名古屋市/心療内科/精神科/うつ病/不安障害/瑞穂区/昭和区/天白区/南区/緑区/熱田区/日進市/中区/パニック障害/摂食障害/あらたまこころのクリニック

心療内科 精神科 医療法人和心会 あらたまこころのクリニック
〒467-0066
名古屋市瑞穂区洲山町1-49
TEL:052-852-8177

できるだけ薬に依存させない治療。あらたまこころのクリニックオフィシャルブログ

日本うつ病学会から表彰、下田光造賞のお祝い多くの患者様からお祝いとお花を頂きました!!

カテゴリー: うつ病と躁うつ病, 研修・学会, 院長のつぶやき | 投稿日: 2019-07-04


写真:加藤正院長先生とスタッフ一同

この度、小生、あらたまこころのクリニックの院長の加藤正が、日本うつ病学会から下田光造賞を受賞することになりました。7月5日(金)の日本うつ病学会総会(下田光造賞受賞講演ならびに表彰式)に参加するため、あらたまこころのクリニックの診療は勝手ながら休診となります。そのことを、通院されている患者様にお伝えしたところ、大勢の患者様からたくさんのお祝いのお言葉やお花を賜りました。面映ゆいやら照れるやら、恥ずかしいやらですが、ご厚意に甘え、いただいたお花をスタッフ一同で囲み記念写真を撮らせていただきました。受賞もさることながら患者様からお祝いをして頂いたことが、何よりもうれしいです。

このような機会に際し、今回行った研究の概要(簡易的な概要)や研究と通ずる当院の治療理念を勝手ながらご紹介させていただきます。なお、学会、研究内容と難しい内容になってしまい、読みづらいこともあるかと存じます。何卒、ご容赦いただけますと幸いです。

 

日本うつ病学会ならびに下田光造賞とは?

 詳しくは、下記のURLよりご確認ください。

日本うつ病学会ホームページ

下田光造賞

 

今回の研究について(SUND研究)

 今回行った研究は“SUND研究(サンディー研究)”というものです(SUND研究について)。京都大学大学院医学研究科健康増進行動学分野教室のホームページにオープンで公開されています)。うつ病治療において、うつ病治療ガイドラインというものがあります。中等度以上の大うつ病治療において、特に急性期にはうつ病に対する薬物治療が治療の大きな柱となりますが、このガイドラインでは“うつ病の薬物療法は副作用に注意しながら最大量まで増量すること”が推奨されています(日本だけではなく、アメリカ、イギリス、カナダなどでも)。

しかし、実際の臨床現場にてガイドライン通りに増量したとしても、患者さんの立場からすると【薬剤は増えるばっかりで改善しない】【副作用も出ることがあるし、つらいことが多い】という印象を持たれ、うつ病治療から脱落してしまうことがあります。特に、急性期に脱落すると、患者様へのご負担はより大きいものとなります。

 こうした問題を日頃から疑問に思っていた「同志」がいました。そこで、京都大学の古川教授を中心に、東京大学、東邦大学、北海道大学、名古屋市立大学、広島大学、高知大学、久留米大学、熊本大学の9つの大学を拠点として、その周辺でうつ病治療に積極的に取り組んでいるクリニックと病院48カ所で、2010年から2015年の6年間に渡り、この問題を少しでも改善すべく調査を行いました。

6年間で、延べ2011人(世界第3位の大規模調査となりました)の患者様にご協力いただきました。また、投薬開始25週間後に、現状を教えて頂いた患者様が94.9%にも上りました。大うつ病治療においては、6ヶ月間は治療を続けることが大事です。これだけ多くの患者様とうつ病治療という協働作業を25週に渡って続けられたことは、当然、治療効果も良くなるので、うれしい限りです。このこと自体が、大うつ病治療のモデルになるのではないか?と期待しています。

 そして調査結果から考えられる結論は、「うつ病の薬(セルトラリン)最大量の量とその半分の量とでは、効果に差はない、つまり、半分量で効果がないなら、やみくもに増量しないで次の一手に移った方が良い」というものです(世界3位の大規模調査かつ25週の追跡率から、統計的にも、かなり重要な結論であると考えます)。

 

