り替えをすることができます。

熱いお風呂は交感神経を優位にしてしまい、逆に寝つきにくくなるため避けましょう。湯船に浸かっている間は、スマートフォンを持ち込まない、明かりを暗くするなどなるべくリラックスできる環境を整えると、より副交感神経が優位になり眠気を誘いやすくなります。

寝る2時間前からスマートフォンやパソコン、テレビを見ない

スマートフォンやパソコン、テレビなどから出ているブルーライトには、眠気を誘う「メラトニン」の分泌を抑える働きがあるため、体内時計が乱れ、睡眠に悪影響をおよぼします。さらに画面からは光だけでなく、たくさんの情報が視覚的に飛び込んでくるため、覚醒を促してしまいます。

寝つきを良くするためには、寝る2時間ほど前にはデジタル機器の使用を終えましょう。どうしても難しい場合は、ブルーライトをカットするメガネやアプリを使用する、朝はできるだけ光を浴びるなどの工夫が大切です。

就寝前のカフェインや飲酒を避ける

カフェインやアルコールは、睡眠の質を低下させることが分かっています。カフェインは眠気防止にコーヒーを飲むなど、覚醒作用があることで良く知られていますが、アルコールは不眠で悩んだ時にお酒に頼ってしまう人が少なくないため注意が必要です。

お酒を飲むと、確かに一時的に寝つきは良くなりますが、眠りが浅くなったり睡眠中に何度も目が覚めるなど、睡眠の質を低下させます。さらに、お酒を飲み続けていると、同じ量では寝付けなくなり次第に飲酒の量が増えるリスクがあります。就寝前の飲酒は避け、カフェインも摂取した後は数時間は体内に残るとされているため、できるだけ午後は控えましょう。

日曜日の睡眠不足がもたらす悪影響と、気をつけたい睡眠障害

睡眠不足は不安を高めるため、不安が募るほどさらに寝つきが悪くなったり不眠になりやすい傾向があります。

月曜日の朝を寝不足で迎えると、「体がだるい」「頭がぼーっとする」などの身体症状だけでなく、これから始まる1週間の不安を抱えながら過ごすことになるため、さらに不安感を強めてしまうケースも少なくありません。

日曜日の不眠を平日に引きずると、慢性的な不眠になることがあります。さらに悪化すると、不眠症などの睡眠障害に発展してしまうことがあるため、注意が必要です。不眠症については下記の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:不眠症とは?不眠の原因から症状、何科に行くべきなのかまで網羅的に解説

関連記事:不眠症の4つの症状タイプについて。不眠症のチェックリストも合わせてご紹

まとめ

いかがでしたか。今回の記事では、日曜日に眠れない理由と試すべき5つの対策法をご紹介しました。

<日曜日に眠れない理由>

  • 週明けの仕事に対する不安や憂うつ
  • 週末の睡眠リズムの乱れ
  • 週末の多量飲酒

<日曜日にスムーズに眠るための5つの対策法>

  1. 週明けに仕事をなるべく持ち越さない
  2. 週末に寝溜めしたり夜更かしし過ぎない
  3. 入浴は熱めのお湯は控え、眠る1~2時間前までに入る
  4. 寝る2時間前からスマートフォンやパソコン、テレビを見ない
  5. 就寝前のカフェインや飲酒を避ける

眠れない症状が日曜日以外にも何日も続いた場合は、不眠症の疑いがあります。

心療内科や精神科などの専門医の受診をおすすめします。また、「不安が強くて眠れない」といった不安感や憂うつ感についての心配がある方もご相談も承っております。不眠で悩んでいる方や心の不調が気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。