あらたまこころのクリニック「治療法について」ページ

2016.12.24 マインドフルネス

マインドフルネス認知療法の研修に参加しました

【目次】
研修のご紹介
レーズンエクササイズを行いました
おわりに

はじめに

平成28年12月20日、名古屋市精神保健福祉センターここらぼの認知行動療法研修「マインドフルネス認知療法」の研修に参加しました。

マインドフルネスは、ここ数年、テレビや本、雑誌などでよく取り上げられています。また、ビジネスの世界でも、googleなどで社員研修に取り入れられていることが知られています。

当院でも、2016年11月より、マインドフルネスのグループ療法を開始しました。

研修のご紹介

今回の研修では、広く精神療法のお話、マインドフルネスの効果研究のお話、さらに、後半ではマインドフルネスを実際に体験してみるワークもあり、盛り沢山の内容でした。

マインドフルネス認知療法の前身とも言える認知行動療法は、考え方や行動に焦点をあてて治療をすすめていきます。この認知行動療法が有効な患者さんもおられますが、中には、「頭では分かるけど…」と、なかなか症状が改善しない場合があります。

今回の講師、家接哲次先生(名古屋経済大学短期大学部)は、認知行動療法を長くされていましたが、こうした患者さんの治療に携わり、マインドフルネスを勉強されるようになったそうです。

今回のお話の中で、特に印象に残ったことについて書いてみたいと思います。

苦悩と苦痛は混同しがちである

苦悩=苦痛×抵抗」、「抵抗」というのは、回避したり執着したりすることです。苦痛がすごくあっても、抵抗しなければゼロになる。いったんあるがままに受け止めていくと心に余裕ができて全体を見渡せるようになっていくということでした。

苦しいことを避けたり何かに執着するのではなく、そうした気持ちに気づく。この「気づき」がマインドフルネスなんだと改めて思いました。

自動操縦状態とは

私たちの生活は、基本的にワンパターンで、「車に乗っていて、気がついたら職場についていた」など、ボーッとしていることも多いです。(こうした状態を「自動操縦状態」と言います。)このような状態では、反すう(否定的な考えが繰り返し現れること)になりやすく、心のエネルギーが浪費されてしまうとのことでした。

することモードとあることモード

私たちは日常、例えば、ご飯を食べているときにスマホを触ったり、テレビを見たりなど、同時にいろいろなことをすることが多いです。このように、同時に複数の課題をこなしていると、うまくいかずにイライラしたり、自動操縦状態になりやすくなります。
この状態を「することモード」と言い、それに対して、食べることなら食べること、お風呂ならお風呂というように、今この瞬間に注意を集中している状態を「あることモード」と言います。「あることモード」でいることで、反すうを防ぎ、気づきにつながっていきます。

「することモード」は、私たちが日常生活を送る上でとても大切ですが、こればかりでは心が枯れていくというお話でした。

レーズンエクササイズを行いました

最後に、みんなで輪になって「レーズンエクササイズ」を行いました。

レーズンエクササイズは、一粒のレーズンを掌において眺め、ゆっくり口に含み、見た目や匂い、触感、味、風味、のど越しなどを繊細に感じていくトレーニングです。日々の生活の中で無視されがちな微細な感覚を感じていく中で、マインドフルな状態を体験します。

このエクササイズは、マインドフルネスエクササイズで最も知られていると言ってもいいと思いますが、いざやってみると、いろんな気づきがあり、参加者からいろんな意見や質問が出ていました。

おわりに

当院でも、こうした研修で学んだことを、患者さんと一緒に実践していきたいと思います。
ご希望の方は、医師にご相談下さい。

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。