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できるだけ薬に頼らない治療。あらたまこころのクリニックオフィシャルブログ

8月, 2019年

パニック障害の治療2

カテゴリー: パニック障害 | 投稿日: 2019-08-27

~苦手な状況を克服しよう~
恐怖・不安で避けていた状況にあえてチャレンジし、恐怖・不安に自分を慣らしていく治療を、状況曝露と言います。苦手なものの中でも、不安の低い課題から始め、徐々により不安の高い課題へと曝露していきます。曝露では、不安が一気に高まった後に、徐々に不安が下がっていくその不安の変化を最後まで体験することが大切です。

●段階的曝露療法のステップ
1.曝露課題を決める
できそうな自信が75%の課題に取り組みましょう。75%は、やればできそうだけど簡単ではない課題、あるいは、恐いけど頑張ればなんとかやれそうな課題です。合わせて、どの安全保障行動をやめるか決めておきましょう。

2.曝露課題を実行する。
不安が30%に下がるまで、逃げ出さず不安場面にとどまりましょう。不安は30~90分で自然に減少します。呼吸法や3コラムを使ってもかまいません。不安が30%まで下がったら次の課題に進みましょう。

●曝露を効果的に行うために・・・
□一人で毎日できるものにしましょう
毎日継続することで効果が上がります。また、日常生活の中でやりやすいもの、お金がかからないものを選択すると毎日取り組みやすくなります。
□不安な時こそトライ!
不安が出てきた時は、それを乗り越えるチャンスです。不安が強いものほど、長時間、繰り返し曝露しましょう。
□自分を褒めましょう
曝露後は、自分をほめ、自分にご褒美をあげましょう(美味しいケーキを食べる、ちょっとした買い物をするなど)。

曝露療法は、パニック障害の治療に非常に効果がある反面、無理にチャレンジすると、逆に症状が悪化してしまう恐れがあります。曝露に取りくむ際には、専門の治療機関とよく相談しながら進めてください。

~再発を防ぐために~
●身体感覚過敏(これが、パニック障害が完治するかどうかの最も大切なポンイトです)
パニック障害の方は、動悸やめまい、はきけなどの身体感覚に不安を感じやすいと言われています。不安や緊張を覚えたときや運動をしたときなどに動悸、めまい、はきけなどは正常な反応として起こりますが、パニック障害の方は、これらを実際以上にはるかに危険と考えてしまいます(破局的認知)。身体感覚に対する破局的認知が進むと、身体感覚を恐れるようになり、自分の身体に注意を向けるようになり、その結果、ささいな身体感覚にも敏感に気づくようになります。

●身体感覚曝露の練習(これを続けると、徐々に完治に向かいます)
身体感覚曝露では、パニックのときと同じ身体感覚を意図的に再生することにより、不安が自然に落ち着くのを体験し、身体感覚に不安になっても自分は安全であるということを学びます。また、身体感覚曝露を行うことにより、再発も起こりにくくなります。
ただ、状況曝露と同じように、パニック障害の治療に非常に効果がある反面、無理にチャレンジすると、逆に症状が悪化してしまう恐れがあります。身体感覚曝露に取りくむ際には、パニック障害の専門の治療機関(実際に身体感覚曝露の治療実績のある医師や心理士)とよく相談しながら進めてください。

パニック障害の治療1

カテゴリー: パニック障害 | 投稿日: 2019-08-27

~認知再構成~

●考え方が不安を引き起こします
パニック障害の人は、苦手な広場恐怖の状況に対して、「逃げられない」「死んでしまう」など、破局的に考え、不安になってしまいます。例えば、パニック障害のある人は、混雑した映画館に行くと、「パニック発作になって外へ出られなかったらどうしよう!」と考え、不安になってしまいます。一方、パニック障害のない人は、状況は同じにもかかわらず、不安になっていません。パニック障害の人が不安になるのは、状況を破局的に捉えてしまうからなのです。

●考え方の幅を広げる
広場恐怖の状況や身体感覚に対して、破局的に考え不安になったとしても、不安を和らげるような別の考え方が出てくるようになると、少しずつ不安は下がっていきます。このように、考え方の幅を広げていく治療法を、認知再構成と言います。
ただ、別の考え方を出すというのは簡単なことではありません。そもそも、自分がどんなことを不安に感じているのかを整理することも、また大変なことです。
当院では、パニック障害の集団認知行動療法を行っています。一人では大変なことでも、スタッフや参加メンバーと一緒に身に着けていきましょう。

~不安階層表を作ろう
(少しずつ、チャレンジしよう)~

目標をより簡単で小さな段階に分け、少しずつ目標を達成できるようにステップを作っていきましょう。ステップは不安の低いものから高いものまで、段階的に作ります。あなたの不安の程度を0~100(0:全く不安がない、25:不安だが生活の妨げにはならない、50:中等度の不安があるがその場にとどまることができる、75:不安が強くその場にとどまることができない、100:最高の不安)で表し、不安な順番を100点満点の階層でつけてみましょう。以下の例を参考に自分自身の不安階層表を作ってみましょう。

※ステップ分けをするとき、自分にとっての変数を見つけるのがポイントです。何が変われば、あなたの不安は変わりますか?
①誰:誰と一緒か(人と一緒に行うのは最初の段階までにしましょう)
②何:どんな行動をするか
③時間:いつ実行するか
④場所:どこで実行するか
⑤長さ:どれくらいの時間実行するか

●次回は・・・
パニック障害の治療と再発の防止ついてお話します。

パニック障害の安全保障行動とは?

