あらたまこころのクリニック「治療法について」ページ

2020.06.01 その他

薬に頼り切らない治療② パニック障害

薬に頼り切らない治療② パニック障害

【目次】
パニック障害とは?
パニック障害に対する薬に頼り切らない治療って?
パニック障害に対する薬に頼り切らない治療はなぜ重要なの?
今回のまとめ

はじめに

  あらたまこころのクリニックは薬に頼り切らない治療の実現を理想とし、日々診療を行っています。
患者様の中には「自分の症状に当てはめるとどうなるの?」「自分の困りごとでも薬に頼り切らない治療は可能なの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 そこで、今回はあらたまこころのクリニックが大切にしている薬に頼り切らない治療について、パニック障害を例に詳しく解説していきます。

パニック障害とは?

  パニック障害とは不安障害の1つです。
不安障害とは、ある状況で不安が過剰に働くことによって、ドキドキ、息苦しさ、冷や汗、過呼吸といった身体症状が出現するので、その状況を避けることによって生活が制限されてしまう疾患です。

   パニック障害は、パニック発作(動悸、息苦しさ、過呼吸、めまい、浮遊感、自分をコントロールできない感じ、死ぬことへの恐怖など)がある日突然起こり、
その後、“また発作が起こるのではないか?”と不安になり、
パニック発作が生じる状況を避けるようになる病気です。

 ある研究では、パニック発作自体は3人に1人が一生のうちに1度は経験すると言われていますが、それだけではパニック障害ではありません。発作に対して過度に不安になることで、生活に支障をきたすことで、パニック障害と診断されます。

パニック障害に対する“薬に頼り切らない治療”って?

 パニック障害に対する“薬に頼り切らない治療”を行うことになった事例をご紹介したいと思います。

 治療初期には、お薬でパニック発作や予期不安をやわらげ、生活を送りやすくすることを目指しました。

 ある程度症状が治まったところで、心理療法の割合を増やしていきました。
具体的には、不安との付き合い方、発作が生じたときの対処、回避をせずに生活を送る訓練などを行っていきます。

 あらたまこころのクリニックでは、パニック障害の患者様向けに、症状の理解や対処法の獲得を目指した、グループ療法を行っております。
繰り返し訓練して、日常生活でも実践することによって、“発作が生じても対処し、乗り越えられる”という経験を積んでいきました。

 そうして、“医師と相談しながら徐々に薬を減らし→生活の中でうまく過ごして→薬を減らし→…”という流れを繰り返していきます。

パニック障害に対する“薬に頼り切らない治療”はなぜ重要なの?

 パニック発作は3人に1人が一生のうちに一度は経験すると言われるほど誰にでも起こりうるものです。
よって、パニック障害の治療は、パニック発作が生じない事ではありませんパニック発作が治るとは、パニック発作が生じても自分で対処することができる事になります。

 それは、お薬に頼るという形でも可能かもしれません

 しかし、パニック障害でお困りの方がお薬のみに頼ると、お薬がないと不安になってしまいます。お薬を飲み忘れたり、持ち忘れることで不安が強くなり、パニック発作が生じる方もおられたそうです。
 これが続くと、「治っていない」「いつになったら治療が終わるのか」とまた新たな不安が出現するという悪循環が生じることがあります。

  このような悪循環を防ぎ、より良い生活を送ってもらうために、あらたまこころのクリニックでは薬に頼り切らない治療をおすすめしています。認知行動療法やパニック障害グループ治療です。

今回のまとめ

 今回はパニック障害に対する、薬に頼り切らない治療の概要について、説明しました。パニック発作は3人に1人が一生のうちに経験するとも言われるくらいありふれた体の反応です。なので、パニック発作が治る=パニック発作が生じても自分で対処することができることであると言えます。
 薬に頼り切らない治療を通して、自分で乗り越えるスキルを身に付けて行くことが重要です。

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。