SUND研究と当院の治療理念

あらたまこころのクリニックは、「薬に頼りきらない治療」を進めています。「薬に頼り切らない治療」とは、どうしても薬を使わないといけない場合には、最低限の量で適切にうつ病(中等度以上の大うつ病など)の治療に効果的なやり方で、戦略的な薬物療法で乗り切り、改善まで行って、後には認知行動療法などで、慢性化や再発予防を防ぎ、「薬に頼らず」暮らしていくということを目標とする治療です。「薬に頼り切らない」というポリシーは、まさにこの度のSUND研究の目的や結論と一貫して通じるものがあると考えます。あらたまこころのクリニックはこの治療理念のもと、さまざまな活動をこれまでも行ってまいりました。

日本うつ病学会でも、2011年に「認知行動療法に基づく復職支援プログラム(リワーク)の取り組み―個人の課題に合わせたプログラム作り―」を発表。お仕着せのワンパターン化されたリワークプログラムではなく、うつ病で休職されている人が本当に必要とする役立つスキルを高めて、うつ病の改善と復職、再発予防、就労継続を図るというものです。

2014年には、名古屋市瑞穂区医師会休日診療所で、加藤が名古屋市の開業医向けに、「メンタルな病気と抗不安薬・睡眠薬との関係~何故ベンゾジアゼピン系の薬剤を手放せないのか?~」を講演しました。パニック障害や社交不安障害、不眠症の方が、安定剤や睡眠薬の依存になりやすいので、その予防と薬以外の認知行動療法など対策の啓蒙活動をしております。

2018年には、愛知精神医療フォーラム(日本精神神経学会や愛知県内の重鎮の先生も出席される)で、「うつ病、社交不安障害などを持続、増悪させる考え込み(反すう)を改善するチーム医療-「薬に頼りきらない」治療をもとめて」というテーマで講演させて頂きました。

これからも「薬に頼りきらない治療」を治療理念とし、患者様と一緒に治療を進めていきたいと思います。

今後の注目点 ~次の一手を考える、
セカンドライン(切り替え)を上手く工夫する~

 現実には、中等度の大うつ病の人の場合には、役に立つと思われる薬を適正に服用していても治らない患者様もいらっしゃいます。例えばジェイゾロフト、レクサプロ、イフェクサーなどがあげられます。その時々の流行がありますし、確かに役に立つ薬だとは思いますが、それだけ服用していれば治るというわけでもないようです。例えば、アメリカのNIMHが30億円かけて実施したSTARD研究では、最初の薬(ファーストライン)で寛解(うつ病症状の半分改善した状態)するのは、多くても半分と言われてきました。このような場合、次の一手(切り替え、セカンドライン)が必要になってきます。しかし、薬剤を増量するのか?他の薬剤に変薬、または増強するのか?そのタイミングはいつが良いのか?といった疑問が残ります。これらの点は大うつ病治療戦略では、極めて重要です。それは、大うつ病治療において、急性期の治療が後々とても重要になるからです。この点に関しては、また今後お話させていただきたいと思います。

 

まとめ

・MANGA(マンガ)研究で、2010年当時、有効性と忍容性のバランスで最適のうつ病薬とされたジェイゾロフト(セルトラリン)で1日50mgと100mg使用しても、治療効果に差はない。50mgが適正量である。

・最初のジェイゾロフト(セルトラリン)が効果不十分である場合、3週間でミルタザピン(レメロン、リフレックス)に増強又は変薬すると、効果が10%改善する。ミルタザピンもMANGA研究で、有効性は最も高いとされているが、忍容性にやや劣る。

・切り替えは9週よりも3週の方が、治療効果は高い。切り替えは早い時期の方が良いかもしれない。

 

大うつ病の治療における薬物療法において、うつ病の治療ガイドラインよりも低用量で高用量と同等の効果が実証され、改善されない場合には、薬剤を増量するのではなく、切り替え(セカンドライン)を工夫することが副作用を減らし治療効果を高めることが実証されました。これらは、一貫した「薬に頼りきらない」治療戦略を支えるに研究となりました。

 

                                     院長:加藤 正

行動することは、重要!?

カテゴリー: その他 | 投稿日: 2019-04-27

4月に入り、新しい環境の中で忙しく過ごしているうちに、夜眠れなくなり、朝が来ても何もやる気がしないなどでお困りの方はいませんか?

