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公開日: |更新日: 認知行動療法

愛知デイ・ケア実施施設交流会・学習会

愛知デイ・ケア実施施設交流会・学習会に参加してきました。

2月15日(水)

会場:名古屋市精神保健福祉センターここらぼ
講師:椙山女学園大学人間関係学部 准教授 中野有美先生
『集団認知行動療法の実践~行動活性化について~』

行動活性化とは、うつ病に対する効果が証明された治療法の1つです。自分の生活を振り返り、治療に役立っていない行動を見つけて減らし、気持ちが軽くなる行動を増やしていきます。「行動」を通して、気分を「活性化」させることが目的です。

今回の研修会では、週間活動表という1週間の活動を記録する紙を用いて、実際に参加者一人一人が自分の生活の記録を取り、行動活性化を体験することから始まりました。また、架空の症例の週間活動表を見ながら、生活の中のどんな行動が気分の改善につながっているか、長期的に見るとどうか、今後増やす行動のヒントはないか、等を参加者の方々とディスカッションしながら行いました。

当院の治療でも、下記の本をベースに行動活性化を取り入れています。患者様がご自身で取り組めるワークブック形式の本で、治療者が補助や補足をしながら効果を実感していただけることを目指しています。

マイケル・E・アディス/クリストファー・R・マーテル著 大野裕/岡本泰昌 監訳
『うつを克服するための行動活性化練習帳 認知行動療法の新しい技法』

実際に自分で記録を取ることで、意外な発見がいくつも見つかりました。
例えば、「自分は忙しい」「時間がない」と思っていたのですが、実際に記録してみると意外と改善できる時間があることに気づかされました。また、記録をするコツや注意点なども学ばせていただきました。
今後の治療に活かしていきたいと存じます。

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。