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ひとり反省会(反芻思考)とは?陥りやすい人の傾向と具体的な対策方法まで

ひとり反省会(反芻思考)とは?陥りやすい人の傾向と具体的な対策方法まで

  • 「なんであの時あんなこと言ったんだろう」
  • 「もっとこうすれば良かった」
  • 「相手を傷つけてしまったかもしれない…」

など、頭の中で考えがぐるぐるしてしまい一日が過ぎてしまった、という人は、ひとり反省会の悪循環に陥っているかもしれません。

反省は誰もが経験していますが、「ひとり反省会」にはどんな問題があるのでしょうか?もしかして病気のサイン?と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。

今回は「ひとり反省会」を取り上げ、ひとり反省会をする人の特徴や注意点、対策から関連する病気までを解説していきます。ひとり反省会から抜け出せず苦しんでいる方のお役に立てれば幸いです。

ひとり反省会(反芻思考)とは

ひとり反省会(反芻思考)とは、人と接した後に自分の言動を振り返り、間違いがなかったかを一人で思い悩み続ける状態のことを言います。「もっとこうすれば良かった」「あの一言が余計だったかも」などとネガティブに考えてしまうため、自分を責めたり落ち込んだりして抑うつ気分を増長させます。

ひとり反省会は、その場面のことを何度も思い出してはあれこれ考えてしまうため、家に帰ってから寝るまでの間、ずっと反省会をしているといった人もいます。

ひとり反省会(反芻思考)の例

ひとり反省会や反芻思考にはこのようなケースがあります。

  • 仕事でミスをしてしまい、なぜあの時上司に判断を仰がなかったのかと悔やみ続ける
  • 気が乗らず飲み会を断ったものの、家に帰ると行くべきだったかもしれないとぐるぐる考えてしまう
  • 友人と楽しくおしゃべりをしていたが、一人になった途端にあのことは言うべきじゃなかったと反省する
  • 相手の表情が気に掛かり、寝る前に思い出しては何か悪いことをしたのだろうかと考え込んでしまう
  • ふとした時に自分の発言や行動を思い出し、なんとも言えない気持ちになることがたびたびある

ひとり反省会(反芻思考)をする人の特徴

自分の言動を振り返ることは誰でもあることですが、その中でも「ひとり反省会」と言われる反芻思考をする人にはどんな特徴があるのでしょうか。主に以下のような特徴の人に、ひとり反省会をする傾向がみられます。

  • まじめで完璧主義
  • 優しくて思いやりがある
  • 繊細で周囲に敏感

まじめで完璧主義

まじめで完璧主義の人は、自分の言動に対しても責任感を持っています。そのため、自分の言動や行動が、その場にふさわしかったかどうかをひとつひとつ振り返り、反省してしまう傾向があります。

優しくて思いやりがある

ひとり反省会をする人は、優しさや思いやりから、相手を気遣い反応を気にしてしまう傾向があります。自分の言動が相手のためになっているか、相手を傷つけていないかなど、相手を気にかけているからこそ細かいことが気になってしまいます。

繊細で周囲に敏感

相手の表情や変化など、ちょっとしたことにも敏感な、感受性が高い人もひとり反省会をする人の特徴です。デリケートに物事を捉えてしまうため、相手のちょっとした変化にも反応してしまい、マイナスに捉えて反省してしまいます。

ひとり反省会の注意点

「反省」自体は悪いことではありません。反省を踏まえて次に生かすことができれば問題はないでしょう。しかし、ひとり反省会には注意すべき点があります。以下の点に気づいたら、改善方法を検討しましょう。

  • ひとり反省会にばかり時間を使ってしまう
  • ネガティブな面しか考えない
  • 悪循環に陥ってしまう

ひとり反省会にばかり時間を使ってしまう

ひとり反省会では、あれこれと答えの出ない問いを続けてしまう傾向があります。そのため、同じ考えがぐるぐるしたまま時間ばかりが過ぎてしまい、結局寝るまでの間ずっと、ひとり反省会に時間を使ってしまったということも少なくありません。

