あらたまこころのクリニック「ご家族の方へ」ページ

ご家族の方へ FAMILY

家族が共に治療を進める必要性 -FAMILY-

患者様の治療と同時にご家族の方が変わることが大切です

患者様の治療と同時に
ご家族の方が変わることが大切です

患者様との間で、「話しかけても無視される」「何かある度に言い合いになる」「そもそも会話がない」「良かれと思って提案することが拒絶される」など、たくさん困りごとがあるかもしれません。しかし、一番困っているのは、患者様本人かもしれません。
そんなとき、家族の「そうだったんだ、大変だったね。」というやわらかい一言と、安定した穏やかなご家族の様子によって、ご本人との関係が変化することがあります。

患者様の将来を誰よりも思うからこそ気持ちばかりが急いてしまい、顔を見ると「どうしてできないの!」という言葉が口をついて出てしまったり、「もっとこうしないと!」という思いで頭がいっぱいになってしまう方がたくさんいらっしゃいます。さらには、患者様のために混乱して疲れ果ててしまい、ご家族の方が適応障害やうつ病を発症してしまうこともあります。
心がいっぱいで行き詰ってしまったときは、少しだけ患者様から焦点を外してみてはいかがでしょうか。

ご家族の方が病気についての知識を持ち、コミュニケーションのコツを身につけることで、焦る気持ちや不安でいっぱいだった心に少し余裕が生まれ、会話の流れが変わり、これまでの関係や患者様の様子に変化が生まれることがあります。ご家族の方が変わることで、患者様も次第に回復に向かうことが多く、周囲のサポートや支援は、患者様の治療にとって大きな役割を果たします。

ご家族様と一緒に行う当院の治療 -TREATMENT-

  • 治療教育

    治療教育

    治療教育

    まずは、ご家族が病気についての知識を持ち、患者様の状況を知ることが大切です。患者様は、わざと家族を困らせているのではなく、病気がそうさせているのであり、患者様の人柄と病気を区別して対応できるようになると病気に巻き込まれなくなります。

    当院と名古屋市立大学看護学部との共同研究では、うつ病の治療において、家族の治療教育は「薬物療法と同じくらいの効果があると実証」(中日新聞)されています。

  • 問題解決療法

    問題解決療法

    問題解決療法

    患者様が病気を抱え、様々な問題が目の前に壁のように立ちふさがっていても、少しずつできる課題を見つけて階段を上るようにしていくことで乗り越えることができます。高さ2mの壁を一度に飛び越えることはできなくても、段差30cmの階段を作れば上ることができます。

    当院では、「患者様を変えるためには、まずは家族から変わろう」という意識を持った方の家族グループやコミュニケーショングループを実施していますので、目の前の問題に向き合いながら、一つひとつステップを踏みながら解決していきましょう。

  • ご家族のためのアサーション

    ご家族のためのアサーション

    ご家族のためのアサーション

    患者様に愛情があればあるほど、患者様の問題点ばかりが目に付き、指摘しがちになります(「間違い指摘反射」と言います)。しかし、家族から指摘されればされるほど、患者様は、「分かってもらえない」「どうしようもない」といった無力感や孤独感、怒りが強くなります。

    患者様の気持ちは、家族からの言葉によって大きく変わるため、ご家族向けのアサーションのグループやカウンセリングに参加することで、ご家族と患者様が安心し、気持ちが通い、問題解決に向かうようなコミュニケーションスキルを身につけることを目指します。

  • ご家族のグループ療法

    ご家族のグループ療法

    ご家族のグループ療法

    「木を見て森を見ず」「鹿を追う人は山を見ず」という諺があるように、ご家族は、愛情があり距離が近すぎるので、かえって大事なことが見えなくなって判断を誤ることがあります。特に、アルコール依存症や不登校などでは、共依存という状態が長年続いてしまいます。

    家族のグループ療法に参加することで、他の患者様の状態やそのご家族の様子を客観的に判断できるため、自分が置かれた状況や解決策に気づくことがでます。