2月, 2017年
不安障害に対する集団認知行動療法の研修会
不安障害に対する集団認知行動療法についての研修会に参加しました
2017年1月21日
場所:名古屋市精神保健福祉センター ここらぼ 研修室
講師:名古屋市立大学大学院医学部研究科 小川成 先生
〈内容)
・認知行動療法とは、認知や行動を変えることにより感情を変え、精神的な症状を軽減することを目的とする治療法です。
・パニック症、社交不安症、PTSD、強迫症、大うつ病性障害、双極性障害、統合失調症。摂食障害、境界型人格障害、ADHDなどほとんどの精神疾患に対するRCT(ランダム化比較試験)で有効性が示されています。
・不安症に対する認知行動療法
そもそも不安というものは、適度な不安は危険を回避できるという意味において、生きるために有益であり、作業効率も上がるという研究結果があります。しかし、不安が過度になってしまうと危険警報が間違い警報になってしまい、何の危険もないので身体に症状(動悸、過呼吸、めまいなど)が出てしまうなど、生活に支障をきたしてしまいます。
では不安とどう付き合うかというと、ゼロを目指さなくても適度な不安や緊張感にすればいいのです。そのために行うのが認知行動療法です。
認知再構成で自動思考を発見して不安を楽にする考え(適応的思考)をみつけます。
段階的暴露では、自分の不安や恐怖に直面する〈曝露する〉時のみ克服できるため、少しずつ不安や恐怖と思っている状況にさらされて、大丈夫であることを体感していきます。こういった方法を複数回のセッションで行います。
もちろん薬物療法をしながら、並行してこういった治療を行っていきます。
集団で行うことで、自分以外の人から意見をもらい、視野が広がり、共感してもらうことで安心したり、薬物療法だけでは足りない部分を補ってくれるのだと思います。
当院でも集団認知行動療法を行っていますので、関心のある方はご相談ください。
(看護師 松代)