 そのような状態が続くと、何かをするという行動が止まってしまいます。

  

誰にとっても、嫌なこと、つらいことからは避けたいものですよね。

しかし、ここには“トラップ(TRAP)”が潜んでいることがあります。

TRAPとは

Trigger=きっかけ、

Response=きっかけに対する反応、

Avoidance Pattern=回避パターン(避ける)    のことを指します。

例えば…

 このような状況では、確かに上司Aには資料を見せたくなくなるかもしれません。

しかし、その結果、仕事が進まなくなり、仕事がたまり、さらに指摘を受ける機会が増えることになるともっとつらくなるかもしれません。

 回避をすることは、一時的にはつらいことから避けられても、長期的にもっとつらい状況を作ってしまうことがあるかもしれません。

 まさに“トラップ(TRAP)”ですね。

 では、どうするか…?“トラック(TRAC)”を意識することが重要です。

 TRACとは

 Trigger=きっかけ

  Response=きっかけに対する反応

  Alternative Coping=代わりの対処行動      のことを指します。

 言うほど簡単ではない!と思われてしまうかもしれませんが、代わりの行動を選んで、実施することがTRAPから抜け出すためには重要であると考えられています。

 「行動を起こしたいけれども、自信がない…」「やる気があれば…」と思われるかもしれません。

 一方で、「やってみたら意外とできて、自信になった」「やっているうちにやる気が出てきた」このような体験はないでしょうか?

 自分にとってポイントとなる行動を探し、実行することで、“自信”や“やる気”が湧いてくることがあるかもしれません。

 「自分にとってポイントとなる行動は何か?」「行動起こすといっても難しい…。」と、お困りの方は、まずは専門機関にご相談いただくことをおすすめします。

その悩み、「社交不安障害」かも?

カテゴリー: 社会不安障害 | 投稿日: 2019-04-27

当院には、いろいろな悩みや困りごとで受診していただいていますが、中でも実は比較的多いのが、「社交不安障害」の悩みや困りごとです。

以前の記事にも書いたのですが、春は変化の多い時期で、特に人と接する機会が増えたり、人前で発表する機会が増えたり、新しい人間関係を構築していくことも多くなるかもしれません。こうした中で、少しずつ「社交不安障害」の症状が強くなっていくということがあります。

社会不安による心と体の反応

山田和夫監修“よくわかる社会不安障害” 主婦の友社 p.17 より引用

社会不安障害のさまざまな不安と恐怖

   

山田和夫監修“よくわかる社会不安障害” 主婦の友社 p.15 より引用

家や休みの日でも、考えが浮かび、つらい

山田和夫監修“よくわかる社会不安障害” 主婦の友社 p.19 より引用

社会不安障害とうつ病は合併しやすい

山田和夫監修“よくわかる社会不安障害” 主婦の友社 p.46 より引用

  • 「社交不安障害」は「性格だから治らない」!?

社交不安障害の方の中には、「性格だから治らないのでは」と感じられている方はたくさんみえます。というのは、社交不安障害は、思春期、つまり人生の早い段階で発症することが多く、そのために、「昔からこうだから今さら治らない」と感じられることも自然なことかもしれません。また、「こんな風に悩んでいるのは私だけだ」と孤独感を感じたり、ただただひたすら耐えてきた、という方も多いです。「こんなことを相談しても良くならない」と思って、治療を諦めてしまう方もいるかもしれません。

しかし、社交不安障害は、治療すれば良くなる、病気です。現在は、薬物療法や認知行動療法などの心理療法が有効とされており、それらを組み合わせることでより高い治療効果が期待できます。

  • 社交不安障害の悪循環とは?

社交不安障害では、苦手な対人場面に直面した時に、恥をかいたり失敗するイメージが勝手に浮かんできて、それを周りの人から「変な人」「ダメなやつ」などと否定的に評価されるのではないかと不安になります。

特に、自分の体や自分のふるまいばかりに注意が向いてしまう症状(「自己注目」と言います)や、不安を下げるためにするさまざまな行動(「安全保障行動」や「回避」と言います)は社交不安障害に特徴的で、これらによって悪循環となってしまいます(詳しくは実際の治療の中で順に説明していきます)。

