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公開日: |更新日: 認知行動療法

認知行動療法とは

認知行動療法とは

目次

人間におこる4種の反応
例:人に会うのが不安
認知行動療法
当院での認知行動療法の取り組み
まとめ

人間におこる4種の反応

人間は状況に応じてさまざまな反応をします。

その反応は、 ①気持ち、②考え、③体、④行動 の4つの側面に分けられ、これらの4つの反応は、お互いに影響を及ぼし合っています。

たとえば、あなたが道を歩いているときに急に声をかけられたとします(状況)。

あなたは、不安になり(気持ち)、「知らない人から声をかけられた。どうしよう!」と思い(考え)、ドキドキして(体)、そのまま歩き続けてその人のことを避けてしまいました(行動)。すると、「これでよかったのかな」と考え、だんだん不安が増してきました。

この場合、どのようにしたら不安にならずに済んだのでしょうか。

残念ながら人間は、気持ちや体は自分で変えることができません。しかし、その状況をどのように考え、どのように行動するかは変えることができます

もし、歩き続けるのをやめて相手を見て、「あっ○○さんだ」と思うことができたら不安やドキドキはどうなるでしょうか。もちろん、不安やドキドキは下がっていくと思います。このように行動や考えを変えることによって、気持ちや体の反応を変えることができるということです。このような方法を応用した治療法を「認知」「行動」療法と言います。

例:人に会うのが不安

認知行動療法

認知行動療法とは、人間の「気持ちや体」が「考えや行動」によって影響を受けるという理論に基づいています。考えを変え、問題に対処する行動をすることによって、気持ちや体を改善させていくことを目的とした治療法です。

認知行動療法では、考えを変えていく認知的技法、行動を変えていく行動的技法を用いていきます。認知的技法には、読書療法や認知再構成法、スキーマの修正などがあります。行動的技法には、セルフモニタリング、活動スケジューリング、問題解決、対人関係の改善などがあります。どのような方法を用いるかは、患者様の状態や症状、お困りごとによって異なってきますので、お話を聞きながら一緒に決めていきたいと思っています。

当院での認知行動療法の取り組み

当院では、うつ病(リワーク、不眠症含む)、パニック障害、社交不安障害(社会不安障害・あがり症)の方を対象に、グループでの認知行動療法を行っています。

また、特殊な場合を除き、20歳以上の方には、マンツーマンでの認知行動療法は、保険診療の枠内では行っておりません。

認知行動療法が患者様に役立つかどうかに判断は、勝手ながら医師が判断させていただきます。 したがって、認知行動療法を希望された全ての方ができるというわけではありませんので、あらかじめご了承ください。

まとめ

人間の反応は、①気持ち、②考え、③体、④行動 の4つの側面に分けられます。
気持ち・体は自分の意志では変えられません。考え・行動は自分の意思で変えられます。
考えや行動を変えることで、気持ちや体を変えていくのが認知行動療法です。
当院では、うつ病(リワーク、不眠症含む)、パニック障害、社交不安障害(社会不安障害・あがり症)の方を対象に、グループによる認知行動療法を行っています。

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。