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焦燥感はどうして起こるの?原因から対処法、関連する病気について解説

焦燥感はどうして起こるの?原因から対処法、関連する病気について解説

焦燥感(しょうそうかん)に駆られると、判断力が低下してミスをしたり心が不安定になるなど様々な弊害が起こります。焦りの感情は誰もが持っている身近な感情ですが、焦燥感の正体を知り対処法を身につけることで焦りを感じてもうまく乗り切ることができます。

今回の記事では焦燥感が起こる原因と、焦燥感が起きた時の対処法をご紹介します。また、原因がわからない焦燥感が続く場合は、病気のサインの可能性があるため注意が必要です。あわせて関連する病気についても解説します。

焦燥感とはどんな感じのことなの?

焦燥感とは、思う通りにいかず焦ったりイライラするなど、気持ちの整理がつかず不安な状態になっているときに使う言葉です。落ち着きを失ったり慌てているといった「焦り」の状態よりも、思うようにならない苛立ちや不安をあらわしています。

焦燥感が強いと集中力や判断力が低下するため、ミスが増えたり後悔するような決断をしてしまうなど、行動と思考にズレが生じ悪循環を招くことがあります。

また、焦燥感によって不安な状態が続くと、ストレスが溜まり自律神経の乱れにもつながります。焦燥感が続いて悩んでいる人は、さまざまな弊害が起こる前に焦燥感の原因を知って対策を取ることが大切です。

関連記事:「自律神経失調症の正体 パニック障害が関係していることもある

焦燥感が起こる原因とは

「仕事で結果が出せない」「恋愛がうまくいかない」「将来の見通しが立たない」など、焦燥感を感じるケースは人によってさまざまですが、共通して以下の原因が考えられます。

  • 理想と現実にギャップがある
  • やるべきことに追われている
  • 人と自分を比べてしまう
  • 不安に感じることがある

理想と現実にギャップがある

「30歳までに独立する」「仕事もプライベートも充実した毎日を送る」など、自分の思い描いた理想どおりに行かなかった時に、うまくいかない現実とのギャップに焦りを感じます。理想が大きければ大きいほどギャップもうまれやすいため、焦りや不安も強くなります。

やるべきことに追われている

目の前にやるべきことがあるのに「締め切りがあるのに終わっていない」「やる気が出ずに進まない」状況や、「時間がないのにあれもこれもしなくてはならない」状況など、やるべきことに追われると焦りが起こります。この場合、やるべきことが分かっているのに行動ができない自分や、達成できない状況、周囲からのプレッシャーによってイライラも強くなりやすい傾向にあります。

人と自分を比べてしまう

「同僚がみんな昇進している」「友達はみんな結婚している」など、人と自分を比べて将来への不安を感じた時に焦燥感にかられることがあります。他人との比較は自分を苦しめるだけでなく、相手への嫉妬や自己否定などネガティブな感情につながりやすいため注意が必要です。

不安に感じることがある

仕事やプライベートの悩みだけでなく、テレビやインターネットからさまざまな不安を煽る情報に触れていると焦燥感が起きやすくなります。不安や恐れがあるのに具体的な解決策が見つからず、「このままでは良くない」と思いながらもどうしていいか分からないと気持ちばかりが焦ってしまいがちです。

焦燥感が起きた時の対処法とは

焦燥感が起こると、焦りやイライラによって集中力が乱れ何も手につかないことがよくあります。気持ちばかりが先走って冷静な判断ができないため、ミスや誤った判断で後悔してしまうことも少なくありません。

焦燥感をうまく乗り切るためには、事前に対処法を知っておくことが大切です。焦燥感が起きた時の対処法として下記の4つをご紹介します。

  • やるべきことや不安を紙に書いて整理する
  • 考えすぎず目の前の課題に取り組む
  • 他人と比較せず今の自分を認める
  • 不安の元となる情報は見ないようにする

やるべきことや不安を紙に書いて整理する

焦ってパニックになると、本来の目的や優先すべきことを見失いがちです。そのため一旦深呼吸をして落ち着いてから、やるべきことや何に不安を感じているかを書き出して、情報を整理しましょう。視覚的に今の状況を把握することで心の落ち着きを取り戻すことができ、次の具体的な行動を冷静に考えることができます。

