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できるだけ薬に依存させない治療。あらたまこころのクリニックオフィシャルブログ

アルコール依存症のお薬
「セリンクロ」の勉強会を行いました

カテゴリー: アルコール依存症 | 投稿日: 2019-11-20

11月11日(月)、当院で、アルコール依存症のお薬:飲酒量低減薬「セリンクロ」について勉強会がありました。

⦁ アルコール依存症とは

アルコール依存症とは、習慣的な多量飲酒により脳が障害され、自分の意思ではお酒の飲む量、飲む時間、飲む状況といった「飲み方」をコントロールできなくなる病気のことです。病気が進行すると、毎日の生活は、飲酒中心となりやがて身体、社会、精神的な問題を併発しながら徐々に悪化していきます。
しかし、飲酒をコントロールできないのは、「意思が弱いから」や「だらしない性格」なのでなく、依存症という「病気」の症状です。

⦁ アルコール依存症の治療

アルコール依存症の治療目標としては、「断酒」が基本です。しかし、長年飲酒を続けてきた生活パターンを一人で変えていくことはとても困難です。同じ問題を抱えて通院している仲間とともに、専門的な治療を受け、断酒生活に取り組んでいくことが大事になってきます、
当院では、アルコール依存症の方に、薬物療法、デイケア、グループ療法を通して回復のサポートを行っています。

薬物療法 アルコールの分解が抑えられ、少量の飲酒でも悪酔いの状態になる薬(抗酒剤)などを用いて、断酒のサポートをします。
デイケア 同じ病気をもつ仲間と共に生活をすることにより、日常生活能力の向上や社会復帰を目指します。
グループ療法 アルコール依存症を正しく理解し、再飲酒を予防するための治療教育や、自らの体験を語り仲間の体験を聞くことで今までのアルコールの問題を振り返るグループミーティングを行います。その中で、自分が今後どのようなアルコール無しの生活をつくっていくかを考えます。また、自助グループの方(断酒会、AA)の方に来ていただき、体験談等を語っていただきます。
SMARPP アルコール依存症のための認知行動療法のプログラムです。ワークブックを用いながらアルコールの問題について仲間と意見を交換しながら理解を深めていきます。学習に加え、自分自身の今までを振り返り、現在の生活について考えていきます。
内容:アルコール依存症の病気について
アルコールによって引き起こす身体症状について等

こうした治療を継続し、アルコールの問題を克服して健康な生活をされている患者さんはたくさんおられます。
ただし、中には、軽症で断酒治療には抵抗がある方や、断酒が必要でも様々な理由で断酒治療が難しい方もみえます。

⦁ アルコール依存症の新しいお薬「セリンクロ」とは

軽症で断酒治療には抵抗がある方や、断酒が必要でも様々な理由で断酒治療が難しい方が治療をすすめるための第一歩として、新たに飲酒量低減薬(セリンクロ)が治療の選択肢に加わり、2019年3月より治療薬が開始になりました。

セリンクロとは、

⦁ アルコール依存症と診断され、治療の意思のある患者さんに処方されるお薬です
⦁ 飲酒量を減らす(節酒、減酒)ためのお薬です

セリンクロは、全てのアルコール依存症の方に適応するわけでなく、治療を開始するにあたっては医師の診察による判断が必要です。また、セリンクロの副作用で、胸のむかつき(悪心)やめまいなどが見られることがあるため、飲み方について医師や薬剤師の指導を守っていただくことが大切です。

断酒による治療が必要となる方
⦁ 入院による治療が必要な方
⦁ 日常生活に支障をきたしている方
⦁ 健康状態が重篤な方
⦁ 緊急な離脱症状の治療が必要な方
セリンクロによる治療(節酒、減酒)が適している方
⦁ 仕事・家庭生活が安定している方
⦁ 身体症状や精神症状が軽度で、外来で治療が可能な方
⦁ 飲酒量低減治療への意欲のある方

やはり、アルコール依存症の治療は、「断酒」が基本ではありますが、軽症で、合併症などがない場合では、飲酒量の低減で症状が改善することがありますので、アルコールの問題が気になっている方は、是非一度、医師にご相談ください。

9月のトラブル!?
不登校や引きこもりのお子様の事で悩んでいませんか?

