あらたまこころのクリニック「治療法について」ページ

公開日: |更新日: 心の整理面接

自分に合った治療法を見つけるために 問題を整理しよう

自分に合った治療法を見つけるために 問題を整理しよう

【目次】
1.治療の両輪とは?
2.なぜ“整理”が大切なのか?
3.整理の例
4.今回のまとめ

はじめに

 あらたまこころのクリニックにいらっしゃる患者様はいろんな困りごとをお持ちです。

  • 気持ちが落ち込む
  • 不安でいっぱいになる
  • 毎日ぐるぐると考え込む
  • 会社に行く気が出ない
  • 上司や部下との人間関係に悩む
  • イライラして人に当たってしまうetc…

 そして、ほとんどの方に共通していることは“早く良くなりたい、昔の生活を取り戻したい”ということです。

あらたまこころのクリニックでは認知行動療法や対人関係療法的なアプローチ、グループ療法と様々な治療法を用意しております。

ですが、その前にここで1つコツがあります。

しかし、“早く良くなるために効果的と言われている治療をできるだけたくさん受ける”では、良くなるとは限りませんむしろ、治療が長引いてしまうことすらあります

 そこで今回は、良くなるために必要な、治療の両輪について詳しく解説していきます。

治療の両輪とは?

 治療の両輪とは、“整理”“対処・工夫”です。

 あらたまこころのクリニックに来られる患者さまは、“対処・工夫”を求めていらっしゃいます。「気持ちが楽になる方法はないか?」「仕事に行く気が起きる方法はないか?」と。今現在とてもつらく苦しい生活を送っているので、そこから抜け出したいと思うことは当然です。

 ですが、それと同じくらい、“整理”も大切で、治療の欠かせない要素であることは、知っておいていただきたいです。

では、なぜ“整理”が大切なのか?

 例えば、【とても早く走れる靴】(対処・工夫)が売っていたとします。とても魅力的に感じますが、購入する前に考えて頂きたいことがあります。
そもそもなんの目的で靴が必要なのでしょうか?確かに短距離の運動大会等に出場するためであれば【とても早く走れる靴】は適しているかもしれません。一方、長距離の大会であれば軽さや足の安定感を追求した靴を、アウトドアのためであれば早く走るよりも防水性や安定性を追求した靴が必要になるかもしれません。
 このようにまずは何のためにその靴(対処・工夫)が必要なのか、“整理”することが重要です。

 上記は極端な例かもしれませんが、心理的な治療を行っていくときにも、現在の自分に対する“整理”がとても重要となります

整理の例

 例えば、「会社に行くことができず困っている」患者さまがいたとします。なぜ、会社に行くことが出来ないのでしょうか??整理してみると…。

  • 生活習慣が乱れ、朝起きることができないのかもしれない
  • 職場で仕事を断ることができず、仕事に追われて会社に行く気が起きないのかもしれない
  • 上司に怒られ、上司を避けてしまい、仕事を進めることができないのかもしれない
  • 定期的にプレゼンをしなければいけないが、人前でプレゼンすることに不安・緊張を感じるのかもしれない

 上記のように1つの困りごとに対しても、“整理”することでさまざまな治療ポイントが見つかってきます

 そして、

  • 朝早く起きられない→生活習慣や不眠が作られる環境を改善する練習
  • 断ることが苦手→断る練習
  • 上司を避けてしまう→必要なときには上司を避けずに付き合っていく練習
  • 人前で発表することが不安・緊張する→不安・緊張と付き合い発表を遂行する練習

 といったように“対処・工夫”も異なってきます。

今回のまとめ

 治療において、より良い“対処・工夫”を求めることは当然のことです。
 一方、治療を効果的に進めるためには、“整理”することが重要です。まずはご自身が困っている状況を“整理”してみましょう。

“整理”することは決して簡単なことではありません。
お時間がある方は、専門機関で専門的な訓練を受けたスタッフのサポートのもと“整理”することをおすすめします。

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心の整理面接についての記事はこちら>  

整理”上手は治療にプラス!?~整理の仕方をご紹介~

心の“整理”面接が役立つのはなぜ??

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関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。