あらたまこころのクリニック「症状別のよくある質問」ページ

症状別のよくある質問 DISEASE FAQ

新型うつ病

NEW TYPE DEPRESSION

新型うつ病は「わがまま」とか誤解されやすいのは、なぜですか?

仕事熱心、他人のために尽くす、規則を重んじる、まじめ、几帳面などのメランコリー親和型性格の人が新しい環境に変化した時などに、仕事を1人で抱え込み過ぎて、うつ病を発症しやすいということが精神医学界で広まりました。特に日本では、メランコリー親和型病前性格=うつ病と考えられていたため、同じうつ状態になっていても、従来型のタイプ(メランコリー型)でなければ、「責任感が強くて仕事を抱え込んで発病する」といったパターンが違うので「うつ病ではない,怠けているだけ、わがまま」と、誤解されることがあります。

またアメリカのうつ病の診断法(DSM-5)では、メランコリー型大うつ病性障害という病名がありますが、これはメランコリー親和型病前性格とは、別物です。

つまり、メランコリー親和型病前性格でなくても、メランコリー型大うつ病性障害になります。とても、ややこしいですね。読んでいて訳が分からなくってくると思います。専門家でも混乱することがあるのが現状です。

几帳面、仕事熱心などの性格をうつ病と余りにもセットで診断してきたので、新型うつ病の人が、本来受けるべき治療を逃してしまう可能性があるかもしれないと考えています。

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。