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公開日: |更新日: 社交不安障害専門療法

社交不安障害のグループ療法を行っています

当院では、平成18年4月より、社交不安障害のグループ療法を行っています。

この治療では、認知行動療法により、考え方の幅を広げたり、不安なことに向きがちな注意を他のところに向ける練習をしたり、「行動実験」を通して自分が不安に思っていることが現実にはどうなのかを確かめたりしながら、不安と付き合っていく方法を学びます。

グループは基礎編と実践編に分かれており、基礎編では、社交不安障害で見られる考え方や行動のパターンについて振り返り、「行動実験」の進め方を学びます。「行動実験」を続けることによって、これまで不安だった場面を客観的に観察できるようになり、効果が出てきます。

実践編では、この「行動実験」を続けていきます。
個別面接による治療も行っており、個別面接の良い点は、患者さんの困り事に合わせて治療を組み立てられることです。
また、グループの時間に参加することが難しい方でも調整がしやすくなります。

一方、グループ療法では、時間の都合を合わせていただくなど大変な点もありますが、他の人の意見を聞く機会が得られ、自分だけではないんだと感じられることが最大のメリットです。
また、回復していく方を見て、回復の道のりがイメージしやすい点も、グループ療法ならではだといえます。

平成27年には、基礎編だけでも33名の方がこのグループ療法に参加されました。グループ療法開始以来、150名以上の方が参加され、病気を克服されている方がたくさんいらっしゃいます。
~グループに参加された方の感想~

  • 自分の体験について意見をもらって、自分では気づかなかったことに気づくことができて良かった
  • 他の人の体験を聞いて自分ならどうかと考えることができ、グループで勉強できてよかった
  • 行動してみることの大事さを学んだ
  • 実際に、ここで学んだことを活かせる場面で、前の自分とは少し違った自分を作ることができ、嬉しかった
  • 今まで苦しんでいた“大きなかたまり”が細分化されて、小さな課題を見つけてはひとつひとつクリアしていくというやり方に変えて行けた
  • 今までの私は性格じゃなくて病気だったんだと知ることができた点や、私だけではなく同じようにつらい思いをされている方がたくさんいるんだと知ることができたことがありがたかった
  • 自分の思考と現実にはギャップがあるということを体験できたことはすごく大きかった
  • 最初は泣いてしまったりしたが、毎回出席することができて良かった
  • 全12回は長いと思っていたけど、意外に短く感じた
  • これからが大事だと思うので、教えてもらったこと、しっかりやっていけるようにしたいと思う

社交不安障害は、うつ病などと併存することも多く、見落とされがちな病気です。しっかり治療をすることが大切ですので、気になる方は、是非ご相談ください。

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。