カテゴリー: ひきこもり・不登校 | 投稿日: 2019-10-02

9月になりました。1991年開設以降、長年クリニックで診療していると、9月は、メンタルヘルスでは3つのトラブルがあります。

1つは、秋バテです。

睡眠が大きく関わっています。不眠で悩む患者様が、増えてきます。日本睡眠学会では、93日は、「睡眠の日」(318日と合わせて年に2回)と決め、睡眠健康週間とし、良質な生活を送るため、睡眠の啓蒙活動を行っています。

「朝早く目がさめて眠れない」「朝起きられない」「夜途中で覚める」など睡眠が乱れてきます。夏の疲れが出て、調子が出ないこともあります。「秋バテ」と呼んだりします。

2つは、環境の変化です。

社交不安障害やうつ病、適応障害の人に多いのですが、新しいプロジェクトや人事が始まり、自己紹介や会議が増えて、職場の対人関係が苦痛になり、再発することがあります。

3つめは、子どもさんが夏休み明けに学校に行くのが、つらくなり、9月は最も危険な時期です。お母さんが、うつや不安になります。

子どもさんもお母さんも、どうして良いか困っていませんか?
―グループ療法があります―

あらたまこころのクリニックでは、女性のうつ病の治療に力を入れていますが、家族問題、特に子どもさんの不登校や引きこもりの問題で悩むお母さんが多く、子どもさんの不登校や引きこもりの問題を解決するようなプログラムをグループで行って、お母さん(女性のうつ病)が良くなるということは、多くみられます。

どうして、不登校が、長く続くの?
―悪循環に気づこう―

うつや不安が強くなると、自分のやってきたことに自信が持てなくなったり、自分を責めてしまったり、将来のことをあれこれ考えてしまうことが多くなります。ですから、ご家族に、引きこもりや不登校などの問題がある場合、自分の対応が悪かったんじゃないかと不安になり、自分を責め、ますます対応に自信が持てなくなってしまうことがあります。そして、子どもの問題がまるで自分の問題かのように感じ、問題が起こらないように先回りをして問題を防ごうと一生懸命になったり、家族の尻拭いをしたりしているうちに、家族の問題に巻き込まれてしまい、悪循環となってしまうのです。

また、子どもの引きこもりや不登校の問題は、周囲の人に相談しづらいこともあり、一人で抱え込んでしまったり、混乱してしまい、知らず知らずのうちに問題に巻き込まれてしまうことが多くなります。

このような悪循環の状態から一歩抜け出し、問題解決に取り組むためには、まず、状況を整理し、問題の理解を深め、自分自身が健康を取り戻し、変わっていくことが大切です。

どんな風に良くなるのでしょうか?

今回は、お子さんの「ひきこもり」や「不登校」の問題に悩む方を対象に、お母さんがどんな風に接したら良いか等を学ぶ、8回で行うプログラムを紹介します。
このプログラムでは、子どもの発達や思春期に見られる心の病気、お子さんとの適切なコミュニケーションなどについて学びながら、お母さん自身の考え方や行動を変え、こころの元気を取り戻していくことを目的としています。

第1回 問題の理解を深める① 子どもの発達について
第2回 問題の理解を深める② 思春期によく見られる病気について
第3回 子どもの行動を理解する
第4回 コミュニケーション①
第5回 コミュニケーション②
第6回 先回り・共依存について
第7回 自分の生活を豊かにする
第8回 振り返りとまとめ

まとめ

9月は、夏の疲れが出たり、季節の変わり目で睡眠に影響が出たりしやすい時期ですが、なんといっても、学校が始まって、お子さんが不登校や引きこもりになったり、そのことで悩むご家族の方の抑うつ症状が強くなったりしやすい時期です。