ネガティブな面しか考えない

ひとり反省会では、自分の言動に対してネガティブな捉え方をしてしまいます。「ああすれば良かった」「この発言は良くなかった」「だから自分はだめなんだ」など、ネガティブな面ばかり注目してしまうため、気持ちもどんどん落ち込んでいってしまいます。

悪循環に陥ってしまう

ひとり反省会を続けていると、気分の落ち込みや不安感が増幅し、ますます自分の言動や他者の反応に対して敏感になるため悪循環が生まれてしまいます。一度悪循環に陥ってしまうと、なかなか自分では気づきにくく抜け出すのが難しくなります。さらに悪化すると、うつ病などに発展してしまうケースもあるため注意が必要です。

ひとり反省会は病気のサイン?関係する病気とは

ひとり反省会は、「こういう性格だから」で済まないケースがあります。ひとり反省会を繰り返すことで、自分を責めたり落ち込むことが増えてくるため、日常生活や社会生活にも影響を及ぼす状態にまで発展してしまうことがあります。

ひとり反省会をサインとした関連する病気には、主に以下の2つがあります。

  • 社交不安障害(あがり症)
  • うつ病

社交不安障害(あがり症)

社交性不安障害とは、あがり症ともいわれ、人からどう思われているかが過剰に気になる病気です。人の目線を気にするあまり、強い不安や緊張、恐怖に襲われるため、苦手な場面を避けるような行動をとるようになり、社会生活にも影響を及ぼすことがあります。不安や緊張、恐怖から、発汗、ふるえ、動悸などの身体症状があらわれることもあります。

社交不安障害は、苦手な場面の後にひとり反省会を行うのが特徴で、次もまた同じことが起こるのではないかと不安と苦痛が増大し、悪循環が生まれます。この社交不安障害の悪循環について、「社交不安障害(あがり症)とは?」の記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

うつ病

うつ病とは、気分の落ち込みや、強い憂うつ状態が長く続き、日常生活に支障をきたす病気です。何をしても楽しめない、気分が沈んで何もする気が起こらない、などの精神症状の他に、不眠や食欲不振、頭痛や疲れやすい、などの身体症状もあり、人によってさまざまです。

うつ病になると物事の捉え方が否定的になるため、ひとり反省会をしてますます落ち込むなど、負のループが生まれやすくなります。うつ病は、日本人の15人に1人は一生のうちに経験すると言われるほど、最近ではめずらしくない病気です。早期に発見し、適切な治療を進めることで改善までの期間を短くすることができたり、再発リスクも減らすことができます。

ひとり反省会の悪循環に陥りやすい方は、うつ病に発展しやすい傾向もあるため注意が必要です。うつ病については「うつ病とはどんな病気?」の記事で詳しく解説していますので、うつ病についても理解しておくとよいでしょう。

ひとり反省会(反芻思考)の対策

「どうしてもひとり反省会をしてしまう」
そんな時にはどんな対策があるのでしょうか。負のループを断ち切るための、自分でできる対策法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 違うことを考える(やる)
  • ひとり反省会(反芻思考)の原因を避ける
  • 自然などの中でリラックスする
  • メモを取る

違うことを考える(やる)

ひとり反省会が始まったら違うことに意識を向け、反省する時間を作らないことが効果的です。楽しい旅行の計画を考えてみたり、映画や漫画を見るなど、別のことに集中することで、ネガティブな考えに陥る前に意識をそらすことができます。ひとり反省会は寝る前に起こりやすいと言われていますが、自分のパターンが分かっていると対策もしやすくなります。

ひとり反省会(反芻思考)の原因を避ける

ひとり反省会の原因が明確であるなら、その原因から距離をとるなど対象を避けるのも一つの方法です。人、場所、場面や出来事など、自分が何に対して反芻思考に陥っているのかを一度書き出してみましょう。