カテゴリー: パニック障害 | 投稿日: 2019-08-27

苦手な広場恐怖の場面に直面するのは、とても恐くて不安です。このため、不安を少しでも和らげるために、私たちは様々な行動をとることがあります。例えば、電車に乗る時は必ず薬を持つ、電車やバスでは必ずドアの近くに乗るなどがあります。このように不安になったときに自分を守ろうとしてとる行動のことを安全保障行動といいます。一見、薬を携帯することも、ドアの近くに乗ることも、日常生活の中で私たちが普通に行う行動に見えるかもしれません。しかし、安全保障行動は、もし、しなければ不安が大きくなってしまうところに特徴があるので、安全保障行動という専門用語がついています。しかし、その場は、何とかやりすごせても、長い目でみれば、パニック障害を長引かせてしまうことになります。

パニック障害の患者さんが、よく用いる安全保障行動
➢下のリストは、パニック障害の患者さんがよく用いる安全保障行動をあげたものです。あなたはどのような安全保障行動をしていますか?あてはまる項目にチェックをいれてみてください。


安全保障行動を続けていると、パニック障害が治らないのは、なぜ?

●安全保障行動をしたときの不安の変化


安全保障行動をすることにより、不安は急激に下がります。また、一時的に行動範囲も広くなります。
しかし、安全保障行動は不安を維持させます。安全保証行動に頼りきってしまうと、安全保障行動なしではいられなくなり、ないと不安な状態が持続してしまいます。
また、安全保障行動をしていると生活が不自由になります。例えば、本当は一人で自由に出かけたいのに出かけられないというふうに、生活が制限されてしまいます。

●安全保障行動をしなかったときの不安の変化

不安・恐怖の対象・状況に曝されるので、当然不安は高まります。しかし、不安はそのまま延々と高まり続けるわけではなく、ピークに達した後、しばらくするとゆるやかな下り坂で自然に弱まっていきます。さらに、2回目、3回目と不安・恐怖の対象・状況に曝していくうちに慣れが生じて、不安のピークそのものが徐々に下がるようになります。

過呼吸について

●過呼吸は不安症状を悪化させます

過呼吸によって生じる症状
十分に空気を吸えない感覚・めまい・ふらつき・離人症・心拍数の増大・しびれ・はきけ・筋肉のこわばり・胸の締付け・死んでしまうのではないかという感覚・コントロールを失ってしまう感覚など

このリストを見ると、過呼吸によって生じる症状は、パニック発作の症状と似ていることが分かります。そして、過呼吸によって生じた感覚を深刻な身体の異常と謝って考えてしまうと、不安が強まり、過呼吸が加速し、さらに症状が悪化するという悪循環が起こります。
過呼吸によって生じる身体感覚は不快に感じるかもしれませんが、決して危険なものではありません。身体症状は過呼吸をやめれば消えていきます。

●次回は・・・
パニック障害の治療についてお話します。

不安とは?

カテゴリー: パニック障害 | 投稿日: 2019-08-27

パニック障害の方は、苦手な状況や身体感覚(例えば、動悸、発汗など)で、自分をコントロールできなくなったり、パニックになったり、気を失ったりするのではないかと不安になります。そもそも不安とは何でしょうか?

●不安は身の危険を知らせる信号です
地震が起こって津波がすぐ近くまで迫ってきた状況を想像してみてください。あなたは、驚き、高台へ向かって走って逃げようとするでしょう。
このとき、あなたの脳は危険を察知し、不安が発生します。不安は、危険を知らせる危険警報なのです。危険警報が発令されると、直ちにアドレナリンが放出され、交感神経が活発になります。交感神経が活発になると、呼吸数が増え、心拍数や血圧が上昇し、筋肉が緊張します。こうした体の反応が生じることで、酸素が素早く体に取り入れられ、より多くの血液が全身に送られ、何かあったときにすぐに動くことができるようになります。これにより、あなたはより速く動き、怪我を避け、危険を逃れることができるのです。
これを、逃げるか闘うか反応といいます。

●逃げるか闘うか反応
逃げるか闘うか反応で起こる体の変化には、以下のようなものがあります。
こういった一連の体の変化は、無駄に症状が出ているわけではなく、どれも最大限に速く動き、怪我を避け、危険から逃れるためのものです。
例えば、呼吸が速くなり、心拍数・血圧が上がると、より走りやすくなります。筋肉が緊張すると、すばやい反応が可能になります。発汗して体が冷えると、冷静な判断がしやすくなります。また、危険な状況のとき、大切なのは筋肉です。体は筋肉に血液を送ることを優先し、消化器官や脳に行くはずの血液も二の次になると、はきけやめまいの症状が起こります。