当院では、お子さんの不登校や引きこもりで悩むご家族の方の支援を行っています。家族だけで抱え込まず、是非、医師やスタッフにご相談ください。

パニック障害の治療2

カテゴリー: パニック障害 | 投稿日: 2019-08-27

~苦手な状況を克服しよう~
恐怖・不安で避けていた状況にあえてチャレンジし、恐怖・不安に自分を慣らしていく治療を、状況曝露と言います。苦手なものの中でも、不安の低い課題から始め、徐々により不安の高い課題へと曝露していきます。曝露では、不安が一気に高まった後に、徐々に不安が下がっていくその不安の変化を最後まで体験することが大切です。

●段階的曝露療法のステップ
1.曝露課題を決める
できそうな自信が75%の課題に取り組みましょう。75%は、やればできそうだけど簡単ではない課題、あるいは、恐いけど頑張ればなんとかやれそうな課題です。合わせて、どの安全保障行動をやめるか決めておきましょう。

2.曝露課題を実行する。
不安が30%に下がるまで、逃げ出さず不安場面にとどまりましょう。不安は30~90分で自然に減少します。呼吸法や3コラムを使ってもかまいません。不安が30%まで下がったら次の課題に進みましょう。

●曝露を効果的に行うために・・・
□一人で毎日できるものにしましょう
毎日継続することで効果が上がります。また、日常生活の中でやりやすいもの、お金がかからないものを選択すると毎日取り組みやすくなります。
□不安な時こそトライ!
不安が出てきた時は、それを乗り越えるチャンスです。不安が強いものほど、長時間、繰り返し曝露しましょう。
□自分を褒めましょう
曝露後は、自分をほめ、自分にご褒美をあげましょう(美味しいケーキを食べる、ちょっとした買い物をするなど)。

曝露療法は、パニック障害の治療に非常に効果がある反面、無理にチャレンジすると、逆に症状が悪化してしまう恐れがあります。曝露に取りくむ際には、専門の治療機関とよく相談しながら進めてください。

~再発を防ぐために~
●身体感覚過敏(これが、パニック障害が完治するかどうかの最も大切なポンイトです)
パニック障害の方は、動悸やめまい、はきけなどの身体感覚に不安を感じやすいと言われています。不安や緊張を覚えたときや運動をしたときなどに動悸、めまい、はきけなどは正常な反応として起こりますが、パニック障害の方は、これらを実際以上にはるかに危険と考えてしまいます(破局的認知)。身体感覚に対する破局的認知が進むと、身体感覚を恐れるようになり、自分の身体に注意を向けるようになり、その結果、ささいな身体感覚にも敏感に気づくようになります。

●身体感覚曝露の練習(これを続けると、徐々に完治に向かいます)
身体感覚曝露では、パニックのときと同じ身体感覚を意図的に再生することにより、不安が自然に落ち着くのを体験し、身体感覚に不安になっても自分は安全であるということを学びます。また、身体感覚曝露を行うことにより、再発も起こりにくくなります。
ただ、状況曝露と同じように、パニック障害の治療に非常に効果がある反面、無理にチャレンジすると、逆に症状が悪化してしまう恐れがあります。身体感覚曝露に取りくむ際には、パニック障害の専門の治療機関(実際に身体感覚曝露の治療実績のある医師や心理士)とよく相談しながら進めてください。

パニック障害の治療1

カテゴリー: パニック障害 | 投稿日: 2019-08-27

~認知再構成~

●考え方が不安を引き起こします
パニック障害の人は、苦手な広場恐怖の状況に対して、「逃げられない」「死んでしまう」など、破局的に考え、不安になってしまいます。例えば、パニック障害のある人は、混雑した映画館に行くと、「パニック発作になって外へ出られなかったらどうしよう!」と考え、不安になってしまいます。一方、パニック障害のない人は、状況は同じにもかかわらず、不安になっていません。パニック障害の人が不安になるのは、状況を破局的に捉えてしまうからなのです。

●考え方の幅を広げる
広場恐怖の状況や身体感覚に対して、破局的に考え不安になったとしても、不安を和らげるような別の考え方が出てくるようになると、少しずつ不安は下がっていきます。このように、考え方の幅を広げていく治療法を、認知再構成と言います。
ただ、別の考え方を出すというのは簡単なことではありません。そもそも、自分がどんなことを不安に感じているのかを整理することも、また大変なことです。
当院では、パニック障害の集団認知行動療法を行っています。一人では大変なことでも、スタッフや参加メンバーと一緒に身に着けていきましょう。

