あらたまこころのクリニック「症状別のよくある質問」ページ

症状別のよくある質問 DISEASE FAQ

適応障害

ADJUSTMENT DISORDER

適応障害は、ガマンすれば治りますか?

 適応障害はストレスに耐える力を超える出来事が起きたときに発症します。つまり、ガマンの限界を超えたときに発症する疾患です。すでに限界を超えているため、さらに無理なガマンを続けると症状が悪化したり、他の疾患を発症したりする恐れがあります。

 困難なことやトラブルにぶつかってしまったとき「またやってしまった」「自分はダメな人間だ」と自分責めることがあるかもしれません。それは、自分なりに「どうにかしたい」と努力していることの裏返しです。「できない」自分を責めると余計に苦しくなり、客観的に考えられなくなり問題解決が遠のきます。「またやってしまった」の次に「じゃあ次はどうすれば良いのか」と前向きに考えましょう。「迷路に入り込んでしまったら、入り口を探すのではなくて、出口を探す」という言葉があります。「どうしてこうなったんだ」「自分が悪いからだ」と原因探しをするよりも、「では、とりあえずどうしよう」と考えてみるのも良いでしょう。会社でミスをする原因は「自分の能力不足」と思っていたけれども「仕事が多すぎる」のかもしれません。1人で抱え込みすぎていたのかもしれません。困ったときは人にSOSを送ることも大切なことです。医療機関では必要な治療を受けてどのような悪循環から適応障害を発症したのかを見極めて、対処スキルを身に着けていくことが、今後、その人らしい人生を送る力になると考えられます。問題解決療法なども良いかもしれません。

 自分に必要な助けを求めたり、治療につながったりすることもその人が持つ対処の力です。ぜひ一度、心療内科、精神科、こころのクリニックでご相談ください。

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。