 このように、社交不安障害では悪循環が生じるため、「場数を踏めば慣れる」ということが無く、症状が続いたり、ひどくなってしまうのです。

★おまけ★

社会不安障害の有名人

幼少の頃から吃音症を患っていた。 しかし、1人では話すときや録音するときは、流暢に話す。 「吃音」は、社会的な行事や社交場に限られている。 兄にからかわれることもあった。 第2次大戦の時、ヒットラーに屈せず、英国王として国民や世界の人を鼓舞する演説する必要に迫られた。 オーストラリア人セラピストの治療を受け呼吸法の訓練をうけほとんどつかえることなしに話すことができるようになった。  
イギリスの 女性児童文学作家
小学校のとき、厳しい学校への転校をきっかけに、対人緊張・恐怖感などの社会不安障害の症状が出始める。中学時代にはクラスの前でのスピーチで緊張し「吐いてしまったらどうしよう」と思ったら急に気持ちが悪くなり皆の前で吐いてしまう。
また、離婚により、一時はうつ状態になり数ヶ月間の治療を受けています。  
 
 

パニック発作とは?

カテゴリー: パニック障害 | 投稿日: 2019-04-27

寒暖の差が激しい季節となりました。新年度も始まり、慣れない環境の中で、動悸や息苦しさで体調を崩されている方が多くみられます。

そこで、本日は“パニック発作”について、お話させていただきます。

みなさん、日常で“パニック”という言葉を使うことはありませんか?

“パニック”という言葉は、一般的に、不安や恐怖で、頭が混乱したときに使われる心の状態を表す言葉です。

パニック発作とは、あるとき当然、激しい不安・恐怖感とともに、動悸、発汗、震え、呼吸困難、胸の圧迫感、吐き気、めまい、ふらつき、手足のしびれなどの身体症状が起こる症状のことをいいます。パニック発作は突然に起こり、10分以内にピーク達して、通常、20~30分くらいで治まります。

かの有名なチャールズ・ダーウィン(イギリスの自然科学者:1809~1882年)

ですが、調査のための航海中に、心臓を針で刺すような痛みを感じる事に始まり、後に疲労が激しく、動悸、めまい、吐き気、嘔吐、体の震えなどパ二ック発作のような症状が頻繁にあったという話があります。

「パニック発作」と「パニック障害」はどう違うのでしょうか?

パニック発作後、「また発作が起きるのではないか」と心配するようになり、予期不安が出てきた場合、パニック障害と診断されます。つまり、パニック障害は、病名ということになります。パニック発作だけなら、パニック障害と診断されません。

 つまりパニック発作だけなら、ストレス場面、社会場面が苦手な方なら社会場面でも生じます。

しかしながら、パニック発作が生じているときに、パニック障害なのかどうかを自分で判断することを非常に難しいと思います。

パニック発作でお困りを持たれている方は、医療機関にご相談ください。

次回の身体感覚曝露訓練日程決定!(パニック障害治療)

カテゴリー: パニック障害 | 投稿日: 2019-03-13

パニック障害治療において、重要な治療手段である“身体感覚曝露訓練”。

当院では、3ヶ月に1回、集中的に訓練を行っています。
次回の身体感覚曝露訓練の日程が決まりましたので、告知させていただきます 。

- 身体感覚曝露 -

~苦手な身体感覚を再生しよう~

パニック障害・嘔吐恐怖という疾患は、動悸、めまい、吐き気などの身体感覚に不安を感じやすくなります。身体感覚曝露では、苦手な身体感覚を意図的に再生することにより、不安が自然に落ち着くのを体験し、身体感覚に不安になっても自分は安全であるということを学んでいきます。


※ 参加希望の方はまず医師・担当スタッフにご相談ください。
動きやすい靴や服装を着用ください(ハイヒールやスカート等はお控えください)。
※ 終了後、診察を受けていただきます。
※ 前日はしっかり睡眠、食事を取ってください。当日、前日が体調不良の方は、見学していただきますので、ご了承ください。

医療法人 和心会 あらたまこころのクリニック


ご興味がある方は、まずは医師にご相談ください。



◇過去の身体感覚曝露訓練(パニック障害治療)についてのブログもご参照ください。

苦手な身体感覚を克服するのが肝!?(パニック障害の治療)

苦手な身体感覚を克服する練習(パニック障害の治療)

身体感覚に曝露するとは?(パニック障害)

苦手な身体感覚を克服する パニック障害の治療