あらたまこころのクリニック「治療法について」ページ

公開日: |更新日: 家族介入

テーマ 思春期親グループの取り組み

女性の「うつ」と「母親役割」の重荷を軽くしませんか?
30~50代の女性にとって、「家族に関すること」はストレスの原因になっています。

うつや不安障害、不眠で当院を受診される女性には、「母親」という立場の方が多くいらっしゃいます。そのような患者さんの、「母役割」から来る独特の家族の悩みに対して、当院では母親を対象とした集団精神療法(グループ療法)を行っています。家族の問題と向き合い、お母さん自身の物事の捉え方(認知)を変えていくことで、自分と家族に変化が起こってくることがあります。
グループの中では、同じような悩みを抱えているメンバーの中で、自分の悩みを話し、他の参加者の悩みを聞きます。また、家族との適切な距離や、子どもが話したくなる話の聴き方、子どもが受け取りやすい伝え方といったコミュニケーションスキルを一緒に学ぶこともあります。分かりやすく学んでいただくために、カードなどのツールを使うこともあります。

なかでも患者さんたちに人気なのが、このSPトランプです。
SP(サブパーソナリティー)とは、その人の持ち味や個性のこと。
トランプを使うことで、子どもや家族の目先の言葉や態度に振り回されず、客観的に自分と相手を見ることができます。

これまでSPトランプを体験したみなさんからは
「人間関係の解決の糸口を考えられた」
「見失っていた自分と子どものよさを見つめなおすことが出来た」
「自分の嫌いな部分が、自分のすべてではないと考えることが出来た。
悩んでいる息子にも、それがあなたのすべてではないよね、と伝えたら、
息子から珍しく『感謝します』とメールが来た」
といった感想をいただきました。

自分のことを知り、相手のことを理解する。
相手への接し方を工夫する。ひとりではちょっと難しくて苦しい作業です。
そんな作業も、グループの中で仲間と一緒にできるといいですね。

(心理士 野口)

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。