~不安階層表を作ろう
(少しずつ、チャレンジしよう)~

目標をより簡単で小さな段階に分け、少しずつ目標を達成できるようにステップを作っていきましょう。ステップは不安の低いものから高いものまで、段階的に作ります。あなたの不安の程度を0~100(0:全く不安がない、25:不安だが生活の妨げにはならない、50:中等度の不安があるがその場にとどまることができる、75:不安が強くその場にとどまることができない、100:最高の不安)で表し、不安な順番を100点満点の階層でつけてみましょう。以下の例を参考に自分自身の不安階層表を作ってみましょう。

※ステップ分けをするとき、自分にとっての変数を見つけるのがポイントです。何が変われば、あなたの不安は変わりますか?
①誰:誰と一緒か(人と一緒に行うのは最初の段階までにしましょう)
②何:どんな行動をするか
③時間:いつ実行するか
④場所:どこで実行するか
⑤長さ:どれくらいの時間実行するか

●次回は・・・
パニック障害の治療と再発の防止ついてお話します。

パニック障害の安全保障行動とは?

カテゴリー: パニック障害 | 投稿日: 2019-08-27

苦手な広場恐怖の場面に直面するのは、とても恐くて不安です。このため、不安を少しでも和らげるために、私たちは様々な行動をとることがあります。例えば、電車に乗る時は必ず薬を持つ、電車やバスでは必ずドアの近くに乗るなどがあります。このように不安になったときに自分を守ろうとしてとる行動のことを安全保障行動といいます。一見、薬を携帯することも、ドアの近くに乗ることも、日常生活の中で私たちが普通に行う行動に見えるかもしれません。しかし、安全保障行動は、もし、しなければ不安が大きくなってしまうところに特徴があるので、安全保障行動という専門用語がついています。しかし、その場は、何とかやりすごせても、長い目でみれば、パニック障害を長引かせてしまうことになります。

パニック障害の患者さんが、よく用いる安全保障行動
➢下のリストは、パニック障害の患者さんがよく用いる安全保障行動をあげたものです。あなたはどのような安全保障行動をしていますか?あてはまる項目にチェックをいれてみてください。


安全保障行動を続けていると、パニック障害が治らないのは、なぜ?

●安全保障行動をしたときの不安の変化


安全保障行動をすることにより、不安は急激に下がります。また、一時的に行動範囲も広くなります。
しかし、安全保障行動は不安を維持させます。安全保証行動に頼りきってしまうと、安全保障行動なしではいられなくなり、ないと不安な状態が持続してしまいます。
また、安全保障行動をしていると生活が不自由になります。例えば、本当は一人で自由に出かけたいのに出かけられないというふうに、生活が制限されてしまいます。

●安全保障行動をしなかったときの不安の変化

不安・恐怖の対象・状況に曝されるので、当然不安は高まります。しかし、不安はそのまま延々と高まり続けるわけではなく、ピークに達した後、しばらくするとゆるやかな下り坂で自然に弱まっていきます。さらに、2回目、3回目と不安・恐怖の対象・状況に曝していくうちに慣れが生じて、不安のピークそのものが徐々に下がるようになります。

過呼吸について

●過呼吸は不安症状を悪化させます

過呼吸によって生じる症状
十分に空気を吸えない感覚・めまい・ふらつき・離人症・心拍数の増大・しびれ・はきけ・筋肉のこわばり・胸の締付け・死んでしまうのではないかという感覚・コントロールを失ってしまう感覚など

このリストを見ると、過呼吸によって生じる症状は、パニック発作の症状と似ていることが分かります。そして、過呼吸によって生じた感覚を深刻な身体の異常と謝って考えてしまうと、不安が強まり、過呼吸が加速し、さらに症状が悪化するという悪循環が起こります。
過呼吸によって生じる身体感覚は不快に感じるかもしれませんが、決して危険なものではありません。身体症状は過呼吸をやめれば消えていきます。

●次回は・・・
パニック障害の治療についてお話します。