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治療法について TREATMENT

2020.06.16 その他

アルコール治療案内

アルコール治療案内

【目次】
アルコール依存症とは?
アルコール依存症治療プログラムについて
ご家族の対応
プログラム参加中、絶対に守っていただきたいこと
まとめ

アルコール依存症とは

アルコール依存症とは、アルコールの持つ依存性によって発症する病気で、薬物依存のひとつです。簡単に言うと、飲酒によっていろいろな悪い結果が起きているにも関わらず、飲むことがやめられない状態です。例えば、身体の不調が出ていたり、不眠、うつなどの症状が現れたり、周囲の人から飲酒について心配されたり・・・。

飲酒をコントロールできないのは、意思が弱いとか、だらしない性格からくるものではなく、依存症という「病気の症状」です。

治療しないでおくと、身体、社会、精神的な問題を併発しながら徐々に悪化していき、死に至ります。身体疾患による死はもとより、事故や自殺などが死因の上位にきているのもこの病気の特徴です。

アルコール依存症の回復のためには断酒しかありません。しかし、長年、飲酒を続けてきた生活パターンを一人で変えていくことはとても困難です。同じ問題を抱えて通院している仲間とともに、専門的な治療を受け、断酒生活に取り組んでいきましょう。

治療や病気に対する不安や分からないことについては、担当者と相談しながら解決していきましょう。

アルコール依存症治療プログラムについて

当院ではアルコール依存症の方に対し、デイケア、グループ療法、個別面接、薬物療法を通して回復に向けてのサポートを行っております。また、休職中で就労を希望している方に向けて復職支援プログラムを提供しております。

デイケア

アルコール依存症は、身体的・精神的に障害を引き起こすだけでなく、日常生活能力、対人関係能力の低下も引き起こします。そのため、長年飲み続けてきた生活習慣を見直し、新たにしらふでの生活を送る為に、生活リズムの立て直しや、よりよい対人関係の構築が必要になります。デイケアでは同じ病気をもつ仲間と共に生活することにより、日常生活能力の向上や社会復帰を目指します。

グループ療法

グループ療法では、アルコール依存症を正しく理解し、再発を予防するための教育プログラムや、自らの体験を語り、仲間の体験を聞くことで、今までのアルコールの問題を振り返るグループミーティングなどを行っています。

個別面接

断酒継続の上で不安なことや、就労等について、担当スタッフとともに考えていきます。

薬物療法

離脱症状の治療

断酒の取り組み始めには、離脱症状が出ます。睡眠薬や抗不安薬を用いて、離脱症状を軽くしたり、予防したりします。

身体合併症の治療

アルコールは体に様々な影響を及ぼします。その多くは、断酒と治療薬によって改善します。

抗酒剤による治療

アルコールの分解が抑えられ、少量の飲酒でも悪酔いの状態となる薬です。これを服用することによって、断酒につながりやすくなります。

ご家族の対応

ご家族の力がなぜ必要か?

アルコール依存症では、経済的な問題、家庭での役割、暴言や暴力、子供への影響などが生じ、家庭生活全体がうまくいかなくなります。そのような問題を起こしている人を、家族は病人として見ることができず、人間的に問題のある人と考えがちです。そのため、以下のような悪循環に陥ってしまいます。

飲酒をコントロールする

飲み過ぎないよう説教したり、監視したり、酒を薄めたり、飲んだ量を調べたりします。外で飲むと心配なので家で飲んでもらおうとします。酒を隠したり、捨てたりします。
しかし、アルコール依存症は、飲まずにいられない病気なので、うまくいきません。

飲酒の原因をコントロールする

飲ませないように機嫌をとろうとしたり、ストレスをなくそうとしたり、趣味をもたせようとします。悩みを聞き、なぐさめようとします。これもうまくいきません。

飲酒の結果をコントロールする

最後は本人のしたことの後始末に追われるようになります。
飲み屋のツケを支払う、会社に言い訳する、迷惑をかけた近所の人に謝る、酔い潰れた人を介抱する、酔って壊したものを片づける…。

こうして、飲酒のために不都合なことが起きても、本人が痛みを感じないですむしくみができてしまいます。家族は、本人のためにと思ってやっていることなのですが、頑張れば頑張るほど状況は悪化し、家族は疲れ果ててしまいます。

ではどうしたら良いの?

正しい知識を学ぶ

アルコール依存症は病気です。病気について知ること、どんな対応が有効かを知ること、治療や回復について知ることが、家族の力になります。

自分自身に目を向ける

今までの悪循環から抜け出し、落ち着いて対応するには、自分自身の疲れを癒したり、怒りを吐きだしたりする場が必要です。そのためには、依存症者だけに目を向けていた状態から、自分自身に視点を移すことが大切です。自分を満たしてあげることで、次の行動へのエネルギーが生まれます。

プログラム参加中、絶対に守っていただきたいこと

次にあげる契約事項については、治療を受けていく上での基本となりますので必ず守ってください。

①アルコールは一切飲まないこと。

アルコール臭がする場合、その他飲酒が疑われる場合は確認をとらせていただきます。もし、飲酒しての来院が確認された場合は治療をお断りする場合があります。再飲酒をしてしまった場合は隠さずに申し出て下さい。

②治療プログラムには積極的に参加すること。

ご自分だけの判断で通院をやめてしまったり、休むことは非常に治療上マイナスとなります。必ず担当スタッフと相談していきましょう。やむをえない事情で欠席する場合は、必ず連絡をしてください。

③治療プログラム参加期間中は必ず当院スタッフの指示に従って下さい。

クリニックはあくまで治療機関です。自分は病気でクリニックに通っているという認識を忘れずに通院しましょう。当院スタッフの指示に従わない場合、治療を中止することもあります。

まとめ

アルコール依存症は、薬物依存の一つで、アルコールの依存性によって引き起こされる病気です。
身体の不調や不眠・うつと言った身体症状、酔った勢いでの失敗など、問題が生じているにもかかわらず、飲むことをやめることが出来なくなってしまいます。
アルコール依存症の回復のためには断酒をする必要があります。
が、それはとても険しい道のりです。同じ悩みを抱えている仲間とともに、専門的な治療を受ることで、その険しい道のりを乗り越えていきましょう。
プログラムのご参加を希望される際は、医師にご確認ください。

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監修

加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長/名古屋市立大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医
所属学会 / 日本精神神経学会、日本うつ病学会、日本嗜癖行動学会理事、厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
クリニック/名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。