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2020.06.04 アサーション

ほめ上手・ほめられ上手になるために

ほめ上手・ほめられ上手になるために

目次
「ほめる・ほめられる」は難しい
ほめる場合
ほめ言葉を受けとる場合
まとめ

はじめに

誰かとよりよい関係を築いていく時に、「ほめる・ほめられる」というコミュニケーションはとても大切です。
ほめるというのは、良いところを伝える、というだけではありません。
感謝や愛情表現を伝えてもらった時にも、良いところを伝えられた時と同じように、「自分が認められている」ように感じると思います。
誰かとよい良い関係を築いていくためには、上手な「ほめる・ほめられる」はとても大切です。

「ほめる・ほめられる」は難しい

しかし、実は「ほめる・ほめられる」というのは扱いにくいコミュニケーションです。
例えば、この1週間を思い出してみてください。
人を褒めたり、感謝や愛情を伝える機会はどれくらいあったでしょうか?
また、伝え方はどうだったでしょうか?
照れくさいので黙っていませんでしたか?
ぶっきらぼうに態度で示しませんでしたか?
「自分はできないのでうらやましい」と自分を卑下してはいませんでしたか?

反対に、ほめられた時には、どのように反応していますか?
つい「とんでもない、自分なんて」と恐縮していませんでしたか?

今回は上手な「ほめる・ほめらられる」のコツをご紹介します。

ほめる場合

1)具体的に伝える

「すばらしい」「いいですね」といった曖昧なものではなく、具体的な言葉を使います。そのためには、相手のことをよく観察していないとできません。言葉にして伝える前に、日頃から相手の良いところを探してみましょう。無理やり見つけようとするよりも、自分が「いいな」と思うところを探すのがポイントです。
「大変な状況だったのに、みんなを引っ張っていってくれて、とても助かったよ」
「その服の色が、あなたにとてもよく似合っていますね」
「勇気を出して正直に言ったのには感心した」
相手のことを考えて具体的にほめることができると、「自分のことを理解しようとしてくれている」という思いも一緒に伝わります。

2)自分と比較したり、他との優劣でほめない

「私は仕事が遅いのに、あなたはいつも早くできてうらやましい」(自分との比較)
「女なのに/男なのに/若いのによくやっているね」(社会的イメージとの比較)
比較によるほめ方をしてしまうと、対等な人間として相手を褒めているように伝わらず、ほめる側にその意図がなかったとしても皮肉やお世辞に聞こえてしまうこともあります。つい比較の言葉を使ってしまいがちですが、それを省いても相手を褒めることはできることを忘れないでください。

3)結果ではなく、プロセスをほめるように意識する

多くの人にとって、苦労してつかみ取った結果を褒められるのはうれしいことです。しかし、努力をしても報われない時もあります。結果だけを褒めてしまうと「結果が伴わないと、自分を認めてくれないんだ」と感じてしまいます。相手が努力をしていることを見つけ、言葉にして伝えてあげましょう。

「辛い状態の中、よく頑張っているね」

ほめ言葉を受けとる場合

1)過度に謙遜したり、否定したりしない

ほめられたとき、「たいしたことありませんよ」「そんなに大げさに言わないでください」「いえいえ、そちらこそ」などとつい返してしまうことはありませんか?
日本には謙遜の文化があるため、相手のほめ言葉に「そんなことはありません」と謙遜することが謙虚であり、そのまま受け取ることがむしろ傲慢とさえ言われます。
しかし、過度な謙遜や否定をされると、相手は「的外れなことを言ってしまったかな」とむしろ否定されたような気持ちになったりする場合があります。

もし恥ずかしいと感じるなら、相手を否定するのではなく、自分の気持ちを素直に表現してみましょう。
「そう言われると照れますが、とても嬉しいです」
「嬉しいです、ありがとう」

2)率直に同意する

「ありがとう、私もこの色が好きなんです」
「照れるな。でも、自分でもよくがんばったと思う」
「認めてくださって嬉しいです。あれで良かったのかどうか、自信がなかったので」

ほめ言葉を受け取ることは、相手の気持ちを受け取るのと同じことです。
率直に同意し、そのあとに自分の思っていることを付け加えると、より相手の人と気持ちの交流ができるでしょう。

まとめ

身近な人を褒めることは、誰にとっても気恥ずかしいことです。
「言わなくてもわかってくれているだろう」という甘えもあると思います。
ですが、相手の良いところを認めて、それを「いいね、好きだよ」と伝えることは、人間関係の根本にある「理解しあいたい」「相手と良い関係を築きたい」という、愛情や希望に基づいた行為です。
上手な「ほめる・ほめられる」のコツを身に着け、大切な人とよりよい関係を築いていきましょう。

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監修

加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長/名古屋市立大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医
所属学会 / 日本精神神経学会、日本うつ病学会、日本嗜癖行動学会理事、厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
クリニック/名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。