当院では、一緒に振り返りながら気持ちの整理をする面談を行っております。詳しくは「心”整理”面接が役立つのはなぜ??」という記事をご覧ください。

考えすぎず目の前の課題に取り組む

漠然とした不安や焦りはあれこれと考えすぎてしまうため、実体以上に膨らみ焦燥感も強くなってしまいます。ネガティブな感情が湧いてきたら、何も考えずに淡々と目の前の作業に集中してみると焦った気持ちを落ち着かせることができます。取り組むことはどんな小さなことでも構いません。机の周りを片付ける、書類を整理する、荷物の仕分けをするなど、なるべく頭を使わずに手軽に取り組める作業が良いでしょう。

集中力が続かなく悩んでいる方は「集中力が続かない!そんな時に考えられる5つの原因と対処法について解説」も合わせてご覧ください。

他人と比較せず今の自分を認める

他人と比較してしまうことで焦りや不安が起きた時は、まずは他人と比較することをやめましょう。他人との比較は終わりがなく、比較することが癖になってしまい常にネガティブな感情に苦しむことになります。他人との比較ではなく、過去の自分と比較しましょう。自分を見つめ直し、どんな小さなことでも今まで頑張ったことを認めて褒めてあげることで、少しずつ失った自信を取り戻すことができます。

不安の元となる情報は見ないようにする

なんとなくテレビやネットを見ていると、必要のない不安を煽るような情報も勝手に目に入ってしまいます。現代はさまざまな情報に溢れているため目的もなく情報に触れていると、ネガティブな情報にとらわれてしまうことも少なくありません。なるべく必要な情報だけを取りに行き、それ以外は見ないといった工夫も大切です。

焦燥感は病気の症状のひとつ?うつ病にみられる焦燥感とは

焦燥感は誰もが経験する感情のひとつです。しかし、実は病気の症状のひとつとしても焦燥感があらわれることがあるので注意が必要です。特に特徴的なのがうつ病の症状で、強い焦燥感からじっとしていることができず、ソワソワと動き回ったり体を動かしたり、皮膚や服をこするといった行動があらわれます。

さらに焦燥感からささいなことで怒りっぽくなったり、イライラを周囲にぶつけてしまうケースがあります。うつ病の場合は自分自身を責めてしまう傾向があるため、周囲にあたってしまった自分を責めてしまい、不安や焦燥感がさらに強まるといった悪循環が生まれやすくなります。

うつ病ってどんな病気?

うつ病イメージ画像

うつ病とは、気分がひどく落ち込んだり何をしても興味が持てず抑うつ気分が続くなど、日常生活に支障をきたす病気です。症状は人によってさまざまで、精神症状だけでなく、倦怠感や吐き気、めまいや頭痛など、身体症状にもあらわれることがあります。

原因はまだはっきりとは分かっていませんが、ストレスなどを背景に、感情や意欲に関わる脳の機能に何らかの不調が生じていると考えられています。うつ病についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:うつ病はどんな病気?症状や回復過程の特徴についてわかりやすく解説。

まとめ

焦燥感とは、焦ったりイライラしたりするなど、気持ちの整理がつかず不安な状態をあらわす言葉です。焦燥感が起こる原因には以下の4つが考えられます。

  • 理想と現実にギャップがある
  • やるべきことに追われている
  • 人と自分を比べてしまう
  • 不安に感じることがある

焦燥感が起こると、判断力が低下してミスをしたり心が不安定になるなど様々な弊害が起こるため、対処法を知っておくことで焦燥感が起きてもうまく乗り切ることができます。焦燥感が起きた時の対処法は以下の4つがあります。

  • やるべきことや不安を紙に書いて整理する
  • 考えすぎず目の前の課題に取り組む
  • 他人と比較せず今の自分を認める
  • 不安の元となる情報は見ないようにする

焦燥感は誰もが経験する感情ですが、うつ病のサインとしてあらわれることがあるため注意が必要です。うつ病の焦燥感の特徴には以下のものがあります。

  • ソワソワと動き回ったり体を動かす
  • 皮膚や服をこする
  • ささいなことで怒る
  • イライラを周囲にぶつける

原因不明の焦燥感が長く続く場合や、うつ病の症状に少しでも当てはまる場合は、早めに心療内科や精神科を受診することをおすすめします。うつ病はほおっておくと、日常生活や社会生活が困難になるほど悪化してしまう恐れがあるため、早期に発見し適切な治療を行うことがとても大切です。少しでもご不安な点があれば、一度お気軽にご相談ください。

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。