自然などの中でリラックスする

ひとり反省会をする人は、あれこれ考え過ぎてしまいストレスを抱え込んでしまう傾向にあります。ストレスが溜まると自律神経の乱れを引き起こすため、体に不調をきたしたり気分も落ち込む一方です。

自分に向いた意識を緩めるためにも、自然に触れたりアロマを焚くなど、リラックスする時間を取ることも大切です。

メモを取る

ひとり反省会の特徴として、何度も同じことをくりかえし反省することが挙げられます。解決策に向かう反省であれば、前向きな過程のため問題はありませんが、答えのでない問いを繰り返す反省は終わりがありません。

自分が思うように出来なかった言動をメモし、それに対してこうすれば良かったと思う行動やフレーズをメモしておきましょう。同じような場面に出会った際に役立つことができます。また、同じことで悩まないように、自分が問題としていることを可視化しておくことも有効です。

ひとり反省会(反芻思考)の治療法

ひとり反省会には特有のパターンがみられます。このパターンに気づき、考え方や行動を変化させるための治療法として、以下の治療法が有効です。

  • マインドフルネス
  • 認知行動療法

マインドフルネス

マインドフルネスとは、今の自分の状態に意識を向けて心を整える技法のことで、心の筋トレとも言われています。企業の研修にも取り入れられており、ストレスの軽減や、集中力の強化にも効果があるとされ、世界中で注目を集めています。このマインドフルネスは、ひとり反省会の治療にも効果的です。

反芻の状態に気づき、反芻思考のパターンに陥らないための心のトレーニングをすることができます。体の筋トレと同じですぐに効果があるものではないため、毎日少しの時間でもコツコツ続けることが大切です。

マインドフルネスは一人でもできますが、一人では続けられない、やり方が分からない方のために、名古屋市瑞穂区の精神科/心療内科あらたまこころのクリニックでは、マインドフルネスのグループコースを定期的に行っております。気になる方は以下よりぜひ確認してみてください。

関連:マインドフルネスグループのご紹介

認知行動療法

認知行動療法とは、考え方や行動のクセを把握し、自分の認知や行動パターンを変えていくことで、気持ちを楽にしたりストレスを軽減する治療法です。ひとり反省会を続けていると、何度もくりかえし同じことを考えてしまうため、負のループに陥りやすくなります。

この悪循環から抜け出す方法として、認知行動療法はとても有効です。認知行動療法も一人で行うことができますが、一言に認知行動療法といってもたくさんの種類があるため、自分にあった方法を選ぶのが難しかったり、自己流になってしまい効果を得られない可能性があります。あらたまこころのクリニックは、安心して始めていただける認知行動療法グループも行っておりますので、こちらも気になるかたはお問い合わせください。

関連:認知行動療法グループのご紹介

まとめ

ひとり反省会(反芻思考)とは、人と接した後に自分の言動を振り返り、間違いがなかったかを一人で思い悩み続ける状態のことを言います。

ひとり反省会には注意点があり、以下の点に心当たりがある方は改善方法を検討しましょう。

  • ひとり反省会にばかり時間を使ってしまう
  • ネガティブな面しか考えない
  • 悪循環に陥ってしまう

また、ひとり反省会の対策には以下の方法が有効です。

  • 違うことを考える(やる)
  • ひとり反省会(反芻思考)の原因を避ける
  • 自然などの中でリラックスする
  • メモを取る

自分でできる対策で解決しない場合は、「社交不安障害」や「うつ病」のリスクも高まります。マインドフルネスや認知行動療法などを行う専門機関での治療を検討しましょう。あらたまこころのクリニックでは、それぞれのグループワークを定期的に行っております。ひとり反省会の悪循環をひとりで断ち切ることはなかなか難しいことです。少しでも解決のお手伝いができたらと思いますので、気になる方は一度、お気軽にご相談ください。

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。