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公開日: |更新日: 認知行動療法

不安とうつの統一プロトコル研修に参加しました

 9月18日(水)に新宿京王プラザホテルで行われた、「不安とうつへの診断を超えた認知行動療法研修:バーロウ教授による統一プロトコル研修」に参加しました。
 この研修は、国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター主催で行われました。当初100名の枠で募集をしていたのですが、参加希望が多く、枠を増やして、当日は120名ほどの参加となったようです。




 不安とうつの統一プロトコルは、「うつ病」や「パニック障害」、「社交不安障害」などの多くの認知行動療法の方法を1つに統一したもので、「感情」に治療の焦点を当てているところが鍵になっています。
 うつ病も不安障害も、悲しい・不安・恐怖といったネガティブな感情が強く出てきて、非常につらい思いをもたらします。また、動悸や息苦しさ、めまいなどの身体感覚で困ることも多いです。この統一プロトコルは、こうした感情体験と、それに伴う身体感覚・考え・行動への介入の仕方が明確にされており、現在も研究・開発中の最新の認知行動療法といえます。
 このプロトコルは、感情への気づき訓練、認知評価と再評価、感情回避と感情駆動行動(EDBs)、身体感覚への気づきと忍耐力、感情曝露などを含む8つのモジュールから成っています。研修では、感情への気づき訓練として音楽を聴くワークをしたり、息を吸ったり吐いたりを繰り返す、過呼吸のワークを行ったりもしました。患者さんそれぞれが、少しでもご自身のこころや身体の状態に理解を深めながら、回復を目指していくヒントが、たくさんつまった研修になりました。

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。