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公開日: |更新日: 問題解決療法

アイディアを実践してみよう!そして、振り返ろう!

アイディアを実践してみよう!そして、振り返ろう!

目次
“まずはやってみる”ことの大切さ
“振り返る”ことの大切さ
実例で理解する! “まずはやってみる&振り返る”
今回のまとめ

はじめに

問題解決を進めていくなかで、抱えている問題を整理し、目標を立て、目標を達成するための方法を考えることができたら、実際に試して、その結果を評価することが最後のステップになります。アイデアを出し、選ぶだけではもったいない。そのあとに実施し、振り返ることで、治療は進んでいきます。

そこで今回は、問題解決療法の第5ステップである、“解決案の実施と評価”について詳しく解説していきます。

“まずはやってみる”ことの大切さ

たくさんのアイデア(選択肢)からより良いものを選出し、実施する際には、“少しだけ”でも実施することが大切です。“少しだけ”でも実施することにより、様々な発見があります。

また、いきなり全部やるのはハードルが高い場合でも“少しだけ”ならやってみることが出来るかもしれません。“少しだけ”から始めて、やっていくうちに、やる気が出てこられる方はたくさんいらっしゃいます

まずはチャレンジしてみる。そして、チャレンジできた自分をほめてあげましょう。

“振り返る”ことの大切さ

「実施して、終わり」としたい気持ちもあるかもしれませんが、“振り返る”という大切な作業が残っています。

実行してみてよかったこと、困ったことを振り返り、目標が達成できたかどうか点検していく中で、さまざまな発見につながります。

大切なのは、うまくいったかどうかではありません(もちろん、うまくいくことが最終目標なのは、言うまでもありませんが)。

このプロセスが循環することが重要なのです。これができるようになれば、自然と問題は解決されていくでしょう。

実例で理解する! “まずはやってみる&振り返る”

前回の「朝目が覚めて15分以内に布団から出る」という目標を立てた方についてみていきましょう。※事例はいくつかのケースを組み合わせて改変した架空のケースです。

この方は“実現可能性か?”“コストは?”“昔上手くいっていたことはないか?”“今まで考えたこともないようなものはどれか?”等の観点から、

「紅茶か緑茶を枕元に置いて、目が覚めたら飲み」

「それで、10分以内に布団からでたら、ご褒美(チョコレート)を食べる」

「それでも、また布団の中に戻りたくなったら、夫に洗面台まで手を引いて連れて行ってもらう」

という計画を立てました。
その結果、一週間のうち3日は、15分以内に布団から出られるようになりました。

「10分を過ぎた日は、必ず起きることが出来なかった」ことから、ご褒美が重要であることがわかり、

「一度布団に出ても、布団に戻りたくなることは頻繁にあり、夫に手伝ってもらうことがとても有効でしたが、出張などもあり夫がいつもいてくれるわけではない」ので、夫がいない時の別の解決策が必要であることがわかりました。

「洗面所まで行って、作業が始まれば、そのまま起きていられること」もわかりました。

このような振り返りの情報から、新たな目標(布団から出た後、10分以内に朝食の用意に取り掛かる等)を設定したり、新たな解決策を考えたりして、問題解決のプロセスは続いていきます。

今回のまとめ

問題を整理し、目標を立て、解決策を考えることができたら、実際に試して、その結果を評価することが最後のステップになります。
新しいことを始めるのにはエネルギーがいります。まずは、少しでもやってみることが大切です。少しやってみるだけでも、いろんな発見がありますし、小さく始めることが新しい行動を開始するコツです。
そして、チャレンジできた自分をほめてあげましょう。
チャレンジしたら、その結果を振り返り、次につなげていきます。
“問題を整理し→目標を立て→解決策を出し→やってみて→振り返り→それをもとに、目標や解決策を立て直す…”、このプロセスを循環させていきましょう。

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<問題解決法についての記事はこちら>

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関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。