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2014.10.06 アサーション

ストレスを減らすコミュニケーションスキル

私たち自身が相手にいいづらいことや耳が痛いことを伝えようとするとき、どのようにしているでしょうか?

相手のここが悪い、自分のここが至らないからダメなんだ、など相手を責めたり自分を責めたりすることがよくおこります。

そうすると、伝え方としては相手をただ批判するだけに終わってしまったり、相手に悪いという思いが強いと伝えかたが弱くなったり曖昧になり、本当に伝えたいことが伝わりません。
その結果、コミュニケーションがずれてしまったり、問題が解決しなかったり、大きくなっていきます。

このように、対人関係がきっかけでストレスがかかり落ち込んだり、不安になったりすることは少なくありません。

こんなことを言ったら人間関係が悪化するのでは、などと思って言いたいことを飲み込んでしまう。反対につい頭ごなしに怒鳴ってしまった、言い方がきつくて相手を傷つけたり萎縮させてしまった、など人間関係がストレスになり、問題が解決出来ない状態が続くと、体や心の不調をきたします。

つまり、コミュニケーション上のストレスが対人関係のストレス、体や心の不調に繋がっていきます。

コミュニケーションを適切に取れるようになると、自身のストレスを減らし、対処の仕方に自信が持てるようになります。
コミュニケーションの取り方や、自己表現の仕方を見直し、伝えたいことを伝わるように話すコミュニケーションのスキルに「アサーションスキル」と言うものがあります。

「アサーション」は、自己主張と訳されますが、一方的に自分の意見を押し通すことがアサーションではありません。
「アサーション」とは、自分も相手も尊重しながら自分の要求や意見を誠実に、率直に、対等に伝えるコミュニケーションのスキルです。
<歴史と背景>

アサーションは、1950年代にアメリカの心理療法の一つである行動療法に始まり、60年代から70年代にかけての人権擁護運動の思想と理論を土台として発展してきました。
現在は、欧米に限らず日本においても企業のマネジメント、新人教育、学校教育、医療現場など広く活用されています。最近ではストレスの耐性をアップさせる、うつを予防するためのメンタルヘルスの分野でも注目されています。

「アサーション」は、現在の自分のコミュニケーションパターンに気づき、コミュニケーションの仕方(行動)を変えていくことを目指します。とはいっても、長年身に付けたパターンを変えていくことはなかなか難しいことです。繰り返し練習し、適切な自己表現の方法を身に付けていくことが大切です。
また、少しずつアサーションスキルについてのご紹介をしていきたいと思います。

参考書籍
・アサーティブネスのすすめ
・それでも話し始めよう
アン・ディクソン

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。