あらたまこころのクリニック「症状別のよくある質問」ページ

症状別のよくある質問 DISEASE FAQ

適応障害

ADJUSTMENT DISORDER

適応障害と言われました。周囲の人にはどのように説明すればいいですか?

 適応障害が進む時には、つらい状況を周囲の人に打ち明けられず、目先の困りごとを何とかしようと頑張ってきたけど限界に来ているかもしれません。例えるなら、階段を上り続けてつらくなっている状態といえるかもしれません。階段には、必ず、平らな場所、踊り場があります。そこで、一息ついて、また上っていけます。もし踊り場のない階段を上っていたらどうなるでしょうか?同じ階段を上るにしても、そんなラセン階段を上っていくのと、踊り場のある階段を上るのでは、長い目で見れば、どっちが高いところまで上れるでしょうか?

 つらいときは周囲の人に打ち明けるのは恥ずかしいことではありません。案外、周囲の人も、つらそうにしている様子に気づいたけど、声をかけづらかったので、そのまま様子を見ていたとということもあります。打ち明けてみたら「よく打ち明けてくれたね、実は心配していたんだよ」と言ってくれるかもしれません。周囲の人も、どこまでが無理なのかを知ることは、一緒に仕事をしていく上で役立ちます。どこまでが限界なのかは、相手に言わなければ伝わりません。勇気を出してきちんと言ってみることをお勧めします。言ってみて無視されるようななら、その相手や場所は、自分には合わないと言うことがはっきりするので、そのときは別の方法を考えれば良いのです。AプランがダメならBプランがあります。具体的にどう説明するかは、医師とご相談のうえ、ご本人の意思を尊重して決めていただくことをおすすめします。当院のホームページに疾患についてまとめたページがあります。適応障害について書かれたページもございますので、ご自身の症状について理解を深めたり、状態について周囲の人に伝える際には、よろしければご参考ください。

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。