あらたまこころのクリニック「治療法について」ページ

公開日: |更新日: その他

復職を準備するときに注意したい3つのこと

復職を準備するときに注意したい3つのこと

【目次】
生活習慣を整える重要性
生活習慣を整えるときのポイント
今回のまとめ

はじめに

今回は、“復職”のために生活習慣を整えることの重要性について解説していきたいと思います。

生活習慣を整えると聞くと、「そんなこと!?できるに決まっているじゃないか」「いざ復職するときにやればいいんだろ」「そんなことよりストレス対処が重要なんだ」と思われる方も少なくないのではないでしょうか。

しかし、生活習慣を整えることは治療上とても重要です。生活習慣が整わないと思っていたよりも治療が進まなくなることもあるほどです。

生活習慣を整える重要性

休職中は何をするも自由ですが…

お仕事をしているときと休職中では、1日の生活リズムが違います。

一番の違いは、本来お仕事に行っていた時間を自由に(?)使うことができる点です。

休職中でもお仕事に関わることをしていれば問題ないかもしれませんが、治療以外にソファで休んだり、映画を見たり、昼寝をしたり、出かけたりが自由にできてしまいます。

その結果、お仕事に集中する力、体を動かす機会や体力が徐々に失われていきます。

場合によっては、昼夜逆転した生活になってしまうこともあります。

さて、このような状況が続いたまま、復職日が近くなるとどのような問題があるのでしょうか?

みなさん想像してみてください。

ゴールデンウィークやお盆などのお休み明けに、調子やテンポが整いづらいと感じる方はたくさんいらっしゃると思います?

1~2週間でもそうなので、さらに長い期間お休みした場合、通常の生活リズムに戻すことは、簡単ではないことがわかります。

会社によっては、慣らし出勤(短時間勤務から始めるetc)ができず、休職を明けていきなり週5日1日8時間程度働くことになります。

いざ仕事が始まる前から、復職に向けてじっくり生活リズムを整えておくことは、このような点からも重要であると思いませんか?

生活習慣を整えるときのポイント

あらたまこころのクリニックでは、生活習慣を整えるときに3つのポイントを大切にしてもらうようにお願いをしています。それは、①睡眠、②食事、③お薬です。

①睡眠

睡眠のトラブルはうつ病、生活習慣病、認知症などと関連していると言われています。決まった時間に就寝・起床できているか?昼寝はしていないか?など注意が必要です。

②食事

食事は、普段より食べる量や回数、時間に変化はないか?いつも以上に間食をするようになっていないか?など注意が必要です。

③お薬

処方は医師の医学的見地に基づいた、大変、繊細な作業です。
患者様の状態や、服薬による反応を見て、それぞれの患者様に合った種類や量を調整していきます。
医師の指示通りの服薬をしていただかないと、正しいデータが取れず、医師がお薬の種類や量を正確に調整することが出来なくなってしまいます。

また、お薬は種類によって、効果が現れるまでに時間がかかるものもあります。
「効いていない感じがするから」と、自己判断で服薬を止めてしまうと、薬の効果を正しく得られないことになりかねません。

お薬に関しては、医師の指示通りにお薬を飲むことが大切です。

言うは易く行うは難し

この3つが整うことは、治療や復職の基盤として欠かすことができないと思われます。

ただし、症状や特性によって、この3つを整えることを難しく感じる患者様も少なくないと思います。そのような方は、医師やスタッフにご相談ください。
一緒に、この3つを整える工夫について考えていきましょう。

上記の3つ以外にも、
体を動かす時間は取れているか?
気分が変化する時間はあるか(自宅にいて落ち込む・不安でソワソワする・人と接していてイライラするなど)?
楽しみやくつろぎを感じる時間があるか?
なども大切な要素です。

今回のまとめ

みなさんいかがでしょうか?今回は、復職をするために生活習慣を整えることが重要であることについて解説をしました。

解説することは簡単ですが、自分の(生活)習慣を変えることは難しいことです。

お一人で悩まず、是非専門的な医療機関にご相談ください。

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。