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治療法について TREATMENT

2014.12.08 薬物療法

薬物療法の勉強会を行いました

薬物療法の勉強会

薬物療法の勉強会

平成26年12月3日(水)に、睡眠薬の新薬「スボレキサント」の説明を、製薬会社のMRの方からお聞きしました。
院長・スタッフが参加し、従来の薬との違いを学びました。

私たちの眠りは、「覚醒」と「睡眠」の2つのモードの切り替えによってコントロールされています。
その切り替えは、脳幹にある「覚醒システム」と、視床下部視索前野にある「睡眠システム」が関わっています。

睡眠システムに関与しているのは、GABAという脳内に最も広く分布している神経伝達物質です。従来の睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系というGABAに作用するもの、つまり、「睡眠システム」に影響をする薬です。

しかし、この薬による眠りは、睡眠に関する機能だけでなく、筋緊張、記憶、運動能力などの機能も下げ、脳全体を鎮静させることでもたらされていました。そのため、翌日に影響する副作用が課題になっていました。

また依存が生じることや、服薬中断後にリバウンドの不眠が出現する(反跳性不眠)可能性もあるなどの問題点もあり、当院ではいつも処方には注意しています。

オレキシンによる覚醒と睡眠の制御

オレキシンによる覚醒と睡眠の制御

今回説明をお聞きしたスボレキサントは、「覚醒システム」のみを抑制する、という効果を持った薬ということです。

「覚醒システム」には、「オレキシン」という覚醒を促進する神経伝達物質が大きく関わっています。覚醒時には脳内に多く分泌され、覚醒システムを活性化させます。

スボレキサイトは、オレキシンの脳内への取り込みを阻害する作用があります。これにより、オレキシンによる覚醒システムの活性化を抑え、脳全体を鎮静化させることなく覚醒から睡眠へと切り替わり、生理的な睡眠に近い効果を得ることができる、ということでした。

睡眠薬の処方における、新しい選択肢が増えたことになります。まだ発売して間もない新薬であるため、すぐに飛びつかず、周囲の評価を参考にしながら慎重に処方を検討して行きます。

当院では、「薬だけに頼らない治療」を理念としています。しかし、それは薬を全く使わないと言うことではありません。

薬物療法の有効性を理解し、患者様の治療の役立つような、適切、最小限、依存になりにくい薬の処方を行うよう努力しております。
このような勉強の機会を大切にし、薬について最新の情報を集めて行きたいと存じます。

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監修

加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長/名古屋市立大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医
所属学会 / 日本精神神経学会、日本うつ病学会、日本嗜癖行動学会理事、厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
クリニック/名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。