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公開日: |更新日: 復職デイケア復職支援プログラム

「生活体験プログラム」のご案内

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目次
ペーパーアート
壁画づくり
まとめ

ペーパーアート

プログラムの目的

心の病気で億劫で何もやりたくない、何をしていても続かないといったことが生じます。そういった方でも、自分のペースで継続して作品の制作に取り組むことで、忍耐力をみにつけ、集中力を取り戻すこと。

一日だけではなく日にちをかけて一つの作品を制作することで、出来上がった時の達成感を味わうこと、一つの達成感を積み重ねて自分にもやれるという自信につなげていくこと。

他のメンバーやスタッフと一緒に制作することで、意見を出し合ったり感想を話し合ったりというコミュニケーションが取れるようになること。

自分のできたことを認め、他の人の作品を認めたり、人から認めてもらえる体験ができ、自信につなげていくこと。

内容

毎週火曜日10:30~11:30までデイケアのフロアで行っています。

まずは挨拶。挨拶もとても大切です。これから一緒に制作作業をする仲間と、きちんと挨拶をしあってから始めます。

作品の下絵は、自分が作りたいキャラクター(アニメ・スポーツのチームキャラ・ご当地キャラ・動物など)を選びます。この選ぶ作業も、出来上がった時を想像しながら、自分の好きなキャラを選ぶ過程にワクワクします。

選定したら下絵をコピーし、部品を作っていきます。この部品も小さく切った折り紙をつまようじで丸めて棒状にしたあと、下絵に合わせて大きさを調整しながら貼り付けていきます。

かなり根気のいる作業ですので、出来上がるまでには少々日数がかかります。その分、出来上がった時の達成感は大きいものがあります。

時間になったら、全員に作業報告(作業の過程・自分の工夫など)をしてもらってその日の作業は終了です。

一日でできる作業は限られていますが、継続して毎週行っていくうちに、だんだんと出来上がっていく過程が楽しめます。

一つ完成した時点で、参加者同士で見てもらい、デイケアフロアに展示してもらっています。その作品を観ながら、プログラムに参加していないメンバーさんとも交流のきっかけになることがあり、会話が自然に生まれます。

もちろん作業中にも、どう工夫したらよりきれいに作品ができるのか、と相談しながら行うので、会話が苦手な人も自然に会話に加わることができ、コミュニケーションの練習の場にもなります。

壁画づくり

目的

一つの作品を他者と協力し合いながら作り上げることで、他人と協力する練習をすること。

話し合いながら進める必要があるため、コミュニケーションの練習になること。

大きな作品を数週間に分けて取り組み、出来上がった達成感や喜びをメンバー間で共有すること。

一定期間出来上がったものをデイケアフロアに貼り出すので、季節の話や感想を参加していないメンバーさんとも会話でき自然とコミュニケーションが生まれ、コミュニケーションの苦手な人が練習できる。

内容

毎週木曜日13:15~14:30までで数回に分けて制作し、火曜日のペーパーアートとの大きな違いは、一つの作品をスタッフやメンバーで協力し合って作り上げるというものです。

協力し合うため、メンバー間で誰がどこまで分担するのか、どうやって作成していくのかを相談しあい、コミュニケーションをとりながら進めていきます。

制作しながらこの季節にはこんなことがあった、あんなことをやった、など不思議に自然と話が弾み、約一時間があっという間に過ぎます。

かなり大きい壁画制作なので、数週間かけ、徐々に出来上がっていく感じも楽しみにでき、完成した時の喜びはひとしおです。その喜びを自分一人だけではなく、他メンバーと共有できるというところもよいものです。

参加は誰でも自由なので、調子が悪い時には無理をせず休むこともでき、みんなで制作するものではありますが、自分の調子に合わせて参加ができます。

絵を描くだけではなく、折り紙を使って貼ったりするので、絵が得意な人も、そうでない人でも楽しく参加ができます。

また、得意なことだけに取り組むのではなく、苦手なことにも関心を持ち、とりあえずうまくいかなくてもやってみようと思えることも大切なことです。

まとめ

生活体験プログラムでは、自分のペースで継続して作品の制作に取り組む中で、忍耐力や集中力を取り戻し、作品を作り上げる達成感を味わっていきます(達成感を生活の中で味わうことは治療上とても重要です)。
壁画づくりでは、一つの作品を他者と協力し合いながら作り上げる中で、メンバーで協力し、出来上がった達成感や喜びを共有する体験を味わっていきます。

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。