●間違い警報
パニック障害の方は、危険信号に敏感になり、本来は危険でない状況でも誤って警報が鳴り、逃げるか戦うか反応が起こるのです。つまり、他の人なら不安を覚えないような状況で不安を感じ、様々な身体反応が生じるようになるのです。例えば、地下鉄に乗るだけで不安になり、動悸、息苦しさ、めまいが起こってしまいます。

●不安は有益なものです
不安になることが悪いということでは決してありません。適度な不安は、私たちが生きていく上で、大切な意味や役割を持っているのです。
不安は集中力・注意力を高めてくれます。適度な不安を感じているときのほうが、集中力が上がり、生産性が上がったりします。一方、不安を強く感じすぎると物事に集中して取り組むことが難しくなり、パフォーマンス能力は落ちます。不安が全くないと、力が抜けてしまい、いろいろなことに取り組めなくなります。
また、不安は自分を守るためにも大切です。雨の強い日に車に乗るとき、ブレーキが効きにくい、ハンドルもとられやすいだろうと不安を感じると、いつもよりスピードを控えて慎重に運転できます。一方、まったく心配しないで、大丈夫、大丈夫といつもどおりに運転するほうがよほど危険です。

●次回は・・・
安全保障行動と過呼吸についてお話します。

パニック障害 とは?

カテゴリー: パニック障害 | 投稿日: 2019-08-27

とくに体の病気がないのに、あるとき前触れなく突然、動悸、発汗、震え、呼吸困難、胸の圧迫感、はきけ、めまい、ふらつき、手足のしびれなど生理的な症状を伴うパニック発作が繰り返し起こります。発作が起こった後、「また起きるのではないか」と不安になり、発作が起きそうな場面を避けたり、外出できなくなったりというように、行動面で大きな変化が出てくることがあります。

パニック障害の症状
①身体症状
自分の予想のつかないところで、突然息切れやめまいなどが生じるパニック発作が繰り返し起こります。パニック発作とは以下の症状のうち、4つ以上が同時に起こり10分以内にピークに達するものです。(※症状が3つ以下の場合はパニック発作ではなく症状限定発作と呼ばれます。)
➢あなたはどんな症状がありますか?あなたにあてはまる症状にチェックを
➢入れてみましょう。
□息切れ、息苦しさ、息が吸えない、呼吸困難、過呼吸、窒息感
□動悸、心臓はドキドキ
□めまい、ふらつく感じ、気が遠くなる感じ
□発汗、汗
□からだの震え、手足がしびれる□ピリピリ、うずき感、感覚がなくなる、ぞわぞわする
□体が冷える、体が熱い感じ
□現実感がなくなる(周りの物が現実でない感じ)
□口が渇く
□はきけ、お腹の不快感
□足がガクガクする
□視界がぼやける
□筋肉の緊張
□考えがまとまらない、頭が真っ白になった感じ
□死ぬのではないか、コントロールできなくなるのではないか、気が狂うのではないか、と言う恐怖

②予期不安
発作を経験したあと、「また発作が起きるのではないか」「発作のせいでコントロールを失ってしまうのではないか」などと不安になります。

③広場恐怖
パニック発作が繰り返し起こるうちに、だんだんパニック発作と関連がある、パニック発作が起こると困ると思える状況が恐くなり、避けるようになります。(例)地下鉄、バス、エレベーター、高速道路、トンネル、飛行機、渋滞、映画館、ショッピングモール、美容院、人混み、行列、家に一人でいることなど

※①身体症状と②予期不安がある場合、パニック障害と診断されます。パニック障害には、広場恐怖を伴う場合と伴わない場合があります。
●パニック障害の悪循環

パニック障害の治療

①呼吸法呼吸を整えることでパニック発作の症状を減らす方法です。
②認知再構成不安を引き起こしている考え方(「死んでしまう」「自分ではどうにもならない」など)を見直し、不安を下げる考え方の幅を広げていきます。
③状況曝露不安で避けていた状況に直面し、不安に自分を慣らしていきます
④身体感覚曝露パニック発作のときと同じ身体感覚を経験することにより、苦手な身体感覚に徐々に慣れていく練習を行います。

●治療目標
治療を始める前に、まず治療目標を決めることが大切です。どのようなことができたら、パニック障害を克服できたと思いますか?

漠然とした目標は、あまり適切ではありません。
(例)「良くなりたい」
「パニック障害を治したい」
「人生の意味を見いだしたい」

目標は「~する」のように、具体的にすることがポイントです。
(例)「一人で混んでいる時間に地下鉄で新瑞橋から栄まで行く」
「一人で飛行機に乗り、セントレアから成田空港まで行く」

●次回は・・・
不安についてお話します。